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何でも凶器になる

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第二章

「剣道やってて竹刀でな」
「奥さん殴って」
「やっぱり怪我させたな」
「二人共やり過ぎですよね」
「こんな何でもないものでもな」
「凶器になりますね」
「ああ、夫婦喧嘩は犬も食わないが」
 吹石はこうも言った。
「そこにあるものはな」
「何でも凶器になるんですね」
「そうなんだよ、包丁とか刃物とかな」
「拳銃とかに限らないですね」
「何でも使おうと思ったらな」
 それこそというのだ。
「武器になるんだよ」
「身の回りにあるものは」
「灰皿で殴ってもいいしな」
 二人共煙草は吸わないが吹石は昔のドラマでよくあった展開から話した。
「ペンとか箸で刺してもな」
「悪役レスラーフォーク使いますしね」
「それもあるしな」
 実際にというのだ。
「傘で突いても痛いし本の角で殴ってもな」
「立派な凶器ですね」
「ハンガーで殴るなんてのもあった」
 今度は映画の話をした。
「本当に何でもな」
「世の中凶器になるんですね」
「使おうと思ったらな」
「酒便も竹刀もですね」
「そうだよ、俺は学生時代野球やってたがな」
 今度は青春から話した。
「ボール投げたりそれ掴んで殴ったら威力あるしな」
「あとバットですね」
「野球部も凶器だらけだったしな」
「俺はサッカーでしたが」
 牧も牧で彼の青春から話した。
「スパイクで蹴ったら」
「立派な凶器だな」
「そうですよね」
「座ってる椅子で殴ってもいい、世の中何でもない様でな」
「凶器だらけで、ですね」
「使おうと思えば使えてな」
 そうしてというのだ。
「人を傷付けられるんだよ」
「そうしたことがわかるのも刑事の仕事の一つだね」
「ああ、周りのものは使おうと思えばどんなものでも凶器になるんだよ」
 吹石は人の頭を殴ったというのにヒビが入っただけの酒瓶を見て話した、何でもない筈なのに凶器になったそれを。 
 そしてそれからも刑事として事件にあたっていった、その中で牧と共に様々な凶器に出会っていったのだった。


何でも凶器になる   完


                  2022・8・22 
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