| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リュカ伝の外伝

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

やっぱり僕は歌が好き 第六楽章「上司の陰口は結束の為のマストアイテム」

 
前書き
今回、リュカさんの娘の
リューナとリューノが登場します。
今回は出番ないけど
もう一人リューラって娘が居ます。
書いてる作者の私が混乱して
間違えてるかもしれません。
見直しはしたんですけど、
間違えがあったら、そっと教えて下さい。 

 
(グランバニア城下町:中央地区:アマン・デ・リュムール)
アイリーンSIDE

「と、取り敢えずは自己紹介から始めますか……」
今回の責任者たるピエが先陣を切って、面識の無い方々との面識を得る行動に出た。
「じゃぁ私から……私はピエッサ・パルティシオン。今回の騒動の責任者ですぅ」
ピエがフルネームで自己紹介をする。この件に巻き込んで申し訳なさそうだ。

「あ、じゃぁ俺から……俺はラッセル・クリステンセンです。何故だか陛下からは“ラッセン”と呼ばれてますけど……」
何で? ラッセルが何でラッセンになるの?

「あ、私はエウカリス・クラッシーヴィ。源氏名はサビーネよ♥ 因みに私だけまだ2年生だから、よろぴくパイセン方(笑)」
源氏名? 風俗でもやってるのか?

「あの……私はピクトル・クントスです。その……別名とかは無いです。地味です……すみません」
いや別に、地味は悪くないわよ。ってか体付きは隣の風俗嬢よりも色っぽいじゃないの!

「最後は私ね……名前はアイリーン・アウラー。まぁ芸高校(芸術高等学校)の生徒なら、多少は私の悪名を聞いてるんじゃないの?」
「知ってるぅ、有名な盗作女でしょ!」
この風俗嬢は遠慮が無いわね。まぁ悪意が感じないから良いけど。

「で、でもね……もう盗作はしてないのよ! ホントよ!!」
「え、そうなの? 何で?」
この風俗嬢、踏み込みが凄い……

「い、以前……陛下の作曲だとは知らずに、ピエが……ピエッサが練習してる曲を自分のモノとして発表しちゃったの。そしたらこの()ってば陛下や、あのクズ宰相まで呼んで大事(おおごと)にしちゃって……もう懲り懲りよ」

「うはぁ~……そりゃキツい。あのダメ宰相だけだったら、鼻くそでもぶつけてやるんだけどねぇ(笑)」
良いわ~この()……もっと仲良くなりたいわ。

「ダメ宰相と言えば、本当にダメですねアイツ」
「な、何よ急にラッセル……ウルフ宰相閣下は別にダメじゃ無いと思うわよ」
「出た……あのアホの批判になると、ピクちゃんは何時(いつ)も擁護に回るわね。惚れてるのぉ?」
男の趣味悪!

「そ……そんなんじゃ……無いけど……で、でも今日だって150(ゴールド)もくれたのよ! 太っ腹じゃない?」
「何言ってんの、それも渋々でしょ? 私が先に出してた50(ゴールド)札をも奪い取らなきゃ、あのアホは100(ゴールド)で済ませようとしたのよ! しかも最初は50(ゴールド)しか出さないっていうセコさ」

「そうそう。国家のナンバー2で宰相と国務大臣を兼任してて、個人としてもエンターテインメント事業に参入して、マリー&ピエッサなんていう超人気音楽ユニットを展開してるんだから、実入りは凄いだろうに……なのにあのセコさ」
ラッセン君も言うわねぇ。

「あ、これ彼女から聞いた話なんですけど……まだ見習いの宮廷シェフの才能を見出した陛下は、陛下自らが編み出した料理を伝授して早々に城下へ出店させたそうです。その際にかかる初期費用等は20万(ゴールド)らしいんですけど、それも“無担保・無利子・無期限”で融資したって話ですよ……凄くないですか? どっかの宰相閣下は150(ゴールド)ですら出し渋ったのに!」

「流石陛下よねぇ~♥ ってかアンタの彼女は何でそんな事に詳しいのよ!?」
「俺の彼女、魔技高校(魔法機械技術高等学校)に繰り上げ入学したラインハットからの留学生で、メチャクチャ若いのに既に学内の成績はトップを維持してる絶世の美女なんです!」

「あ、もしかしてリューナちゃんの事かしら?」
「あらピエの知り合いなの?」
ラッセンの彼女自慢に口を出してきたピエ……あのまま惚気に突入したら、紅茶をぶっかけてたかもしれないわ。

アイリ(アイリーン)にも以前話したでしょ。陛下から依頼があって音響装置の開発に協力した件」
「あぁ……何か言ってたわね。陛下の偉業にしか興味ないから、その他の事は忘れてたわよ」
「でも一目でも見たら忘れられないですよ、彼女美人過ぎるから(笑)」

「でもでもぉ~……私の仕入れた噂じゃぁ~……あの()、アンタの他にも彼氏が居るわよ! しかもぉ~……外務省の官僚だって。更に貴族様」
うそ、マジ!? 二股かけられてるの、コイツ(大笑) 相手のスペックから言えば、どう考えてもキープされてるじゃんコイツ。

「知ってるよ。それを承知で俺は彼氏の一人になったんだから」
「し、知ってんのかよ! 何なんだよソレ!?」
はぁ? 信じらんない……何そのイカれた関係?

「結構前までは大分大勢彼氏が居たけど、今では俺とその官僚貴族様の二人だけ。えっと確か……グランバニア王国領では無いけど、独立貴族の伯爵様でクラウスター伯爵家の嫡男。名前は『ジージョ・クラウスター』さんだったはず」
「く、詳しいわね……私の情報網(噂話)よりも詳しいって何なの? ライバルだから調べ上げたのかしら?」

「いや、リューナに紹介された。何でも彼は幼い時に魔物に攫われて数年間奴隷として生きてたらしい。そんな絶望的な時に、陛下とティミー殿下がマスタードラゴン様を従えて助けに来てくれたそうです。グランバニア王家……特に、陛下とティミー殿下には心酔していて少しでも尽力できるようにと、凄く真面目に頑張ってる人ですね。優しくって良い人で、彼にだったらリューナを取られても諦めがつく人ですね」

「お前何なんだよ先刻(さっき)から!? 好きな女が他の男に寝取られても大丈夫って、訳分かんねーぞコラ!」
「落ち着けよエウカリス! 寝取るも何も俺等はまだリューナと一回もシてねーし」

「嘘吐いてんじゃねーよ! あんな美少女が彼女なのに、ヤってねーわけねーだろが! お前がキープだからヤラせてもらえないだけだボケェ! それとも何か? お前もその貴族様も禁欲中の修行僧だとでもいうのんか?」

「嘘でも無ければ修行僧でもないよ。彼女の意向なんだ……生涯の伴侶と決めた相手にしか純血は渡さないって」
「リューナちゃん……ピュアなのね」
“ピュア”の一言で済まそうとするピエ。

「女はそれで良いわよ……私だってまだ処女だし!」
「お前こそ嘘吐いてんじゃねーよ。お前が処女の訳ねーだろ。キャバクラの同伴とかアフターとかで、複数の脂ぎったオッサンとホテルに行ってるんじゃねーの?」
あら……風俗嬢じゃなくてキャバ嬢だったのね。

「うるさい。一回でもヤラせれば、もう店に来なくなるだろが! ヤラせずぼったくるのが女の仕事じゃぁ!」
「ちょ、ちょっとエウカ(エウカリス)……そういう事はあまり大きな声で言わない方が」
こっちのピクトルって()……このキャバ嬢の保護者か?

「それにそういう肉体関係を優先する輩が排除されていって、俺とジージョさんが残ったんだ。勿論……それ以外の判断基準もあるのだろうけど、その辺は本人に聞いてみると良いよ。ねぇリューナ」
この話の纏めにかかってるのかと思いきや、何かに気が付きオープンカフェの外に視線を移して話しかけるラッセン。

誰だと思い、奴の視線の先に私も意識を移す……
するとそこには、まさに“絶世”と言うに相応しい美少女が、不思議そうな顔をして立っていた。
そして表情を柔らかい笑顔に変えると、私らのテーブルに近付き、空いてた私の隣の席に座ってニッコリ一言……

「私の話をしてたのかしら?」
か、可愛い!! 容姿も可愛いが、声も可愛い……仕草も可愛く、凄く良い匂いがする!
持ち帰ってガラスケースに入れて飾りたい!

確か魔技高校(魔法機械技術高等学校)に繰り上げ入学って言ってたから、年齢的にはまだ義務教育課程な若さ……私より少なくとも4つは下。なのに大人っぽい色気と、それでいて幼女っぽい可愛らしさが兼ね揃わっている。

服のセンスも良く、それほどボディーラインを強調する様な服では無いのだけれど、それでもスタイルの良さ……特に胸の大きさを周囲に知らせる事が出来ている。
私と同じくらいの大きさだが、私は嫌味な様に谷間を見せつける衣装だ。

「いらっしゃいリューナ。テーブルは空いてるけど、相席で良いの?」
「大丈夫よリューノ。半分以上は知った顔だから」
常連なのか、互いに名前を知っていて気さくに会話をする彼女(リューナ)とリューノと呼ばれたウェイトレス。

「そう言えば新作のケーキが出来たんでしょ、リューノ? それを頂くわ」
「新作というか、まだ試験段階よ。試食してくれる?」
「そのつもりで今日は来たの……その新作にはコーヒーと紅茶の、どちらが合うかしら?」
「兄妹中唯一の男児を甘やかす父親くらい甘いから、ブラックコーヒーがお勧めね」

「それは甘いわねぇ……身近に似た様な人が居るけど(笑)」
「私にも居るわ。甘やかされてる方には、その意識が無いのがムカつくけど(笑)」
そう言うとお互い笑顔を交わして会話を終了させる。先程の会話を注文と受け取ったウェイトレスは、フンワリした服を更にフワッとさせて奥へと引き返す。

気にしてなかったから気付かなかったけど、あの(ウェイトレス)も、かなりの美少女だわ。
若くて可愛くて、自ら働きケーキ作りの勉強をしてる……
私が男だったら放っておかない……ってか放っておけないわ。

「え……リューナはあの娘(ウェイトレス)と知り合いなの?」
自分の彼女の事なのに、知らない事があったらしく不思議そうに尋ねるラッセン。
「えぇ……ちょっとした大きい共通項がある仲なのよ」
“ちょっと”なのか“大きい”のか……?

「ふ~ん……じゃぁ知ってるリューナちゃん? あの()目立たない服着てるけど、お腹に子供が居るって」
ええぇぇ……あのウェイトレス妊娠してるの!?
私より年下……ってか、まだ義務教育期間でしょ!

「勿論知ってますよエウカリスさん。発覚して直ぐに知らせてくれましたから」
「そんな報告受けるくらい仲が良かったんだ? どんな共通項で通してるんだ?」
“彼氏の知らない彼女の事情”……三流エロ小説みたいなタイトルね(笑)

「……あの()の……リューノの父親については、何かご存じですか?」
「私がぁ聞いた話じゃぁ……グランバニアのどっかで働いてるけど、忙しくてあまり会えてないって話よ。何してるのかは分からないけど、母親も似た感じだって」

「それが共通項よ」
「「「???」」」
皆揃って首を傾げる。どれだ共通項?

「父親が同じなの」
「……………えっ!?」
爆弾発言投下!

「えっ? えっ!? ……じゃ、じゃぁ……し、姉妹なのか?」
「そうよラッセル。ただし腹違いだけどね(微笑) 私の母はラインハットで働いてるし、あの()の母親はグランバニアで働いてるわ」

凄い事実に皆が固まる。
年齢はそれほど離れていないだろうから、不倫の結果……か?
ウェイトレスの両親は共にグランバニアで働いてるって事は、ここが夫婦って事で……

ん……ヤバい。
この三流エロ小説、読みたい!

アイリーンSIDE END



 
 

 
後書き
久しぶりに登場させるキャラが多かったから、
フルネームを忘れてしまってた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧