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桃喧嘩

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第二章

 木達の闘いを見てこれはとなった。
「桃の木が闘っているぞ」
「木道士でな」
「これは術だな」
「そうだな」
「夫婦でそれぞれ術を使ってだな」
「それで闘わせているな」
「これは凄い」
 皆感心して言った。
「見事な術だ」
「やっぱりお二人共術は凄いな」
「そうだな」
「これで子供っぽいところが強くなかったらな」
「仙人様には童心も大事だけれどな」
 こうした話をしながら闘いを見守っていた、闘いは暫く一進一退であったが。
 やがて夫が動かしている木が次第に押され。
 道観の垣の方に逃げてそこで花びらがだった。
 淡い紅色から白になった、民達はそれを見て察した。
「白旗か」
「降参か」
「旦那さんのだなあれは」
「なら負けたのは旦那さんか」
「奥さんの勝ちか」
「くっ、わしの負けだ」 
 事実夫がここで苦い顔で言葉を出した。
「残念だがな」
「私の方が一枚上手ということで」
 そして妻は勝ち誇った笑みで述べた。
「宜しいですね」
「負けは負けだ」
 夫は苦々しく述べた、言葉も苦いものだった。
 こうして決着はついた、だが近所の民達は話した。
「今回は奥さんの勝ちだったが」
「またやるだろうな」
「それも近いうちにな」
「旦那さんも負けず嫌いだしな」
「絶対にそうなるな」
 決着がついたのを見て話した、そして実際にだった。
 一月後夫婦はまた勝負をした、今度は桜の木を使ってそうしたが。
「わしの勝ちだな」
「ええ、確かに」
 今度は夫が勝ち誇り妻が苦い顔になった、妻が動かしている桜の木の花びらがほんのりした桜色から白くなっていた。
「あなたの勝ちです」
「そうだな」
「やっぱりこうなったな」
「絶対に旦那さんも黙っていないと思っていたが」
「勝負を挑んだな」
「それで奥さんに勝ったか」
「それじゃあまただな」
 観ていた民達はわかっているという顔で話をした。 
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