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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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魅力的なもの

<グリンラッド>

老人が部屋の奥から持ち出してきた物は1組の衣装だった。
「コレでどうだ!」
「こ、これは…!」
老人が取り出しのは、ウサ耳バンド・網タイツ&ガーターベルト・ウサギの尻尾・バニースーツ…

「どうじゃ!バニーガールセット(BGS)じゃぞ!おヌシの嫁ならお似合いだろう!ふっふっふっ…どうだ、欲しいじゃろ!」
「くぅ………そ、それはぁ………い、要らん!そ、そんな物要らん!!」
断腸の思いで拒絶するリュカ!
「くぅぅぅ!コレでもダメか!…おヌシの意志は相当な物じゃな!」
BGSを片手に項垂れる老人と、歯を食いしばりそれを見ない様にするリュカ。

「な、何でソレに一番食い付いてるのよ!一番どうでも良いでしょ!」
呆れたアルルが叫ぶ…
先程までリュカに注がれてた尊敬の眼差しが四散する。
「いや、アルル!俺はリュカさんの気持ちがよく分かる!その衣装をビアンカさんが纏ったら、どれほど素敵な物か…リュカさんは凄い!自分の欲望を捨ててまでも、この変化の杖を悪用させないんだから!」
「男って奴は…」
ウルフの言葉を聞き、頭を押さえながらティミーの事を見るアルル。

「ぼ、僕は違う!僕はあの衣装に魅力を感じてないよ!」
必死に言い訳するティミー…まだ鼻血は止まってない。
「そりゃティミーさんの彼女はアルルだからですよ!BGSは胸の大きな人じゃないと魅力的に見えない!ビアンカさん向きだ!」
(ゴスッ!)
アルルの拳骨がウルフの脳天を直撃する!
「余計なお世話よ!アンタの彼女も似た様なもんじゃない!」
あまりの激痛に蹲るウルフ…
「ぐはぁぁぁ……………マ、マリーは違う…」
「何がよ!?」
「マリーには未来がある。まだ8歳になったばかりだぞ!アルルの半分だぞ!!ビアンカさんの娘だぞ!!」

「ほれ見ろ…この衣装は貴重だろ!どうだ…あと1年間の期間延長と交換では?…あぁ何だったら、これらのアイテムを全部やる!物々レンタルじゃなくていい!あと1年間の変化の杖使用延長で、これらのアイテムを全部やるから…な!たのむよぉ~」
老人はリュカにBGSを見せつけ、懸命に頼み込む。

正直、これ以上ないほどの譲歩だろう。
『理力の杖』『消え去りそう』『時の砂』『BGS』…
1年間変化の杖を貸し出すだけで、これら全てを手に入れる事が出来る。
しかしリュカは首を横に振る…
「爺さん…アンタが悪い…僕をこんなに頑なにさせたのは、アンタの所為なんだ。アンタがビアンカの裸を他人に晒さなければ、僕もBGSに飛び付いてた!」





<海上>

数々の貴重アイテムと共に老人を残し、リュカ達は船へと戻ってきた。
「色々と格好良い事言ってたけど、結局父さんは利己的な理由で変化の杖を渡したく無かっただけじゃん!」
鼻を触り、血が止まった事を確認しながらティミーが呟く。

「ティミーさん…男として当然なのでは?」
「ウルフ君…ちょっと君は染まりすぎだぞ!」
「じゃぁ聞きますが、もしあの老人がアルルやリュリュさんの姿で、同じ事をしているのを見たら、ティミーさんは今と同じ心境で居られますか?」
この時ティミーが、どちらの女性で想像したかは分からない…
しかしウルフの言葉を聞き拳を握り締める。

「俺は、マリーの姿で同じ事をしているのを見つけたら、間違いなく殺してますね!リュカさんはよく我慢したと思いますよ」
流石のティミーも反論出来ない…
彼も同じ思いに到達したのだ。



その日の夜…
今度こそ『祠の牢獄』へ向けて出港した船の中。
夕食も済ませ、食堂で雑談に花を咲かせていると、アルルがリュカに近付き話しかけてきた。

「リュカさん…お願いがあります」
「……何?…ティミーじゃ物足りないから、僕に今晩の相手を頼むとか?」
(ビュン!)
凄まじいスピードで、アルルがリュカの頭上に剣を振り下ろす…
しかしリュカは難無く剣を摘み防御する。

「違うに決まってるでしょ!」
「分かってて言ってるんだから、こう言う危ない事はしないでよ!」
背中の鞘に剣を収め、話を再開する。

「その…変化の杖を使わせて下さい…」
「………何に使うの?」
「知りたい事があるんです…今ここで、リュカさんの前で使用しますから…」

「……………まぁ、アルルなら変な事には使わないだろうし…」
そう言うと、懐から変化の杖を取り出しアルルに手渡した。
「ありがとう!」

アルルは変化の杖を受け取ると、マリーの側に近寄り杖を渡す。
「ねぇマリーちゃん…この杖を使ってリュリュさんに変化して見せてよ」
「え!?な、何を急に!?」
食堂にいた皆が驚くアルルの発言!
だがリュカだけは楽しそうに眺めている。

「だって知りたいじゃない!自分の彼氏の初恋の相手が、どんな容姿なのかを…それにきっとティミーはまだ惚れてるし…」
「ア、アルル!僕は「いいの!アナタの所為ではないの…私が覚悟を決めたいだけなんだから!」
慌てて立ち上がり、アルルの元へ近付くティミーを手で制し、再度マリーへ向き直る。
「本当にいいの?きっと後悔するわよ…リュリュお姉ちゃんは、凄く美人なのよ!」
「私は…戦う相手を知っておきたいの!スライムなのか…ベホマスライムなのか…分からないとこっちのスタンスも決まらないでしょ!」
アルルは笑いながらウィンクする…ティミーは幸せ者だ!

「じゃ、使うわよ…アルルさん、諦めないでね!少なくとも、リュリュお姉ちゃんは兄ちゃんに恋愛感情は0だから!」
コクリと力強く頷くアルル。
そしてマリーはリュリュの姿をイメージし、杖を振りかざす…

食堂内に響きが広がる。
誰もがリュリュの姿に驚き唸る。
そしてアルルは………



 
 

 
後書き
さぁ皆さん、ビアンカさんのバニーガール姿をご想像ください。
そして感想ください。 
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