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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第六幕その十

「けれどその後はね」
「最後まで身内で争わないで」
「家臣の人達にも寛容だったよ」
「裏切らない限りはよね」
「そうだったよ、頼朝さんみたいなことはなかったよ」 
 絶対にというのです。
「平家はね」
「清盛さんもしなかったのね」
「絶対にね」
「そう聞くと清盛さんは悪い人じゃないのね」
「敵にも頼朝さんよりずっと穏やかだったよ」
 そうだったというのです。
「あんな根絶やしにはね」
「しなかったのね」
「だから平家は落ち延びてもね」
 それでもというのです。
「隠れ里とかでだよ」
「生き延びられたの」
「まだね」
「じゃあ奢る平家と言っても」
「平家物語とかに書かれるまではね」
「悪くなかったのね」
「そうだよ、現に頼朝さんや義経さんを助けているよ」
 この人達をというのです。
「子供だからっていう理由でね」
「頼朝さんは子供でも容赦しなかったのに」
「あの人はね」 
 清盛さんはというのです。
「義理のお母さんに言われたとは言え」
「それで頷くって言うとね」
「結局殺すにはってだよ」
「清盛さんも思っていたから」
「そうしたんだよ」
 助けたというのです。
「他の人達もね」
「そのことも大事よね」
「うん、清盛さんはね」
 先生はさらに言いました。
「言われてる様な人じゃなかったんだ」
「決して」
「そうだよ」
「そのこと覚えておくわね」
「宜しくね」
「そういえばね」 
 ここでお静さんはふと気付いて言いました。
「ご夫婦も平家物語のドラマ観てね」
「どうだったのかな」
「義経さんが好きでね」
 それでというのです。
「頼朝さんはね」
「お好きじゃないんだね」
「あの人のことは私にいいとは言わなかったわ」
「特に義経さんのことで不人気だからね」
「判官贔屓ね」
「そのことでね」
「そういうことね、ちなみにお二人共野球は阪神よ」
 お静さんはこちらのお話にも戻しました。
「実はね」
「そうなんだ」
「ええ、昔からのね」
「やっぱり関西だからだね」
「好きな野球チームはね」
 何といってもというのです。 
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