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生きる資格

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第三章

「それで離婚を機に人生やり直す為にお寺に入ったら」
「人間性あらたまるどころかな」
「その宗派の組織の仕組みとかどうでもいいのの文句言いはじめたのよね」
「そこで衣食住世話になったけれどな」
「それにも感謝しないで」
「教えを信じたりそこで反省するどころかだ」
「そうなってね」 
 楓はその叔父、見れば周りの誰も相手にしていない彼を見つつさらに言った。一人ふんぞり返っているだけだった。
「そしてお寺出て仕事紹介されても働かなくて」
「家の家賃も払えなくなってだ」
「追い出されて」
「ホームレスになっていたな」
「その前に大叔父さんに生活咎められてだったわね」
「ああ、脳梗塞から立ち直った人にな」
「言われて殴ってやろうかって言ったわね」
「あの人にな」
 杖を使って歩いているその大叔父、年老いたその人を見て話した。
「そう言ったんだ」
「それでいなくなったと思っていたら」
「その前に入ったお寺に保護してもらってな」
「今ここにいるのね」
「ああ、しかしな」
 父は自分の兄をこれ以上はないまでに軽蔑している目で見つつ娘にさらに話した。
「そこでもな」
「相変わらずなのね」
「何もしない、出来ないでな」
「ふんぞり返ってるのね」
「自分はこの世で一番偉いと思ってな」
「何処が偉いのよ、屑じゃない」 
 楓もその叔父を軽蔑しきった目で見つつ言った。
「親戚のお家にも今日行っていいかじゃなくて行くって言って上がり込んで」
「大飯遠慮なく食うな」
「夜三杯半朝二杯半ね」
「おかずまで作らせてな」
「お風呂入ってお布団で寝てね」
「コーヒーも淹れさせるだろ」
「そんな図々しくて」
 そしてというのだ、楓は実家で彼がしていたことを思い出しつつ言った。
「遠慮も謙虚もなくて」
「それでお寺の中で宗派の組織の仕組み言ってるんだ」
「そのうちお寺も追い出されそうね」
「時間の問題らしいな」
「無能で屑ってことね」
「言っておくが献血とかボランティアとか一度もしたことないからな」 
 父はこのことも話した。 
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