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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第五十三話 断罪王Z 対 断罪王C〈カオス〉!いい歳したフリーターをバカにする専業主婦はぬか床に漬けた自転車のサドルでも食ってろ!

第五十三話 断罪王Z 対 断罪王C〈カオス〉!いい歳したフリーターをバカにする専業主婦はぬか床に漬けた自転車のサドルでも食ってろ!
断罪王B〈ブラスト〉に勝利した俺は自宅に帰宅する。
「妹よ、バイト先の食品工場が爆破された」
「その冗談、全然おもしろくないんだけど」
俺の妹で引きこもりの暴田ザナがリモコンを手にもってテレビの電源をつける。
テレビニュースでは食品工場と周りの市街地が二体の巨大人型機動兵器の戦いにより爆発炎上したことが報じられていた。
「どうやら本当みたいね」
「ということで、今日の晩御飯と明日の朝飯はなしだ。というより、その机の上に置いてある札束はなんだ?」
「ああ、これね。これは私が断罪王C〈カオス〉の力で一般市民から奪い取った金よ」
「う、嘘だ...!どうして妹のザナが...断罪王に...!」
「うそじゃないわよ、メシアっていう女の子になんか終末黙示録とかいう変な本、渡されてさ、気がついたら一時的に巨大人型機動兵器に変神できるようになってた」
「嘘だ!俺は信じないぞ!」
「断罪王の名前を知っているってことは、もしかしてお兄ちゃんも断罪王なの?」
「ああ、そうだよ俺は終末を司る断罪王Zだ、俺は...俺は大好きな暴力が否定されない世界を実現するために...妹を殺さなくてはいけないのか...!」
「悪いけど、私は暴田リキの妹ってだけで、世間から散々、白い目で見られてきたからね、いくら相手がお兄ちゃんでも手加減するつもりはないよ」
確かに妹の言う通り、俺が各地で暴力行為を楽しめば楽しむほど、妹は会社を何度もクビになり、家に引きこもるようになってしまった。
メシアはザナが俺の妹であることを知っていて、断罪王の力をザナに与えたのだろうか?ザナが台所から包丁を取り出して俺に向かって襲いかかってくる。
「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!この厄病神がァァァァァァァッ!」
俺はとりあえず家を出る。
そうだ、現在どれ程の断罪王が生き残っているのかはわからないが、この世界には俺以外にも断罪王がいるのだ、なにも俺が自分の手で妹を殺す必要はないのだ。
俺はとりあえず、隣人の家の庭に逃げる。
「どこだァァァァァァッ! 厄病神!お前のせいで私の人生台無しだァァァァァッ!」
ザナの叫び声が聞こえてくる。
あいつ、もしかして包丁を手に持ったまま、外を出歩いているのか?
「お前さえいなければ、私の人生は色々うまくいくはずだったんだァァァァァッ!今すぐ私のために殺されなさいよぉぉぉぉぉッ!妹の将来をゴミクズにした責任をちゃんと取りなさいよぉぉぉぉぉッ!」
確かに、俺が何の罪もない人々の暴力を振るい続けるせいで、社会に居場所をなくした父さんと母さんはある日突然、俺と妹のザナの前から姿を消してしまった。
ごめんよザナ、俺が暴力を愛するばかりに、ザナの人生を台無しにしてしまって、でも俺は家族より暴力の方が大事なんだよ。
街路で俺への恨みを爆音で叫ぶザナに痺れを切らした近隣住民達がザナを囲む。
「お前、暴田リキの妹だろ!近所迷惑だぞ!引きこもりは家に引きこもってろ!」
「やっぱり妹も兄と同じく社会に適応できない危険人物だったとはな!危険人物はとっととこの町から出ていけぇッ!」
「私が...お兄ちゃんと同じ...?」
「ああ、そうだ!お前達、兄妹は人の迷惑を考えずに自分の欲求を満たすためだけに生きている危険人物だ!その手に持っている包丁が何よりの証拠だ!」
「私が...お兄ちゃんと同じ...?ウフフフフ...アハハハハハッ!あんなやつと...あんなやつと私を一緒にすんじゃないわよぉぉぉぉぉッ!」
手に包丁を持ったザナが近隣住民達に襲い掛かる。
近隣住民達がザナから逃げながら携帯電話で警察に通報している。
しかし、次の瞬間、近隣住民達の目の前に手に包丁を持ったザナがいた。
「い、いったい何が起きているんだ?」
「どうしてここに暴田リキの妹がいるんだ?」
近隣住民達が背後を振り向くと、そこには包丁を手に持った暴田ザナがいた。
「い、いったいなにがどうなっているんだ?」
「これが無秩序ということよ」
「無秩序だと?」
「この無秩序こそが、混沌を司る断罪王、断罪王C〈カオス〉の能力...!」
次の瞬間、包丁で腹部を切り裂かれた近隣住民達の大量の血液が地面を真っ赤に染めた。
「だ、だれか救急車を...!救急車を呼んでくれ!」
「そんなにいっぱい血が出てるんだから、救急車なんて呼んでも無駄よ」
俺は隣人の庭の塀の上からこっそり一部始終を見ていた。
あらゆる秩序を無秩序に変化させ、相手を混乱させる、それが混沌を司る断罪王C〈カオス〉の力。
「ねぇ、お兄ちゃん、どこかで私のことを見てるんでしょ?だったら今すぐ出てきてお兄ちゃんの大好きな暴力で私と命がけの勝負をしましょうよ!それとも、私にビビッてるのかしら?アハハハハッ!」
やはり、ザナもナギサ同様にメシアに与えられた断罪王の力に溺れてしまっている。
勝負において、その慢心こそ一番の敗因になることも知らずに。
二十六体の断罪王の操縦者は皆、社会不適合者が選ばれると断罪王A〈アビス〉の操縦者が言っていた。
なら、ザナを断罪王の操縦者にしてしまった責任は俺にあるのかもしれない。
やはり、暴力でわからせるしかないのだろうか?
なにより、勝負を挑んできた相手から逃げるのは俺にとって自分で自分の魂を殺すことに等しい。
暴力にはちゃんと暴力で答えねば。
それがたとえ、妹であっても。
俺は隣人の家の庭を出て、ザナの前に姿を現す。
「ザナッ!俺が暴力で本当の無秩序ってものを教えてやるよぉぉぉぉッ!」
「待っていたわ!この時を!」
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺とザナが同時に断罪王変神の呪文を唱える。
俺とザナの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
銀色のボディが特徴的な断罪王Zと紫黒色のボディが特徴的な断罪王C〈カオス〉が市街に向かい合う。
「最初に暴力ッ!」
断罪王Zが走って断罪王C〈カオス〉に殴りかかる。
断罪王Zの両足が市街地の建物や何の罪もない人々を踏みつぶす。
「聞こえるッ!そして気持ちいいッ!無慈悲な暴力により失われる人々の悲鳴がッ!」
断罪王Zの拳が断罪王C〈カオス〉の顔面に直撃する。
次の瞬間、断罪王Zの顔面に激痛が走る。
「痛てぇッ!俺の攻撃が俺自身に跳ね返ってきたというのか?」
「私は自分がダメージを受けるという秩序を断罪王C〈カオス〉の力で無秩序に変化させただけよ」
「そんな!じゃあ、ザナにとって不都合な現実は全て、断罪王C〈カオス〉の力で秩序を無秩序に変化させることで、ザナにとって都合のいい現実に変化させることことができるのか?」
「その通りよ。私は、この断罪王C〈カオス〉の最強の力で、他の断罪王を殺し、必ず最後の一人になってみせる!そしてこの世界にたった一人の神になって、絶対に幸せになってみせる!」
断罪王Zの攻撃が断罪王C〈カオス〉に直撃する、しかし、次の瞬間にはダメージが断罪王Zに跳ね返り直撃する、これが十回ほど繰り返された。
自らの攻撃により大ダメージを受けた断罪王Zの巨体が市街地に仰向けに倒れている。
「どう?お兄ちゃんの大好きな暴力でお兄ちゃん自身が死にかけている気分は?アハハハハハハッ!」
市街地の建物と人々を下敷きにして仰向けに倒れていた断罪王Zが立ち上がる。
「俺が俺自身が鍛え上げた暴力に殺されるのは全然、構わない!でもなァッ!俺の血と汗を流して鍛え上げた暴力を何の努力もせずにメシアから与えられただけの力に悪用されるのは絶対に許せないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
断罪王Zが断罪王同士の戦闘から身を守るために逃げ惑う罪なき人間を手でつかんで断罪王C〈カオス〉に向かって投げる。
「なにがしたいのよぉぉぉぉぉッ!」
断罪王C〈カオス〉に向かって放たれた人間が断罪王Zに跳ね返ってくる。
断罪王Zは跳ね返ってきた人間に拳を直撃させ、粉々にする。
そして、また市街地の罪なき人間を手でつかんで断罪王C〈カオス〉に向かって投げる。罪なき人間が断罪王Zに跳ね返ってくる。
断罪王Zは跳ね返ってきた罪なき人間を拳で殴り、粉々にする。
それが六回ほど続いた。
そして七回目のチャレンジでようやく投げた罪なき人々が断罪王C〈カオス〉の装甲に直撃して粉々になった。
断罪王Zが全力で投げた罪なき人間の直撃により、断罪王C〈カオス〉の装甲にひびが入る。
そして、なにより秩序を無秩序に変化させる能力が発動していないことが、断罪王C〈カオス〉のエネルギー切れを証明していた。
「お、お前は最初から私のエネルギー切れをねらっていたのか?」
「その通りだ妹よ、お前も断罪王の操縦者なら身体エネルギーの消費と断罪王の能力の消費エネルギーが同時に行われていることぐらい知っていたはずだ」
「だからあえて、跳ね返ってきても、大したダメージにならない人間を私に放り投げてきたのか!」
「そうだ、お前は断罪王の力に頼り過ぎた。そしてエネルギーの計算を無意識に忘れてしまっていた。それがお前の敗因だ、死ね」
断罪王Zの両手チョップが断罪王C〈カオス〉の両脇腹に直撃する。
横に真っ二つに切り裂かれた断罪王C〈カオス〉の体が市街地に落下して建物と罪なき人々を押しつぶす。
そして俺は光になって消える断罪王C〈カオス〉を見届けながら 断罪王Zの変神を解いた。
これでもう、ザナは俺のせいで苦しまずに済むんだ。
俺は断罪王C〈カオス〉の力で変わってしまったザナを救ったんだ。
俺は自分にそう言い聞かせながら、家に帰ることにした。

次回予告 第五十四話 断罪王Z 対 断罪王D〈ドミネート〉! いい歳したフリーターをバカにする、ろくにバイトもしない専業主婦は下水道の汚水でも飲んでろ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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