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星河の覇皇

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第八十二部第一章 打たない先手その十

「陛下にはね」
「そうして頂くのですね」
「お願いしてみるわ」
「では」
「そちらも行ってね、そして」
 こうもだ、伊東は言うのだった。
「各国も行うけれど」
「祝電を送ることは」
「我が国もよ、こうしたことはね」
「欠かしてはいけないですね」
「むしろ欠かすと」
 そうしたことはというのだ。
「外交的に非礼になるわ」
「日本としては非礼は」
「忌むべきものだから」
「やはり我が国は皇室を戴いているので」
「政治的な存在ではあらせられないけれどね」
「こうした儀礼ではですね」
「どうしても出て頂くことになるから」
 だからだというのだ。
「こうした時はね」
「私的にですね」
「メッセージを送って頂くわ」
「私的である理由は」
「それだけ交流が深いということをね」
 このことをというのだ。
「連合中に知らしめる為よ」
「まさにその為ですね」
「そうして頂くわ、勿論政府としてもね」
 日本政府もというのだ。
「祝電を送らせてもらうわ」
「それも儀礼ですね」
「そうよ、ここで私的なメッセージを送れることは」
 このことはというと。
「君主だけの特権よ」
「これが共和制ですと」
「そうもいかないわね」
「そうですね、家同士の交流とならないので」
 スタッフもそれはと頷いた。
「確かに」
「そう、だからね」
「ここはですね」
「君主の存在を活用すべきよ、日本は連合の四大国の中で」
「唯一の君主国ですね」
「しかも皇室よ」
 伊東はスタッフに笑みを浮かべて話した。
「それだけにね」
「その皇室の存在をですね」
「誇示するという訳ではないけれど」
 それでもというのだ。
「やはり皇室を戴いているということはね」
「大きいですね」
「アメリカや中国、ロシアは大国でも」
「共和制ですね」
「そこに権威はないわね」
「どうしてもそうなりますね」
「けれど日本にはあるわ」
 この国にはというのだ。
「だからね」
「その存在を活かす」
「そういうことよ、しかし思うことは」
 それはというと。
「天皇、つまり皇帝を戴くことは」
「そのことはですね」
「大きいわね、大統領とは重みが違うわ」
「連合では共和制国家が約九割を占めますが」
 三百以上の国の中でだ。
「その中で君主制の国は存在感がありますね」
「日本だけでなくね」
「タイやカンボジア、ブルネイ、マレーシア、ブータンといい」
「ケベックもそうね」
「そしてネパールも」
 この国は二十一世紀に一度共和制になったが戻ったのだ。 
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