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イベリス

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第六十三話 夏が近付く中でその六

「けれど小悪党はね」
「そうしたものもなくて」
「悪意を以て行動してね」
「自分のことしか考えなくて」
「目先の我欲しか見ていないから」
「小悪党にしかなれないんですね」
「そうだよ、けれど小悪党程汚いことをするから」
 そうした悪事を行うからだというのだ。
「吐き気を催す邪悪もね」
「あっ、漫画とかゲームでも腹立つ悪役って小者ばかりですね」
「小説でもそうだね」
「小者で悪事の限りを働いて」
「最後は格好悪く退場するね」
「徹底的に叩きのめされたりして」
「そうなるのが常だけれど」
 部長は咲に話した。
「小者はラスボスになってもね」
「そうなるのが常ですね」
「特にゲームの中ボス位で多いかな」
「思いきり腹立つ悪役は」
「ああいうのが小者だよ」
 まさにというのだ。
「要するにね」
「チンピラってああいう感じですね」
「要するにね、しかしね」
「しかし?」
「性格が極端に悪い人ってどうしたらあそこまでなるのかってね」
 性格が悪くなるのかというのだ。
「不思議に思う時があるよ」
「環境とか?」
「家庭とか」
「あと学校とか」
「自分に何かあるとか」
 部員達はそれぞれ言ってきた。
「やっぱり何でも原因ありますし」
「それでじゃないですか?」
「それかな、親は子供の背中を見て育つっていいますし」
「親に原因があるとか」
「家庭って今お話出ましたし」
「それかな、確かに変な親が育てたら」
 そうすればというのだ。
「変な子供が出来るね」
「毒親っていますしね」
「毒親が育てたらですよね」
「やっぱりドキュンになりますよね」
「まともな教育受けなかったら」
「そうだね、信じられない位酷い人の親を見たら」
 そうすればというのだ。
「信じられない人だったりするしね」
「そうですよね」
「もうこんな親だからって」
「甘やかされてそうなったとか」
「あと厳しくされ過ぎて逆にってありますね」
「厳しい親に反発してとか」
「まあそれはね」
 実際にと言うのだった。
「それぞれだね」
「そうなることは」
「親に関係があっても」
「いい親でもですね」
「そうなる可能性があるんですね」
「そうだよ、ただ悪い親だとね」
 そうであるならというのだ。
「まあ大抵はね」
「ろくでなしになるんですね」
「毒親だったら」
「そうなるんですね」
「まともな教育を受けてないなら」
 それならというのだ。
「まともな人にはならないよ」
「そういうことですね」
「悪い親は悪い子供になる」
「そういう人間しか育てられないってことですね」
「人間自分の能力以上のことは出来ないからね」 
 それ故にというのだ。
「零点の人間が零点以上の人間を育てられるか」
「無理ですよね」
「本当に人間って自分の能力以上のことは出来ないですから」
「子育てもですね」
「出来ないですね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。 
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