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おっちょこちょいのかよちゃん

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232 独裁者達の玉砕

 
前書き
《前回》
 ダントン、マラー、そしてロベスピエールのジャコバン派の人間、そして東アジア反日武装戦線の佐々木則夫と交戦するかよ子達の元にりえの救出を目的とするあり達も援軍として現れ、共闘する事になる。そして佐々木は赤軍の岡本公三の能力(ちから)をそのまま再生できる銃を使用して聖母マリアを召喚する。そしてありも3体のカムイを召喚する。神と神の戦いが始まった!! 

 
 ありは羽衣から降り、奏子に命じる。
「奏子ちゃん、かよちゃんの所に行ってあげて、何かあったら羽衣で守るのよ」
「はい!」
 奏子は他の皆を降ろしてかよ子の所へ行く。
「かよちゃん、私が守るわ!」
「あ、ありがとう・・・!!」
 ありは三人と二羽の(カムイ)でマラーを襲う。
「私も行くよ!」
 みゆきがブーメランを投げた。ブーメランがマリアを襲う。しかし、マリアは神という存在である為か、効果が薄い。
「だめ・・・!?」
「みゆきちゃん、鈴音ちゃん、こいつらを狙って!」
「うん!」
 鈴音が錫杖でマラーを引き続き凍らす。
「たかが私を凍らせただけでいい気になるな!」
 マラーの身体からギロチンが飛び出し、氷を粉砕する。そして鈴音とみゆきを襲う。
「おっと!」
 みゆきがブーメランを投げる。ブーメランから光線が乱射され、ギロチンを粉々に砕いた。
「それならこれだ!」
 マラーがメスをみゆきに向けた。
「させるか!」
 大野が草の石でマラーの襲撃を試みる。しかし、巨大な木の枝がギロチンで破壊された。
「これならどうだ!?」
 大野は別の石を出す。親友だった杉山の石だった雷の石を出す。ギロチンが電撃で破壊された。
「くおお!!」
 マラーがまともに電撃を喰らう。鈴音も錫杖で炎を出現させ、マラーを焼殺する。まる子の炎の石で更に強力な炎となる。マラーは雷と炎の攻撃によって黒焦げにされて消滅した。
「あとはあいつだ!」
 皆は佐々木を相手に向ける。

 ダントンと交戦する事になった北勢田は悠一やシャクシャイン達と共に纏めて襲い掛かる。北勢田は矛で電気の龍を作り出し、龍がダントンを噛み砕こうとする。
「ふん、そんなもの、壊してくれる!」
 ダントンのギロチンが機械の龍を破壊しようとする。だが、同時に北勢田の矛から電撃が放たれ、ギロチンをあっけなく黒焦げにしてその場に落下させた。
「な、我がギロチンがそんな電撃ごときに・・・!?」
「貴様は私らが成敗させて貰う!」
 シャクシャインや阿弖流為、母禮が攻め込む。悠一のテクンカネの能力(ちから)が発動される。シャクシャインが地面の爆発を起こし、阿弖流為の水流攻撃、そして母禮の砂を利用した槍がダントンを狙った。
「我が攻撃はギロチンだけではないぞ!」
 ダントンは光線を放つ。各々の攻撃を防御し、そして光線は母禮に当たった。母禮は身体が硬直したように動けなくなる。
「母禮!」
「気を付けよ!奴の光線に当たったら動けん!」
 石松達が警告した。
「出向いただけ無駄になったな!」
「この野郎!」
 シャクシャインが引き続き地面の爆発で攻撃する。ダントンは吹き飛ばされるが、同時にギロチンがシャクシャインや石松達の方向へ向かって来た。
「な!」
 慌てて石松は刀で回避、大五郎は法力で無効化した。
(あいつの光線とギロチンを何とかしないとな・・・!!)
 悠一のテクンカネが光る。同時にダントンが戻って来た。
「纏めて静粛してくれる!」
 だが、母禮が再び動けるようになり、刀の風圧でダントンを斬りつけた。
「何、貴様は動けないはずじゃ・・・!?」
「俺のテクンカネで動けるようにしたんだよ!」
 更に悠一のテクンカネが光る。シャクシャインや石松達の攻撃・防御が更に強化された。ダントンの光線やギロチンが撥ね返される。そして石松の刀が一振りしただけでダントンを八つ裂きにした。ダントンは消滅した。

 濃藤達は次郎長達に加勢し、ロベスピエールと交戦する。
「ぶっ倒す!」
 鎌山の鎌が鎌鼬を無数に起こし、ロベスピエールが出したギロチンを次々と破壊する。しかし、ロベスピエールも負けじとギロチンの数を増やす為、その先へ進めない。立家の爪が電撃を放つ。だが、これもロベスピエールに届かず、ギロチンを破壊するのに精いっぱいとなった。だが、次郎長がようやくロベスピエールの懐に飛び込めるようになった。
「近くに飛び込めたっていい事ないぞ!」
「某は貴様を倒すまで諦めんぞ!」
「ほう!」
「私も協力する!かかれ!」
 項羽の軍が大群で突進する。ロベスピエールのギロチンが次々と撃破されていく、次第にロベスピエールは追い詰められていく。
(あとは俺がなんとかしないと・・・)
 濃藤は剣を差し出す。
「鎌山、立家、君達の能力(ちから)、借りるぞ!」
「お、おう!」
 濃藤の剣に鎌山の鎌鼬と立家の電撃が取り込まれる。強力な雷を纏った鎌鼬で遠距離攻撃を無数に発動させる。それまでの鎌鼬はギロチンの刃に当たっただけで相撃ちのように消えてしまったが、今度のギロチンに当たった鎌鼬は消滅する事なくロベスピエール本人を襲う。
「ぐあああ!!」
 ロベスピエールの身体に鎌鼬がまともに当たる。更に電撃でロベスピエールは苦しんだ。別の鎌鼬がロベスピエールを更に斬りつけ、さらに次郎長の斬りかかりもあってロベスピエールは消滅した。
「やったか・・・」
 そして残りは東アジア反日武装戦線の佐々木のみとなる。

 ありは単身で佐々木と対峙する。
「お姉さん、大丈夫かな・・・?」
「ま、負けるんじゃないぞ~!」
 友蔵は必死で応援した。
「レーニンにやられたマヌケが!」
「そっちこそ東京で私にやられたの忘れたのかしら?」
 ありが召喚した(カムイ)が佐々木が出したマリアに襲い掛かる。だが、聖母マリアもなかなか引き下がらない状況である。鷲と鳶の(カムイ)、カパッチリカムイとヤトッタカムイが対抗する。そして風を司るレラカムイが突風を引き起こす。聖母マリアは3対1で襲われたのか蹴散らす事はできず、やられて消滅した。
「後はこの二体のカムイがアンタを相手するわよ」
「某も付き合うぞ!」
 石松が左目の眼帯を外した。大物主神が現れ、金の糸で佐々木を拘束する。
「この糸はどうあっても切る事はできん」
 そしてカンナカムイが雷撃を加え、カムイが地面に佐々木を捩じ込ませた。
「うおおお!!」
 佐々木は戦闘不能にされ、地面に埋め込まれた状態となった。
「・・・やったわね」
「ああ、ジャコバン派の独裁者共も皆死んだ」
 そしてお蝶がようやく動けるようになった。
「お蝶、無事で良かった!」
「ああ、あんた達、助太刀ありがとね!」
 お蝶はあり達に礼を言った。だが、項羽は次の事を考える。
「さて、ここからどうするかだな。この男を本部に引き渡したいのだが、我々も待てん」
「ああ、そうだな、本部に連絡しとくよ」
 悠一が通信機を取り出した。
「こちら煮雪悠一、ジャコバン派の人間を始末し、東アジア反日武装戦線の佐々木規夫を片付けた。この男はどうしようか?」
『こちらイマヌエル。了解した。そちらにはフローレンスに(ついで)としてで向かわせておく。先へ進んでいい』
「了解」
 通信は終了した。
「よし、だが、捕虜にしたいが待ち合わせがいないのであると、フローレンスが来る前に取り返されるかもしれん。一旦この地は我々が見張っておく。お主らは先に杯の所有者を探しに進め!」
「え?うん、解った!」
「項羽様、私も残ります」
 虞美人が頼んだ。
「いや、虞よ、その気持ちは嬉しいが、お前も共にこの者達の支援をして欲しい」
「は、はい・・・」
 そしてかよ子達はそれぞれの目的の為に別れる事になった。
「それじゃ、かよちゃん、杖、取り返すんだよ」
「はい、お姉さん達もりえちゃん取り返して!」
「うん、約束するわ」
 かよ子とありはお互い約束し合った。かよ子は杖を取り返す為に向かう。
「そういえば、私の能力(ちから)、元に戻ったのかな?」
 かよ子は先程マラーの能力(ちから)で自身の武装の能力(ちから)を無効化されていた。
「あの男を葬ったならば大丈夫であろう」
「うん、そうだよね!」
 かよ子は杖を取り返す為に奥平を再び追う。 

 レーニンは紂王の屋敷に辿り着いた。そして杉山の姿に変わる。
「まずはりえに会わせてくれ」
「おうよ」
 そして紂王によってある部屋へと通される。そこに一人の少女がいる。
「よう、ここに来てどんな気分だ?」
「杉山君っ・・・!!」
 目的の杯の所有者はその部屋に監禁状態となっていた。 
 

 
後書き
次回は・・・
「屋敷の少年と少女」
 かよ子は杖の手がかりを掴む為、長山に捜索を依頼するが、とんでもない情報が入って来る。そして紂王の屋敷に到着した杉山はりえに藤木と面会する。そして藤木がこの屋敷にいる事が確認できた杉山は藤木について何を思うのか・・・!? 
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