星河の覇皇
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第八十二部第三章 国債の発行その二
「私にしましても」
「左様ですか」
「はい、ギルフォード総統は」
シュリーニは今度はこの度の政策を推し進めている彼のことを話した。
「国債の発行をです」
「最初からですね」
「念頭に入れて」
そうしてというのだ。
「そのうえで」
「政策を考えておられて」
「推し進めておられます、カエサルですね」
「あの世紀の借金王ですか」
「彼も借金を恐れませんでした」
ローマでそれで有名人になっていた程だった。
「借金をしてでもです」
「しなければならないものがあるのですね」
「カエサルは学問や市民の支持を得る」
「その為の資金としてでしたね」
「自身の遊興費や女性への贈りものにも使っていましたが」
それでもというのだ。
「それでもです」
「己を高める為にも」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「今のエウロパは」
「借金はです」
まさにというのだ。
「恐れないで」
「そのうえで」
「国債を発行し調達し」
そしてというのだ。
「こともです」
「薦めていけばいいということですね」
「若し借金を避けて」
そうしてというのだ。
「ことをはじめられず進められず」
「果たせないなら」
「それならです」
全く、というのだ。
「意味がないので」
「だからですね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「ここはです」
「総統が正しいですか」
「そうかと。とかく今は」
「借金でもですね」
「財産と考え」
「そのうえで政治を行っていく」
「実際に経済が発展し」
エウロパ経済、それがというのだ。
「国力が高まれば」
「借金もですね」
「苦にならなくなります、貧民には重荷になる額の借金も」
「富豪ならですね」
「苦にはならなくなります」
そこはというのだ。
「ですから」
「経済発展はすべきですね」
「次のメニューは確か」
ここでだ、シェリーニはローエンハイムに笑って話した。
「蛸でしたね」
「はい、蛸のマリネがです」
「次のメニューですね」
「左様です」
「私は蛸が好きで」
「イタリアではよく食べますね」
「はい、その蛸ですが」
その蛸の話からだ、シェリーニは話すのだった。
「蛸は追い詰められると自分の足を食べるといいますね」
「実際は違うそうですね」
「はい、ですが」
それでもというのだ。
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