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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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第97話 折れた形見の包丁!?次の目的はメルクマウンテン!小猫ちゃんの包丁と研ぎ師メルク登場!

side;祐斗


 リアス部長の実家から戻って2日が過ぎた。僕達はG×Gのお菓子の家の側に新しく出来た小猫ちゃんの厨房でリアス部長が実家に認めてもらえたことを祝って食事会を開くことにしたんだ。


 この場にはイッセー君、アーシアさん、オカルト研究部のメンバー全員に教会組にルフェイさんとテリー、そして新しく仲間になったアザゼル先生がいるよ。


 一龍さん達やココさん達も誘ったんだけど、一龍さん達は当然として四天王の二人も修行で忙しいらしく、リンさんと黒歌さんも同様で来れなかった。


 ティナさんだけは何故か連絡が取れなかったんだ。とても心配だけどイッセー君は「ティナもマジで危ないところに行くなら俺達に声をかけるはずだ。大方いつものスクープを取材しに行ってるんだろう」と言ったので確かに……と思った。


 残念だけど今回は僕達だけで楽しむことにするよ。


「今日は腕によりをかけて料理を作りますから楽しみにしていてくださいね」
「ええ、期待しているわね」


 エプロンを付けた小猫ちゃんにリアス部長が期待を込めた表情でそう答えた。僕も楽しみだよ。


「それにしてもいい厨房だな。設備も充実しているし最新の道具も揃っている。カウンターやテーブル席もあるし普通に店としてやっていけるレベルだな」
「一龍さん張り切っていましたからねー。未来の義娘の為だって」


 イッセー君は小猫ちゃんの厨房を見渡してその完成度の高さに驚いていた。ルフェイさんの言う通り一龍さんは相当お金をかけてこの厨房を作ってくれたんだね。


「まあ流石に『メルク』や『栗坊』が作ったような超一級品のものはないか」
「あはは、流石にそれは無理だと思うよ。値段も値段だし……」
「俺が買っても良いって小猫ちゃんに言ったんだけど断られちゃったんだよ」
「イッセー君、流石に甘やかしすぎだと思うよ……」


 イッセー君が言ったメルクや栗坊という人達はG×Gで包丁や鍋といった調理器具を作っている人達で、その中でもトップクラスの技術を持っているのがその二人なんだ。


 あまりにも有名だから異世界の出身である僕達もちょっと調べたら直に分かるくらいなんだ。

 
 ただ値段がね……安いのでも普通に数百万、良い物で数千万クラスはするんだよ。それを買ってあげるのは流石に甘やかしすぎだと僕はイッセー君に言った。


 もちろん小猫ちゃんならいずれは使いこなせると思うけど、なんでも与えられるのは彼女の為にならないし小猫ちゃんだって嫌だろう。


 イッセー君はしょんぼりしてしまったがこればっかりはね。


「この建物、中も凄いけど外観も可愛いよね。小猫ちゃんの猫耳があってキュートだわ」
「ああ、あれが『萌え』という奴だな」
「それはちょっと違う気がしますぅ……」


 イリナさんはこの建物の外観について話していた。この建物は上の方に小猫ちゃんの猫耳を表現した飾りが付けられているんだ。センスがいいと思ったよ。


 ゼノヴィアさんは新しく覚えたであろう萌えという言葉を使ったが、それに対してギャスパー君がツッコミを入れた。


「そういえばリアスは桜さんから特訓メニューを貰ったのよね」
「ええそうよ。桜さんも忙しいから取り合えず簡単に指導をしてもらってメニューを作ってもらったの。これをこなしていけばあの力も使えるようになるはずよ」
「ふふっ、随分と気に入られたのね。あんな素敵な男性ならリアスともお似合いだと思うけど」
「さ、桜さんが素敵な人なのは認めるけど私が好きなのは……!」
「ごめんなさい、冗談よ。慌てるリアスが可愛かったからつい意地悪をしちゃったわ♪」
「もう!朱乃ったら!」


 リアス部長は朱乃さんにからかわれてぷんすかと怒っていた。あの二人は今日も仲がいいね。


「でも実際に小猫ちゃんならお店としてやっていけるんじゃないでしょうか?」
「まあ今は忙しいし学生だから難しいけど将来的にはなれると俺は思うぞ。そうなったらまずは経営の許可を得ないとな……調理士の資格も取って食材は俺が捕獲してくる……いや十夢に声をかけて……」
「あわわ、師匠が真剣に人生設計し始めてます!?」


 ルフェイさんが小猫ちゃんならお店としてやっていけるだろうと話すと、割とイッセー君が真剣になって将来の人生設計をし始めた。


「イッセー君、小猫ちゃんの事好きすぎじゃない?」
「そうか?祐斗だってリン姉やティナとどういう人生を作っていくか考えたりはしないか?」
「それは……」


 僕はイッセー君にそう言われて考え始めた。


 前に二人に想いを伝えてもらい僕は二人と付き合う事になった。今までは恋愛なんて考えてもいなかったけど、復讐を終えて前に進めるようになったから僕も人並みに恋愛してみようって思ったんだ。


 それに正直イッセー君や小猫ちゃん達のやり取りを見てたら羨ましくなっちゃって……僕も男の子なんだなって思ったよ。


 因みにイッセー君の場合だと小猫ちゃんが正妻だって朱乃さん、アーシアさん、そして渋々だけどイリナさんは認めている。


 でもリンさんとティナさんは自分が正妻だってよく喧嘩するんだ。やっぱりその辺はハッキリした方が良いのかな?でも僕は二人とも同じくらい好きだし……


「うーん……」
「今度は祐斗が悩み始めたか、二人の男が悩む光景はシュールだな」
「祐斗さん、頑張ってください!」


 悩む僕とイッセー君を見たゼノヴィアさんが真顔でそう言って、僕の悩みの内容を察したアーシアさんが応援してくれた。


「皆さん、出来ましたよ。最初の一品は……ってイッセー先輩と祐斗先輩どうしたんですか?なんだか悩んでいる様子ですけど……」
「二人とも、恋人の事で頭がいっぱいなのよ」
「えっ!?じゃあイッセー先輩は私の事を……?もう先輩ったら♡ちょっと私の事好きすぎじゃないですか♡そういう所も好きですけど……♡」
「今度は小猫ちゃんが妄想に入ってしまいましたわ……」
「お腹空いた……」


 小猫ちゃんが料理を持って出てきたけど僕とイッセー君の様子を見て首をかしげていた。部長から理由を聞くと、今度は小猫ちゃんが妄想の世界に入ってしまったんだ。


 それを見ていた朱乃さんが苦笑いをしてゼノヴィアさんはお腹を押さえていた。


「ちょっと待ってよ小猫ちゃん!イッセー君は私の事を考えているかもしれないわ!」
「それは無いですね。だって先輩の一番は私ですから」
「ムキーッ!今は渋々認めてるけど絶対にイッセー君の一番を奪ってやるんだから!」
「やれるものならやってみやがれです!先輩と私の愛を舐めないでください!」


 イリナさんが小猫ちゃんに異議を申し立ててそのまま喧嘩になっちゃったよ。


「おい、いつになったら料理が出てくるんだ?酒を飲み終えちまうじゃねえか」
「あっ、ごめんなさい。イリナさん、料理が冷めてしまうのでこの話は後ほどに……」
「分かったわ」


 一緒に来ていたアザゼル先生がそう言うと二人は喧嘩をすぐにやめてイリナさんは席に戻った。食事が絡むと恐ろしく素直になるな、イリナさん……


「じゃあ最初の一品はラタトゥイユです。ベジタブルスカイで採れた新鮮な野菜をいっぱい使っています」


 小猫ちゃんが最初に出したのは色どりの野菜がいっぱい使われているラタトゥイユだった。色鮮やかでとても美味しそうだね。


「じゃあこの世の全ての食材に感謝を込めて……」
『いただきます!』


 イッセー君に合わせて全員でいただきますをすると、僕は早速ラタトゥイユを口に入れる……うん、美味しい!コンソメの味もしっかり染み込んでいるしシャキシャキの野菜がほろほろになるまで煮込まれていて触感も良いね!


「美味い!新鮮な野菜が小猫ちゃんの味付けで更に奥深い味わいになったぜ!」
「うん、美味しいわ!料理の腕では小猫ちゃんが一番ね!」


 イッセー君とイリナさんも絶賛していた。


「次はストライプサーモンのムニエルです」
「おおッ!ワインのつまみに合いそうだな!」


 小猫ちゃんが次に出したのはストライプサーモンで作ったムニエルだった。バターの香りが食欲をそそるね。


 あとアザゼル先生は飲みすぎですよ……


「あむ……ん~!美味しい!身もプリップリでしっとりしてて美味しいわ!意外と火を通すのって難しいのにとても上手に火が通ってるわね!」
「えへへ……」


 ムニエルはしっかりと火が通っているが身は固くなっておらずしっとりとしていた。リアス部長はそれを褒めると小猫ちゃんは照れていた。


「すっかり料理上手ですわね。わたくしではもう敵いそうにありませんわ」
「うむ、美味い食材を更に美味くできるとは……料理人とはすばらしい職業だな!」


 朱乃さんもゼノヴィアさんも小猫ちゃんの料理の腕をベタ褒めしていた。僕も自炊するから料理はするんだけど、小猫ちゃんには適わないな。


「もう、そんなに褒められたら調子に乗ってもっと料理を出したくなっちゃいますよ♪」
「いいぞいいぞ!もっと調子に乗ってくれー!」
「よっ、料理上手!貧乳だけど女子力高いわ!」
「ぶっ飛ばしますよ、イリナさん」


 小猫ちゃんはすっごく照れていてイッセー君も雰囲気に合わせて陽気に返していた。その後のイリナさんの言葉にガチギレしていたけど、直に機嫌を直して小猫ちゃんは上機嫌で料理を続けていく。


「『生姜豚』と『スパイ牛』のステーキセットです!」
「うわぁ!この豚肉、生姜の風味が口いっぱいに広がりました!ステーキなのにまるで生姜焼きを食べているみたいです!?」
「こっちの牛肉はピリッとスパイスが効いていてパンチのある味ですね!食べ比べると違いが分かって美味しいし楽しいです!」
「アォン!」


 それぞれのお肉の感想をギャスパー君とルフェイさんがコメントした。テリーも美味しそうに生姜豚とスパイ牛のステーキを食べているね。


「今度は『骨付きコーン』の丸焼きです。味付けは醤油バッタの醤油を使いました」
「トウモロコシに骨が付いていますね、まるでお肉みたいです」


 アーシアさんの言う通りそのトウモロコシの左右には大きな骨が付いていた。


「骨付きコーン!!トウモロコシ畑に10年に一度だけ実ると言われている幻のトウモロコシじゃねえか!醤油バッタの香ばしい醤油の匂いが堪んねぇ~!」


 幻のトウモロコシ……それは是非食べてみたいね!


「あむっ……!?す、凄い!普通のトウモロコシの何倍もの旨味が詰まっている!?BBコーンとはまた違った味わいだ!」
「BBコーンが上品な貴族のおやつならこっちはガツンと来る原始的な味わいね。お肉を齧ってる気分だわ」


 僕とリアス部長は骨付きコーンを絶賛した。醤油バッタの醤油もつけすぎていなくて程よい感じに塗られている。それがコーンの味わいを深めているんだね。


「さあ、今度は炊き立ての『イチゴ飯』を召し上がれ!」
「うわぁ!イチゴのいい香りが広がったわ!」


 炊飯器からイチゴの甘酸っぱい匂いが漂ってリアス部長が叫んだ。僕達のテンションも上がってしまうね。


「イチゴ飯!一粒一粒がイチゴのお米か!」
「小さくて可愛いですぅ」


 イッセー君とギャスパー君はイチゴ飯の米粒を摘まんでジッと見ていた。見た目はお米サイズのイチゴだね。


「美味い!イチゴの酸味と甘酸っぱさが口の中に広がっていく!」
「まるでスイーツみたいなご飯ね!」
「コレは辛い酒が合うな。ヒック」


 ゼノヴィアさんとイリナさんは一瞬で完食してアザゼル先生はお酒と一緒に堪能していた。


「アザゼル、貴方少し飲み過ぎじゃない?」
「大丈夫だ。マンサムから『ウコンウンコ』を貰ったから酔い知れずだぜ!」
「ちょっと!実在する食材だからと言って食事中にウ〇コなんて言葉を言わないで頂戴!」


 リアス部長はアザゼル先生に飲み過ぎだと注意すると、先生はウコンウンコがあるから大丈夫だと答えた。食材の名前とはいえウ〇コと言う言葉は聞きたくなかったので部長は先生に怒った。


「もう、アザゼル先生は何をやってるんですか。今イッセー先輩の大好物を使って料理をするんだから静かにして下さい」
「うおおっ!!『ロースバナナ』じゃねえか!?俺の大好物だ!!」


 小猫ちゃんはそう言うとバナナのような食材を取り出して包丁を入れていく。イッセー君はそれを見て目をハートのように変えてテンションを上げていた。


 イッセー君はロースバナナが好物だったんだね、初めて知ったよ。


「あらあら、流石小猫ちゃんですわね。イッセー君の好みは把握済みだとは」
「メモしとかないと、イッセー君はロースバナナが好き……っと」
「イリナさんは料理しない方が良いと思いますぅ。その方が世界の為ですぅ……」


 朱乃さんはイッセー君の大好物を知ってる小猫ちゃんを称賛した。イッセー君って何でもおいしそうに食べるから全部が大好物だと思っていたけど、やっぱりちゃんと特別に好きな食材もあったんだね。


 因みに僕は『マグロ豚』が一番好きなんだ。あのしっとりとしていて上品な脂がしたたる肉はなんともいえない味わいが良いんだよね。


 それ以上に美味しい食材はいっぱいあるけど、なんだか無性に食べたくなってしまうんだよね。僕のフルコースのメインデッシュに入れているんだ。


 イリナさんはイッセー君の好物をメモしている。きっとイッセー君に料理を作ってあげる気だね。


 ……でもイリナさんの料理の腕は何というか、毒物を作ってるの?って感じに紫色になってしまうんだ。レシピ通りに作ったら美味しくなるんだけど、一瞬でも目を離すと絶対に紫色になってしまうんだ。


 そして知っていた僕達は絶対に試食しないんだけど、新しくメンバーに加わったギャスパー君が運悪く彼女の料理中に出くわしてしまったらしく、その際に味見させられて気絶してしまった。


 そのことがトラウマになったのか割と珍しく毒を吐くギャスパー君、まあ無理もないよね……


「大丈夫よ、ギャスパー君!今度はちゃんと美味しく作るから!」
「一人じゃ無理だと思いますよ……大人しくしててほしいですぅ」
「なによ!可愛い顔して言いたい放題言ってくれちゃって!?そんな悪い口はこうしてやるわ!」
「ほふはへいほうなほほをひっはらけれうぅ(僕は正当なことを言っただけですぅ)!!」


 怒ったイリナさんにほっぺを引っ張られるギャスパー君。でも彼は珍しく弱音を吐かずに言い返した。まあ流石にね……


「はい、まずはイッセー先輩からどうぞ。ロースバナナの炙り焼きです。両面に軽く火を通してその上に『キャラメルキャビア』もたっぷり乗せています」
「うは~♡たまんねえ!ロースバナナのジューシィな味わいとキャラメルキャビアのほろ苦い味わいがマッチして……ウマッ♡」


 グデ~っと椅子に背中を倒して感銘のため息を吐くイッセー君。よっぽど美味しかったんだね。


「どうですか、先輩?」
「最高、美味すぎ、ヤバイよコレ。小猫ちゃん好き、愛してる、今すぐ結婚して一生ロースバナナで料理を作ってくれ♡」
「はいはい♡私が18歳になったら結婚しましょうね、先輩♡」


 普段からこんなやり取りをしているのか珍しく小猫ちゃんが照れたり妄想モードに入らずに軽く流した。もしかしたらロースバナナを使って料理した日はこんなやり取りばかりなのかな?


「かァー!こいつを食った後にテキーラで流すともう最高だな!」
「うむむ、お酒で料理を味わうのも美味しそうだな……」
「私達は大人になってからよ、ゼノヴィア。でも美味しそうだわ……」


 アザゼル先生はロースバナナのキャラメルキャビア乗せを食べた後に、テキーラを一気飲みして至福の笑みを浮かべていた。


 それを見ていたゼノヴィアはお酒で料理を味わう事に興味を持ち、リアス部長は彼女を注意しつつ自身も興味深そうにそれを見ていた。


「まっ、お前らお子様はあと数年待つんだな。これは大人の特権だ」
「むう、羨ましいわね」
「かっかっか!悪いなリアス、俺は大人だから良い酒を飲み放題だ!」
「何よその笑い方は!ムカつくわね!」


 さっき注意された意図返しなのかアザゼル先生は見せつけるようにお酒を飲んだ。それを見た部長は額に青筋を浮かべながら怒った。


「大丈夫ですよ、部長。今とっておきのスープを出しますからね」
「スープ?」


 小猫ちゃんが出したのは透き通った水のようなスープだった。これってもしかして……


「小猫ちゃん、これってもしかしてセンチュリースープか!?」
「まだ未完成ですけどね。漸く20%は再現できたものです」
「これで20%!?見た目はとても似ているわね……んっ!?美味しい!沢山の食材の味がお互いを殺し合わずに寧ろ高め合ってる!?ここまで調和させるなんて凄いわ!」
「これで20%しか出来ていないとは……本物の味がより楽しみになったな!」
「はい!いつか必ず100%のセンチュリースープをご馳走しますね!」
「おうっ!楽しみにしてるぜ!」


 リアス部長やイッセー君も凄く褒めていた。こんなに美味しいスープがまだ未完成だなんて……僕達はこのスープがまだ完成していないことに驚いた。


「なあ小猫、俺には無いのか?」
「アザゼル先生はお酒があるから十分でしょう?」
「いや悪かったって!この通りだ!俺にもそのスープを味わせてくれ!」
「フフッ、冗談ですよ。はい、どうぞ」
「おお~!こりゃすげえ!水みたいな見た目なのにめっちゃ濃厚じゃねぇか!」


 アザゼル先生は俺の分は無いのかと言うと小猫ちゃんは意地悪を言った。でも先生が謝るとすぐにスープを出した。


 仲間外れなんておいしくないもんね、だからアザゼル先生も意地悪したら駄目ですよ。


 その後も僕達は楽しく食事会を続けた。



―――――――――

――――――

―――


「そういえばリアスさん、貴方はこれから苗字とかどうするんですか?」
「そうね、まだ決めていないのよね」


 途中でイッセー君がリアス部長の名字はどうするのかと尋ねた。部長はグレモリーの名を捨てたから今はリアスとしか名乗れないからね、僕も気になっていたんだ。


 ただ部長はまだ決めていないみたいだね。


「リアス部長の紅い髪に因んで『リアス・スカーレット』なんてどうですかぁ?」
「私もそれを考えたんだけど、ちょっと安直すぎると思ったのよね」


 ギャスパー君が部長の新しい苗字を提案する。でも部長も似たような名前を考えたらしく、もうちょっと凝った名前にしたいらしい。


「いっそ日本人のような感じにしたらどうかしら?『紅月リアス』なんてどう?」
「う~ん、日本風も良いわね」
「何となく思いついたんですけど『篠ノ之リアス』なんてどうですか?」
「何故かしら……初めて聞いた名前なのに妙に親近感が湧くわね……」


 朱乃さんやイッセー君の考えた名字に悩むリアス部長、果たしてどんな名前になるのかな?


「『リアス・暗黒丸』なんてどうだ?」
「なら私は『リアス・ライオネル親方』って名前が良いと思うわ!」
「いやいやここは『ムッシュ・ひまわリアス』って名を提案するぜ」
「貴方たち気は確か!?私の名前で遊ばないで頂戴!」


 ゼノヴィアさん、イリナさん、アザゼル先生の名字にリアス部長が突っ込んだ。


「わあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
『ッ!?』


 その時だった、厨房から小猫ちゃんの悲鳴が聞こえてきたんだ。僕達は急いで小猫ちゃんの元に向かった。


「小猫ちゃん、どうしたんだ!?」
「せ、先輩……私の……私の包丁が……!」


 小猫ちゃんの足元には折れた包丁の柄が落ちており、小猫ちゃんは泣きながら刃の部分を持っていた。


「包丁が折れています!?」
「この食材を斬ろうとしたら刃が……」


 アーシアさんは折れた包丁を見て驚き、小猫ちゃんはある食材を指差した。


「コレは『首領ドングリ』じゃないか!?殻の硬さは凄まじく専用のハンマーでなければ割れないっていう……」
「はい、節乃さんにも気を付けるようにって言われていたのに……浮かれていました」


 どうやら小猫ちゃんのミスで包丁を折っちゃったようだね。でもあの包丁は確かお父さんの形見だったはずだ。


「父様、ごめんなさい……大切な形見の包丁を折ってしまいました。本当にごめんなさい……」
「小猫ちゃん……」


 小猫ちゃんは本当に悲しそうに折れた刃の部分に謝っていた。無理もないよ、あの包丁は小猫ちゃんにとってお父さんとのつながりだった大切な物なんだから……

 
 イッセー君も何も言えずにただ彼女の肩に手を置くことしかできなかった。


「小猫ちゃんが可哀想だわ……ねえイッセー君、その包丁を直せないの?」
「溶接すれば何とかならないか?」
「多分無理だな……くっつける事は出来ても必ず数ミリのズレが出来る。この世界の食材は少しでも手元が狂ったりしたらアウトなモノも多い。一流の料理人ならまず使わない」
「そんな……」


 イリナさんとゼノヴィアさんがイッセー君に包丁を直せないかと聞くが、イッセー君は例えくっ付けることが出来てもズレが生まれるから料理人としてそう言った器具を使うのはあり得ないと言った。


「先輩の言う通りです……この世界の食材は繊細で折れた包丁で調理しようとするなんて侮辱もいいところです。そんな料理人にはどんな食材も心を開きません。GODを追う為にもこの包丁とはお別れしないといけないんです。そもそも私のミスですしね……」
「小猫……」


 小猫ちゃんは涙をぬぐってそう言うが、やはり悲しいのだろう。その表情はとても暗く落ち込んでいた。


「まだ何とか出来るかもしれないぜ、小猫ちゃん。普通の職人じゃ駄目ならその道のスペシャリストに頼ればいい」
「それって……」
「『研ぎ師メルク』に会いに行こう。メルクならいい知恵を授けてくれるかもしれない」


 イッセー君の言葉に小猫ちゃんは目に希望の光を宿した。確かにメルクさんなら何とかしてくれるかもしれないね!


「それにメルクの元にはいつか向かうつもりだったからな」
「そうなの?」
「ああ、親父のくれたリストに書かれている修行用の食材の中に『メルクの星屑』っていうのがあるんだ」
「メルクの星屑?それってどんな食材なの?」
「俺も検討が付かない。だがメルクという言葉が使われているから研ぎ師メルクに関係のある食材のはずだ」
「なるほど、確かに今回のケースは丁度良かったのかもしれないわね」


 部長はイッセー君にメルクの星屑という食材について話をした。小猫ちゃんの包丁を直してもらうのと一緒にメルクの星屑も手に入れに行けば一石二鳥だね。


「メルクは人里離れた山、通称『メルクマウンテン』と呼ばれる場所に一人で住んでいるって話だ。まずはそこまで行く必要があるな」


 イッセー君は携帯を取り出すと何処かに連絡する。多分IGOから飛行船を出してもらうんだろうね。


「よし、話は付いた。俺専用の飛行船を待機させているみたいだから既に飛べる準備は出来ているみたいだぜ。ルフェイ、発着場までワープを頼む」
「分かりました!」


 こうして僕達は研ぎ師メルクに会いに行くためにメルクマウンテンに向かう事になったんだ。メルクってどんな人なんだろうか、会うのが楽しみだな。


―――――――――

――――――

―――


 飛行船に乗って数時間後、僕達はメルクマウンテンにやってきた。辺りは殺風景な岩山ばかりでこんなところに本当に人が住んでいるのかとって思っちゃったよ。


「先輩!早く!早く行きましょうよ!」
「こ、小猫ちゃん落ち着けって……」
「落ち着いてなんていられませんよ!料理人として研ぎ師メルクなんて憧れ中の憧れなんですから!」


 さっきまで泣いていたことは思えないくらいに小猫ちゃんのテンションは上がっていた。まあ僕達ですら凄い人だって分かるし、自分の大切な形見であった包丁を直せるかもしれないからあんなにテンションが高いのかもね。


「そんなに有名なのか?メルクって奴は?」


 最近仲間になったアザゼル先生はメルクさんの事を知らないようで首を傾げていた。


「この世界でも最高クラスの腕を持った職人ですよ。包丁に使われている素材もどれも高レベルのモノばかりですしそれを加工するには凄まじい腕がいるはずだ。まさに最高の職人……って話です」
「へぇ、そりゃ会うのが楽しみだな。どんな容姿なんだ?」
「それが実は誰も知らないんですよね。本人は滅多にメルクマウンテンから出ないそうですし、素材も自分で調達してるそうです。依頼人との仕事のやり取りは常に手紙やメールのみで容姿は謎に包まれています。噂じゃ実は女なんじゃないかっていう説があるくらいです」
「ふーん、人嫌いなのかねぇ」


 アザゼル先生にメルクのことを話すイッセー君だけど容姿までは知らないと話す。


 僕達もメルクさんの作る包丁が凄いっていう事は知ってるけど容姿はまったくといって情報が出てこなかったんだよね。


「まあでもただ物じゃないのは確かですよ。なにせメルクは自身で高レベルの猛獣から素材を捕獲するくらいだから恐ろしく強いって思われていますし、自身の作った包丁の切れ味を試す為に猛獣を斬ったり時には自分自身を斬って確かめたりしてるみたいです」
「ひえー、おっかねえな。職人も行き過ぎれば狂人だな」
「あくまで噂ですけどね。まあメルク本人に会えばそれも分かりますよ。ただし……」


 すると僕達の目の前に巨大な岩山が現れた。しかも丁寧に作られた階段が天に届くほど伸びていたんだ。


「な、なんだ!?でかい階段が現れたぞ!?」
「ここがメルクマウンテンの入り口です。この階段はメルク本人が作ったと言われています」
「マジかよ!?滅茶苦茶デカいな、どんな巨人が使ってるんだよ……!」


 アザゼル先生の言う通りその階段は一段が僕達と同じくらいかそれ以上の高さがあるんだ。こんな階段を普通に使えるなんてどれだけ大きな人なんだろうか、メルクって人は。


「あれ?もしかしてイッセー?それなら……あっ、祐斗くーん!」
「クポー!」
「ティナさん!?どうしてここに?」


 階段の一段目に上ろうとすると、なんとそこにティナさんとクルッポーが現れて僕に抱き着いてきた。


「どうしてここに貴方がいるんですか?」
「実はね、謎に包まれているメルク本人に取材を申し込みに来たの。でも雇っていた美食屋は逃げちゃって途方に暮れていたのよ。まさか祐斗君達が来るなんて思っていなかったけどね」
「相変わらずの行動力だな……」


 ティナさんの行動力にイッセー君が呆れていた。


「でも危険じゃないですか、どうして僕達に声をかけなかったんですか?」
「会いに行ったんだけどいなかったしD×Dに行く機械の使い方知らなかったから……」
「ああ、なるほど……」


 多分それは僕達が冥界に行ってるときの事だね。運悪く入れ違いになっちゃったのか。


「まあ運が良かったな、俺達もメルクに会いに行くところだ。ついてくるのは良いがメルクを怒らせるようなことはしないでくれよ?」
「了解!あれ?そういえば見知らぬ人がいるわね。この人もイッセーの仲間なの?」
「なんだ、祐斗の彼女か?お前も隅に置けねぇな」


 イッセー君は付いて来いって彼女に言うとティナさんは元気に返事をした。そして初対面だったアザゼル先生と自己紹介をしあうと僕達は一緒にメルクマウンテンを登り始めた。


「はぁはぁ……んしょ……くそッ、登りにくいなあ」
「アザゼル先生、そんなにのんびりしてたら日が暮れてしまいますよー」


 初めてG×Gの食材探しに来たアザゼル先生は過酷な山登りに少し息を切らしていた。


「うっせーよ!そもそもこんな過酷な山登りするなんて想定してなかったんだ!そもそもなんで飛んじゃ駄目なんだよ!」
「だってそれじゃ修行にならないし……そもそもこの辺りの空は怪鳥の巣ですから飛んでいたら襲われますよ」
「うっ……」

 
 イッセー君の言う通り空には大きな怪鳥が何体も飛んでおりそれを見たアザゼル先生はげんなりとした顔をする。


「ほらほら、分かったら頑張ってください」
「くそっ!やってやるよ!」


 アザゼル先生は気合を入れなおして階段を上り始めた。流石に一日では登り切れなかったので途中の段で一夜を明かすことにした。


「んぐんぐ……ぷはー!疲れた後の一杯は格別だな!」
「こんな時にまでお酒ですか?マンサム所長みたいですね」
「うっせーな、飲まなきゃやってらんねぇんだよ!そもそもお前らの体力がおかしいんだよ!人間であるアーシアやティナって娘も息を切らしてねえし……」
「あの二人も結構な頻度で危険な場所に行ってますから体力が付いたんでしょうね。前は空の上まで行きましたし」
「つくづくおかしな世界だな、ここ……」


 夕食中にお酒を飲むアザゼル先生は疲れたと言う。まあ確かにアザゼル先生はどちらかと言えばインドアなタイプだろうし山登りは想定してなかったんだろうね。


「それにしても急に押しかけたりして大丈夫ですかね?」
「どうしたんだ、小猫ちゃん?」
「いやだってこんな誰も来ない岩山を職場にしてるって事は気難しい人なんじゃないかなって思って……もし機嫌を損ねて包丁を直してもらえなくなったら……」
「まあその時はその時に考えよう。会ってもいないのにどうこう考えても仕方ないからな」
「……そうですね、まずは会ってみてからですよね」


 イッセー君の励ましに小猫ちゃんは笑みを浮かべた。包丁を直してもらえると良いね。


 その後僕達は寝袋に入って就寝する。見張りはイッセー君とテリーがしてくれるそうだ。


「ふふっ、あったかいね」
「そうですね……」


 僕はティナさんと一緒の寝袋に入って寝ている。クルッポーは僕達の側にいるが気を使って寝袋には入ってこなかった。


「ティナさんは寝ずらくないですか?」
「祐斗君の腕枕が気持ちいいから大丈夫よ」
「なら良かったです……」


 僕はそう言うとティナさんを抱きしめた。


「祐斗君?」
「……ティナさん、今後はあまり危ないことはしないでください。危険な場所に取材しに行くなら僕も付き合います。だから一人で危険な場所に行かないでください」
「……うん、分かった。心配かけてごめんね」


 僕はティナさんの頭を撫でると彼女にキスをした。付き合う事になった時に初めてティナさんとリンさんにキスをされたけど、僕からしたのは初めてだった。


 暫く唇を重ね続けそっと離れる。僕達の顔は暗くても分かるくらいに赤くなっていた。そして再び唇を重ねて今度は舌を絡ませる。ピチャピチャと水音が鳴って静かな夜に緩く響いた。


 ぷはぁ……とお互いに唇を離して舌が離れていく。唾液の橋が切れて垂れたので僕はティナさんの口に垂れていた唾液を指で拭った。


「祐斗君、好きよ……」
「僕も好きです、ティナさん……」


 僕はティナさんの上に覆いかぶさってまた唇を重ねる、ティナさんは僕の首に両腕を回して強く密着する。


 僕達は疲れて寝てしまうまで唇を重ね続けるのだった。


―――――――――

――――――

―――


 翌日になり僕達は登山を再開する。その道中で僕達は猛獣に追いかけられていた。


「おいイッセー!なんでやっつけないんだよ!」
「あいつらは『ファーニップ』っていう猿の仲間です。肉は不味いから倒しません」


 アザゼル先生はファーニップをやっつけないのかと言うと、イッセー君は不味いから倒さないと返した。


「でもファーニップがいるのならメルクの住処に近いのかもしれないな」
「どうしてだい?」
「ファーニップは鉱山に住むんだ。メルクは砥石を自分で採りに行くって話だから鉱山の側に職場を作ったらしいぞ。実際にこの辺りは良質な鉱物が取れるからな」
「なるほど、もう少しって事ですね」
「お前らなんで逃げながらそんな悠長に会話できるんだ!」


 逃げながら会話をするイッセー君と僕と小猫ちゃんにアザゼル先生がツッコミを入れた。


「イッセー!前からもなんか来たぞ!」


 アザゼル先生の言う通り上の階段に複数の猛獣が待ち構えていた。


「あいつらは『ロックウルフ』か!食っても不味いからジャンプして避けるぞ!アーシア、来い!」
「はい!」
「ティナさん!」
「うん!」


 イッセー君はアーシアさんを、僕はティナさんをお姫様抱っこするとロックウルフの群れをジャンプして飛び越えた。他の皆は自力でジャンプして逃げてアザゼル先生もそれに続いた。


「どひぇー!ファーニップとロックウルフの群れが追ってきてるぞー!なんであいつら互いに襲い合わないんだ!?」
「お互いに不味いって思ってるからじゃないですか?」
「くそっ!猛獣の癖にグルメぶりやがって!」


 そうして必死にロックウルフとファーニップの群れから逃げていると、遂に階段の終わりが見えてきた。


「あれ?猛獣達が止まってしまったぞ?」
「ぜぇ……ぜぇ……諦めたのか?」


 ゼノヴィアさんが追ってこなくなった猛獣達を見て首を傾げていた。アザゼル先生は息を切らしながら猛獣達が諦めたのかと言う。


「いや、本能でこれ以上登ったらマズイって思ったんだろうな。それだけメルクを警戒してるって訳だ」
「やっぱり只者じゃないのね、いきなり襲い掛かってきたらどうしようかしら……」
「はは、あくまで噂ですよ。まあそうなったら俺がどうにかしますよ」


 それに対してイッセー君は猛獣達がメルクさんを警戒しているって答えた。それを聞いたリアス部長はメルクさんが只者ではないことを理解して噂通りの人だったらどうしようかと言った。


 イッセー君は笑いながら最悪自分がどうにかすると答えて頂上に上がった。僕達も続くとそこには小さな工房があった。


「わぁ!ここがメルクさんの職場なんですね!」
「意外と殺風景なんだな……!?」


 その時だった。アーシアさんやティナさん以外の戦える人達全員が一斉に警戒する仕草に入った。何故ならここに足を踏み入れた瞬間、まるで全身を切り裂くような闘気を浴びたからだ。


「今のは一体何なの!?」
「研ぎ師メルクの闘気か!?」


 部長やゼノヴィアさんが警戒を続ける中、ふと背後からも何かが来る気配を感じて僕達は振り返った。


 するとそこに全身を鱗で覆った大きなゴリラが襲い掛かってきたんだ。口にはロックウルフの死体が入っており彼らより高いレベルの猛獣だと判断した。


「コイツは『スケイルコング』!?捕獲レベル22の獰猛なゴリラだ!こいつのレベルだと上がってくるのか……」
「来るわよ!」


 僕たちは一斉に構えたが、次の瞬間スケイルコングの全身の鱗がまるではぎ取られたかのように地面に落ちていったんだ。


「ブ……!?」


 一瞬何が起きたのか理解できなかったスケイルコングだけど、自身の鱗がはがされたと理解すると胸と下半身を両手で押さえて逃げて行ってしまった。もしかして雌だったのかな?


「少し残ったか……」


 すると工房から誰かの声が聞こえたので振り返ってみると、そこには一人の男性が立っていた。


「初めまして。今のは貴方がやったんですか?」
「ああ、そうだ。丁度新しい包丁の切れ味を試したかったからな」


 僕達の代表としてイッセー君が声をかけると男性は今のは自分がやったと答えた。


「じゃあ工房から伝わってきたあの鋭い闘気も貴方が出したものですか。見た感じ歳はそこまで離れていないと思うがあれだけの闘気を持つ上にスケイルコングの体を傷つけずに鱗のみを切り落としたその技術……もしかして研ぎ師メルクのお弟子さんですか?」


 イッセー君は男性にメルクの弟子かと尋ねた。あれだけの技術を持っているなら間違いなくメルクの関係者と僕も思うよ。


 だがその質問に男性はイラっとした表情を浮かべる。


「オレの名はメルク。研ぎ師メルクとは俺の事だ」
「なっ……!?」


 男性の言葉に僕達は驚いてしまった。ずっと謎に包まれていた研ぎ師メルクの正体がこんな若い男性だったなんて思ってもいなかったからだ。


「ここに直接人が来たのは何年ぶりだろうな。さて、君たちはオレにどんな仕事の依頼をしに来たんだい?」


 男性……メルクさんは不敵な笑みを浮かべてそう尋ねてきた。

  
 

 
後書き
 ゼノヴィアだ。まさか研ぎ師メルクの正体がこんなに若い男性だったとは……噂とはあてにならないものだな。


 しかしあの包丁さばきは見事なものだった。あれだけの腕を持っていれば必ず小猫の包丁を直してくれるだろう。


 うん、どうしたんだイッセー?そんなに警戒して……なっ!?イッセーとメルクが決闘だと!?一体何故こんな事になってしまったんだ!?


 次回第98話『激突!イッセーVSメルク!重力の魔窟、ヘビーホールに向かえ!』で会おう。次回も美味しくいただきます! 
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