| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

怪我をしたら安静に

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

「そうしたい気持ちを抑えさせてな」
「安静にしてもらうのね」
「そうだ、仕方ない」
 怪我をしているからだというのだ。
「今はな」
「そうよね、それじゃあね」
「ああ、今はな」
「活発にはね」
「動かせないぞ」
 ケージの中で丸くなって寝ているふわりを見て話した、そして五日経ってからまた獣医に診てもらうと。
 完治していた、それで一家でふわりに話した。
「暫くはちょっとだがな」
「それでもね」
「もう走っても跳んでもいいわよ」
「ワンッ」
 ふわりは一家の言葉に頷いた、それでだった。
 走ったり跳んだりする様になった、そんな彼女を見てだった。
 洋介は両親にこう言った。
「怪我をしている時はな」
「ああ、我慢してもらってな」
「怪我を治してもらうのよ」
「そうしてな」
「治ったらよ」
「こうしてだな」  
 散歩中に走って跳ぶふわりを見て話した。
「動いてもいいな」
「ああ、トイプードルはそうした種類だ」
 文太は笑顔で話した。
「元気で動きたがる犬なんだ」
「そうした子だからな」
「普段はな」
「走って跳んでもらって」
「だが怪我をしたらな」
「その時ばかりはな」
「我慢してもらうんだ、これからもな」
「怪我をしたらな」
「そうしてもらうぞ、いいな」
「わかったよ」
 洋介は笑顔で応えた、そうしてだった。
 一家でふわりと楽しく散歩をした、怪我が治った彼女は活発に動き回っていた。


怪我をしたら安静に   完


                    2022・9・23 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧