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イベリス

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第六十五話 静かにはじまってその四

「そのことを見ますと」
「自分を律することも大事なんですね」
「それだけで為せることも多いです」
「だからですか」
「是非小山さんもです」
「自分を律することをですね」
「それが出来る真面目さを持っていて下さい」
 咲が今持っているそれをというのだ。
「宜しくお願いします」
「わかりました」 
 咲も頷いた、そしてアルバイトはこの日を最後にしてだった。
 テストが終わりまで休みそうしてだった。
 テスト勉強に励んだ、そして夜はしっかりと寝てそのうえでテストに挑んだ。
 テスト期間は数日であったが矢の如く進んでいった、それでだった。
 テストが終わったその時にだ、誰もがほっとしたが。
 教室を出ようとする咲にだ、クラスメイト達は声をかけた。
「ねえどうだった?」
「咲っちできた?」
「どうだった?」
「ううん、全力は尽したわ」
 咲は調子は言わずこう返した。
「だから後は結果待ちね」
「そうなのね」
「咲っち中間よかったけれどね」
「期末もそうだったらいいわね」
「ええ、けれどこれで終わったから」 
 それでとだ、咲はまた言った。
「もう後はね」
「部活?」
「それ行くの」
「それかアルバイト?」
「両方よ」
 一方だけでなくというのだ。
「それが終わったらね」
「アルバイトも終わったら」
「部活に行って」
「その後は」
「そう、家にお酒があるから」
 それでというのだ。
「それ飲むわ」
「ああ、お酒ね」
「テストが終わりまで飲んでなかったのね」
「そうしてたのね」
「私お酒飲むと凄いから」
 かなりの量を飲むからだというのだ。
「もうベロンベロンになるから」
「それじゃあ勉強できないわね」
「お酒がちょっとでも入るとまずいけれど」
「そうなるから」
「だからなのね」
「ずっと飲まなかったの」
 テストが終わるまではというのだ。
「テスト勉強はじめてから」
「ううん、真面目ね」
「まあ私もそうしたけれどね」
「私もね」
「お酒って入るとね」
「それだけで変わるからね」
「だから終わるまで飲まない様にしていたから」
 それ故にというのだ。
「今日はね」
「飲むのね」
「そのつもりなのね」
「部活とアルバイトが終わったら」
 そうなればというのだ。
「ストロング系飲むわ」
「あれ利くわよね」
「一気に酔うのよね」
「飲みやすいしね」
「凄いわよね」
 クラスメイトもその酒について話した。 
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