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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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ネクロゴンド

<ネクロゴンドの洞窟>

今アルル達は、ネクロゴンドの洞窟を突き進んでいる。
この洞窟に辿り着くまでには色々な事があった…

祠の牢獄では急に現れたサイモンの霊に、ビアンカが驚きリュカに抱き付くと、ムラムラしたリュカがその場でビアンカを押し倒し、一同に突っ込まれたり…(突っ込みはサイモンも含む)

何とか無事 (?)に『ガイアの剣』を手に入れたので、ネクロゴンドを目指す事となり、アッサラームへのルーラをリュカに頼んだら…
『そうやって手を抜くのは良くない!時間をかける事で、人は強くなるのだよ』と、ルーラを拒否!
祠の牢獄からアッサラームまで、船で移動すると数ヶ月はかかる!
流石に金銭的に無駄すぎて一同に一斉に突っ込まれるリュカ!(突っ込みはサイモンは含まず)
小一時間の問答の末、ビアンカの色仕掛けで説得し、どうにかアッサラームまではルーラで移動する事に…

アッサラームに着いた時には、辺りは既に夕刻だった為、ネクロゴンドへの出立は翌早朝という事となる。
急遽出来た自由時間を満喫すべく、リュカを筆頭に男性陣がティミーを拉致り、パフパフ屋へ向かう事に…
しかしながらミニモンがチクった為、パフパフ屋の前で女性陣に捕まり説教を受けている男性陣!
その際リュカの『アルルじゃ出来ないから、ティミーに経験させたかったんだ!』と言う台詞に、アルルが大激怒!!
それを切っ掛けにギガデインを唱える事が出来る様になる。
思いがけず新たな魔法を憶える事が出来たのだが、男性陣(主にリュカ)への説教で、有耶無耶な感じになってしまった。

そして、その混乱に乗じたミニモンが、変化の杖を盗み逃亡を図る!
リュカ達は慌てて(ミニモン)の後を追い、1軒の民家へと…
その民家の奥では小さく蹲るミニモンが、リュカ達を見るや『ニャー』と猫の真似をする。
『お前…何やってんの?』
と、リュカの問いにミニモンは…
『?………げ!化け損ねた!!』
と………
そして後頭部に拳骨が落ちる。


数々の苦労 (?)を乗り越え、辿り着いたネクロゴンドの洞窟は、凶暴凶悪なモンスターで溢れていた。
アルルの前には大型モンスター『トロル』が立ちはだかり、亀の様な『ガメゴンロード』と言うモンスターがウルフとマリーを苦しめる。
6本の腕を持つガイコツモンスター『地獄の騎士』がハツキとカンダタを襲い、雲状のモンスター『フロストギズモ』が後方からヒャダルコで皆を苦しめる。

地獄の騎士が6本の腕を巧みに使い攻撃してくる為、ハツキは決定打を打てずにいると、地獄の騎士が焼け付く息を吐き、カンダタの身体が麻痺してしまう。
直ぐさまハツキがキアリクで回復させるが、魔法で出来た隙が大きすぎで痛手を負ってしまう。

ガメゴンロードの甲羅は堅く、ウルフの剣技では歯が立たず、マリーと共に魔法戦に持ち込もうとしたが、ガメゴンロードはマホカンタを唱え肉弾戦を仕掛けるしか方法が無くなってしまう。

トロルは怪力ではあるが素早さが無く、アルルはフットワークを駆使して切り続けて行く。
しかし並はずれた体力の為に、一向に事態の進展を図れない。
憶え立てのギガデインで事態を収拾したいが、如何せん消費魔法力が桁外れで、体力が完全な時に1回唱えられるのみ…
まだアルルの方が、そこまで強さに追いついていない状況だ。

何より厳しいのが、後方からのヒャダルコだ!
大ダメージにはならないのだが、痛みと凍り付く影響で動きに支障が出る事だ。
随時マリーがグランバニアから持ち出した賢者の石で、全員を回復しているのだが、全てにおいて決定打を与えられないのだ。


「であー!」
後方でアルル達の戦いを観戦していたティミーが、堪らずに参戦する。
一撃でガメゴンロードを倒すと、返す剣でトロルを葬り、ギガデインで地獄の騎士とフロストギズモを消滅させた。

「うわー…流石は天空の勇者様…つえ~…」
ティミーの奮戦を見て、リュカが感情の篭もらない口調で言い放つ。
「分かってます!コレではアルル達の為にならないと言うのでしょう!しかし此処のモンスターは強すぎるんです!今のアルル達には荷が重すぎる…」
ティミーは叫ぶ…リュカにアルル達の状況を見せながら。
アルル達は肩で息をし、喋る事も出来ないでいる。

「うん…そうだねぇ…今のアルル達には、此処のモンスターは強すぎるよね。…あと数ヶ月は時間をかけて、特訓をすれば良かったね」
優しい口調で言うリュカの『数ヶ月』…
ルーラを使わずに、船で時間をかけて移動すれば、組み手等の訓練もモンスターとの実戦訓練も、十分に行う事が出来たのだ…
しかし先を急ぐあまりに、リュカに無理を言いその時間を省いてしまった!

一同の心に、リュカの言う事を聞かなかった事への後悔が渦巻き出す…
(ドン!)
「ティミー…よ、余計な事を…しないで…よ…あ、あんな敵…私…たち…だけで…大丈夫なのに…」
不意にティミーの胸を押し憤慨するアルル…
リュカへのルーラ使用を特に要望していたティミーを庇うべく、息も整わないのに強がりを言う健気さを見せる。


小一時間その場で休憩をし、アルル達は再度洞窟の奥へと進み出す…
程なく、先程と同じモンスターが目の前に現れ、アルル達に襲いかかってきた!
慌てて身構えるアルル達…
するとティミーが大声で指示を出し始める。
「ハツキさんはトロルの相手を、カンダタさんはガメゴンロードを牽制して、アルルとウルフ君は地獄の騎士を全力で倒して!マリーは後方から魔法で援護…ガメゴンロード以外に、メラを唱え続ける様に!」

いきなりの事であったが、瞬時にティミーの指示に従うアルル達。
言われた通りマリーは後方からメラを連発…
一番最初にフロストギズモを消滅させる事が出来、戦闘が有利な展開に!
ハツキは素早さと腕力を駆使し、トロルを翻弄する事に専念…確実にトロルの体力を奪って行く!
カンダタはガメゴンロードと対峙し、倒すのではなく他の仲間を攻撃できないように釘付けにする。
そしてアルルとウルフが、地獄の騎士の6本の腕を剣で押さえ付けている間に、ライデインとベギラゴンでとどめを刺す!
目標が消滅したアルルとウルフは、直ぐさまトロルへと攻撃対象を移し、ハツキと連携してトロルを駆逐する。
残るはガメゴンロードのみ…
マホカンタを唱えてあるとは言え、アルル達の総攻撃に耐えられるはずもなく、間髪を入れずに葬り去られた。


「どうですか父さん!アルル達は十分強いんですよ!敵の特性を把握して、それにあった戦い方をすれば、十分やっていけます!」
今回の勝利は、戦い方を指示したティミーの功績だろう。
一度の戦闘で、敵の特性を瞬時に把握し、即座に対応する事の出来たティミーの手柄なのだ。
本来ならば、それらを含めて全てアルル達が行わなければならないのだが、ティミーが皆を守ろうとする気持ちを理解し…また、息子の成長が素直に嬉しくて、リュカは何も言えなかった…
ただ息子を抱き締め、頭を撫でる事しか出来なかった…



 
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