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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第十幕その四

「けれどね」
「それでもネッシーはいるって言うね」
「それが先生の持論だね」
「以前からの」
「イギリスは日本より寒くてね」
 先程のお話もします。
「スコットランドは特にだよ」
「寒いんだよね」
「緯度が北にあって」
「ネス湖の辺りもどれだけ寒いか」
「だから陸地で恐竜はいられないけれど」
 先生はそれはないとしました。
「けれどお水の中、海や湖だとね」
「生きられるからね」
「それでもね」
「実はあの辺り未確認生物のお話多いのよね」
「北海はね」
 スコットランドが面しているこの海はというのです。
「実はネス湖の周りの湖にも未確認動物の話があって」
「アイルランドやアイスランドにもあって」
「ノルウェーにもあるんだよね」
「あと一次大戦の時に沈められた船の爆発で大きな鰐みたいな生きものがそれで海の上高くに打ち上げられたり」
「そうしたお話が多いね」
「だから僕はネス湖にいつもいなくても」
 ネッシーがというのです。
「それでもだよ」
「ネッシーはいる」
「そう考えているね」
「そうだよね」
「鮭が海に出たらまた追ってね」 
 そうしてというのです。
「ネス湖を出るんだ」
「だからいつも目撃される訳じゃないんだね」
「それで死体とか骨も見付からない」
「ネス湖にいない時も多いから」
「それでだね」
「巨大なウミウシとかの軟体動物説があるけれど」
 具体的な説も出しました。
「これなら陸地での目撃例や骨が見付からない説明にもなるよ」
「それなら死体も底に沈んでヘドロみたいになってね」
「何かわからないわね」
「じゃあネッシーは軟体動物?」
「恐竜じゃなくて」
「大きなアシカやアザラシや鰻みたいなお魚という説もあるけれど」
 それでもというのです。
「僕は一番有力な説はね」
「軟体動物なんだ」
「そういえば角があったり水面に出るコブの数がその都度違ったり」
「それを考えるとね」
「形がよく変わると考えた方がいいね」
「それとネッシーは一種類じゃない」
 先生はこの説も出しました。
「そうとも限らないね」
「これまで恐竜、軟体動物、アシカやアザラシ、お魚ってあったね」
「あと流木もあるし」
「悪戯もあるし」
「一種類じゃないんだ」
「そうだよ、ネッシーが一種類しかいないなんてね」
 この考えはというのです。
「断言出来るかな」
「出来ないね」
「言われてみれば」
「幾つもあるよ」
「そう考えていいわ」
「考えてみれば」
「そうだね、だから恐竜のネッシーがいるかも知れないし」
 多くの人がそうではないかと期待している様にです。
「僕の言う軟体動物かも知れないし」
「アシカやお魚かも知れない」
「そこは色々だね」
「そうなんだね」
「勿論流木も含まれるよ」
 これを生きものと見間違えたというのです。 
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