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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第十幕その二

「後はその日になるだけだよ」
「それまで待っていようね」
「僕達は」
「それでその日が来れば」
「プレゼントしましょう」
「そうしようね」 
 こう言うのでした、そしてです。
 先生は外を見てから皆にあらためてお話しました。
「しかし寒いね」
「うん、かなりね」
「日本の冬も冷えるね」
「欧州よりはましでも」
「そうよね」
「欧州はまた違うからね」
 この地域の寒さはというのです。
「パリで宗谷岬まで北だからね」
「ロンドンなんてパリより北だからね」
「余計に寒いんだよね」
「そう思うとね」
「欧州の冬はまた別格だよ」
「相当に寒いよ」
「そうだけれど日本の冬もね」
 こちらもというのです。
「寒いよね」
「この神戸だってそうだよね」
「神戸の冬も寒いわよ」
「只でさえ冷えるのに六甲おろしもあるから」
「尚更冷えるよ」
「だからスキー場もあるんだよ」
 六甲の方にです。
「兎に角冷えるからね」
「そうだよね」
「これだけ冷えるとね」
「雪だって降るし」
「それも積もるから」
「そうなるからね」
 だからだというのです。
「寒さは本物だよ」
「その寒さにどう対するか」
「暖かい服を着て暖房も入れる」
「それに尽きるね」
「そうよね」
「それで今はヒーターを入れているけれどね」
 だから研究室の中はとても暖かいです、もうそれこそずっとここから出たくない位までの暖かさです。
「お家だとストーブがあって」
「それでこたつがあるね」
「どてらを着てこたつに入る」
「日本の冬はこれよね」
「最高だよね」
「こたつは素晴らしい発明だよ」
 先生はにこりと笑ってお話しました。
「まことにね」
「もう病み付きになるっていうか」
「出られなくなるよね」
「あんまりにも暖かくて」
「それでね」
「あんまりにもそうでね」
 それでというのです。
「お部屋が暖かくないと出られないね」
「だからいつもストーブも入れてるんだよね」
「こたつと一緒に」
「そうしているんだね」
「こたつから出られない人がいても」
 それでもというのです。
「お部屋を暖かくしたら出られるよ」
「北風と太陽だね」
 ホワイティがまさにそれだと言いました。
「あの童話と同じだね」
「寒いから出られないなら暖かくすればいい」
 ガブガブも言います。 
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