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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその四十七

「そしてだ」
「ブラウベルグは多くの力を得ましたね」
「エウロパの指導者となってな」
「あれは連合にとって千年の禍根を残しました」
「文字通りにな、しかしな」
「それでもですね」
「ここでエウロパは大きく勢力を減退させる筈だった」
 あくまで『筈だった』のだ、実際連合では殆どの者がこれでエウロパは少なくとも長い間は立ち直れないと見ていた。
 だが、とだ。キロモトはここで言った。
「それはな」
「ギルフォード侯爵によってでしたね」
「阻まれている」
「それをどうにかしたくとも」
「出来る状況ではない」
「残念ながらですね」
「そして忌々しい、サハラは敵ではないが」
 キロモトはまたこの国の名前を出した。
「しかしだ」
「エウロパは敵です」
「だから注視しているが」
「ギルフォード総統を排除出来ないなら」
「どうすればいいか」
 こう言うのだった。
「それは答えが出ているがな」
「連合のそれはですね」
「巨大な獣は誰も飲み込めない」
「巨大な国になるということですね」
「今以上にな、そうなってだ」
「エウロパを凌駕し続ける」
「敵を倒せないならな」
 それならというのだ。
「内政や貿易によってだ」
「その敵以上にですね」
「強くなる」
「そうすべきですね」
「恐竜はそう簡単に倒せないな」
「はい、それこそライオンでも一体ではです」
「巨大な恐竜は狩れない」
「群れであっても」
 ライオンは基本は群れで狩りをする、そうした生物なのだ。
「倒せないですが」
「しかしだ、一匹ならな」
「尚更ですね」
「ウルトラサウルスなぞ倒せる筈がない」 
 全長三十メートルにもなる巨大な雷竜である、草食性であるがその巨大さが問題であることは言うまでもない。
「そうだな」
「はい、だからですね」
「連合は巨大になるべきだ」
「今以上に」
「国力がな、領土は広過ぎると統治しきれなくなるが」
 それでローマ帝国は分裂している、力があった頃はよかったがその力が衰退すると広大な領土を治めきれなくなったのだ。
「しかしだ」
「国力は、ですね」
「人口もだ、領土がそのままだとな」
「問題ないですね」
「だからだ、領土は拡大しないが」 
 それでもというのだ。
「このまま総生産を拡大させ」
「人口も増大させていきますね」
「技術革新は続いている」
 それは問題ないというのだ。
「医学もまたな」
「進歩が続いていますね」
「不妊治療もな」
 こちらもというのだ。
「それで多産も続いている」
「むしろ人口増加がここにきて」
「そうだ、これまでは百年で二倍だったが」
 それ位の速度だったがというのだ。 
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