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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三十六話 断罪王Σと美少女歌手ルル。仕事中にしょうもないことで大声を出すやつは、冷凍食品を電子レンジで温めずに流水解凍して食べろ!

第三十六話 断罪王Σと美少女歌手ルル。仕事中にしょうもないことで大声を出すやつは、冷凍食品を電子レンジで温めずに流水解凍して食べろ!

深夜の町を歩いていると、綺麗な歌声が聞こえてくる。
歌声の主は美少女だった。
ギターを持って楽しそうに歌う美少女の周りにはたくさんの人がいる。
歌もうまいし、顔もいい。
これだけの人が集まるのは当然である。
美少女は歌が終ると、大きな声であいさつをしてギターをギターケースにしまう。
美少女の周りから、美少女の歌を聞いた大勢の人々が幸せそうな顔をして離れていく。
中にはCDケースを手に持っている人もいた。
CDケースにはルルと書いてあった。
「へぇ~ルルちゃんはCDも売ってるんですね」
「はい、よかったらどうぞ、二百円です」
「いいのかい、そんなに安い値段で?」
「大丈夫ですよ、私、バイトもしてるんで!それにわたし、お金をもらうことよりもみんなに私の曲を聴いてもらえることの方がうれしいんです!」
「そっか、ルルちゃんは歌手になるのが夢なの?」
「はい、一応...そんな感じですね...」
ルルちゃんは先程の笑顔とは一転、急に寂しそうな表情になる。
「また、明日もルルちゃんの歌を聴きに行くよ」
「はい、お待ちしています!」
次の日の深夜。
ルルちゃんは昨日と同じように楽しそうに歌を歌っている。
歌を歌っているルルちゃんの前に黒いフードをかぶった人物が現れ、金属バットを振り上げる。
「あぶない!」
僕は自分の体を盾にして背中に金属バットの直撃を受ける。
「きゃああッ!誰か警察呼んで~!」
ルルちゃんのファンの女性が大声で警察を呼ぶように周りに訴えかける。
黒いフードをかぶった人物は舌打ちをして、その場から全力疾走で逃げた。
「だ、だいじょうぶですか?」
「うん、僕は大丈夫だから...それよりライブを!」
ルルちゃんは大きな声でファンに謝罪すると、路上ライブを再開させる。
ライブの後、ルルちゃんは襲撃事件に関しての状況を警察に説明した。
「すいません、私のせいで」
「いいんだ、別に、これくらい」
断罪王Σに変神していればこれくらいどうってことないんだけどね。
「背中、痣ができてます」
ルルちゃんが僕のTシャツをまくって怪我の心配してくれた。
「ルルちゃんも大変だね、人気者だからさ」
「いえ、アレは仕方ないんです、全部私が悪いんですから...」
「襲撃相手に心当たりがあるのかい?」
「はい、警察にはあえて言いませんでしたけどね」
「知り合いなの?」
「はい、同級生です、学生時代の...」
「なにがあったのかは知らないけどさ、命の危険を感じたらちゃんと警察に話すべきだと思うんだけど」
「私、実は学生時代はいじめっ子だったんです」
「え!ほんとう?」
「はい、だからミキちゃんにああやってやり返されても仕方がないんです」
「さっきの襲撃者、ミキちゃんって言うんだ」
「はい、私、学生時代は家族に色々あって、ちょっとふてくされてたんです。それで、クラスで仲の良かった友達は実はいじめグループのリーダーで、私、自分がいじめられるのが嫌でみんなでミキちゃんのこといじめてたんです、最低ですよね」
「でも、自分の犯した過ちを最低って言える人間を僕は最低だとは思わない」
「それでも私は最低ですよ、ミキちゃん、結局不登校になっちゃったんです」
「そっか、それで、いまでもルルちゃんのことを恨んでるんだね」
「はい。だから私、今度は人を傷つけるんじゃなくて、プロの歌手になって自分の歌で誰かを励ませられるような人間になりたいと思って!」
「そっか、ルルちゃんが歌手を目指すのはミキちゃんへの罪滅ぼしでもあるんだね」
「でも、逆効果だった。私がちょっと有名になってしまったせいでミキちゃんは今日ここに私に復讐しに来た。そりゃあ、そうですよね、自分をいじめていた人間が楽しそうに歌を歌ってみんなから、ちやほやされてたら、絶対むかつきますよね」
「うん、そうだね、むかつくね」
ルルちゃんが泣き出す。
「だって順番がちがうでしょ、それ」
「順番?」
「うん、まずルルちゃんは歌を歌い続けることでミキちゃんに謝罪する前に、ちゃんと言葉で謝罪するべきだと思うんだ」
「そう...ですね、その通りです。私、バカでした、いままでずっと、たぶん心のどこかでミキちゃんと正面から向き合うことを恐れていたんだと思います。私、今度、直接会って謝ってきます」
「ルルちゃんはミキちゃんの家の場所知ってるの?」
「はい、実はミキちゃんの家、私の家の近くなんです」
「そっか、なら僕もついていくよ、一応言い出しっぺだし、ルルちゃんがケガしたら大変だからね」
「あ、ありがとうございます、えっと...」
「宅間セメル、それが僕の名前さ」
「宅間セメル...」
ルルちゃんが僕の顔をじっと見てくる。
次の日、僕とルルちゃんはミキちゃんの家に行った。
ルルちゃんがインターホンを押すと、ミキちゃんはあっさり、家の中に入れてくれた。
「ルルちゃんさ、そのおじさん、ルルちゃんのなんなの?」
「セメルさんは、お、お友達ですね」
「うん、まぁそんな感じ」
「へぇ~がっつり名前で呼んでるのに?」
「そんなことより、ミキちゃんのお母さんとお父さんは今日はどこに行ったんだい?」
「ん?ああ、今日は二人とも仕事。そんで、今日はなんのようかしら?」
「あの、私、学校でミキちゃんのこといじめてたでしょ、それを謝罪しに来たの」
「ふ~ん、なるほど、謝ってやるから、これ以上ライブの邪魔はするなって、つまりそういうこと?」
「ち、ちがうの!私が歌手になろうと思ったのは、ミキちゃんに対する罪滅ぼしでもあるの!だから!」
「だから、なに?じゃあ、あんたがプロの歌手になったら、あんたが私にしたことは全部なかったことになるわけ?ふざけんじゃないわよ!」
ミキちゃんがルルちゃんの肩にパンチをした。
「痛っ!」
「そう、私も痛かったわよ、あんたによくやられてたからね!」
ミキちゃんがルルちゃんの肩に何度もパンチをくらわせる。
まずい、このままだとルルちゃんの肩の骨が骨折して、ギターを持てなくなってしまうかもしれない。
「ミキちゃん、そろそろ!」
「おじさん!いいの!」
「ルルちゃん!」
「さてと、肩の次は喉にしようかな~それも手がいいかしら?」
ミキちゃんが押し入れから金属バットを取り出し、ルルちゃんの眼前に突き付ける。
ミキちゃんはおそらくルルちゃんを二度と歌手活動ができない体にするつもりだ。
僕は路上ライブの時と同じようにルルちゃんとミキちゃんの間に入る。
「おじさん!もういいの!」
「でもルルちゃん、このままだと君はミキちゃんに二度と歌を歌えない体にされてしまう!」
「わかってる!そんなの!わかってるのよぉッ!」
ミキちゃんがフードを上げる。
ミキちゃんの顔は傷だらけだった。
「これでも、おじさんはルルちゃんの味方するの?」
「でも、その傷は全部ルルちゃんが君につけたわけじゃないんだろう?」
「いいえ、ちがうわ!確かにルルちゃんに指示したのいじめグループのリーダーだけど、実行役はルルちゃんよ」
「そんな...!」
「こんな大して美人でもない顔じゅう傷だらけの女を雇ってくれる会社あると思う?」
「それは!」
「おじさん、もういいの!私は今日、ルルちゃんに殺される覚悟でここに来たんだから」
「それを聞いて安心したわ、ルルちゃんも他のいじめグループのメンバー同様、楽にしてあげるわ!」
「ミキちゃん!君は!」
「そうよ、私は人殺しよ!こんな傷だらけの醜い顔の人間に居場所をくれるほど、この世のは甘くないの!だから、私はどうせいつかお母さんとお父さんが死んでしまって飢え死にするくらいなら、いじめグループのメンバーを全員ぶっ殺して死刑になる道を選んだ!そうよ!何もやり返さずに死ぬぐらいなら、私をいじめていたやつら全員に復讐して死んでやる!」
ミキちゃんの覚悟を知った僕は、ルルちゃんの盾になるのを辞めた。
「ルルちゃん、あんたで最後の一人よ」
「ごめんね、ミキちゃん...」
ミキちゃんに謝罪するルルちゃんは泣きながら笑っていた。
ミキちゃんが振り上げた金属バットがルルちゃんの両手を直撃する。
ルルちゃんの悲鳴を上げる。
ミキちゃんが前に突き出した金属バットがルルちゃんののどに直撃する。
のどを潰されたルルちゃんはもう悲鳴すら上げることができない。
僕はミキちゃんに復讐されるルルちゃんをただ見ていることしかできなかった。
「これで最後よ」
ミキちゃんが振り上げた金属バットがルルちゃんの頭部に直撃する。
ルルちゃんの体は何度か痙攣した後、停止した。
「終わったわ、私の復讐が」
ミキちゃんが憑き物は落ちたような表情で笑う。
「おじさん、私、警察に自首するから、巻き込まれるのが嫌なら、はやくこの家から出ていった方がいいわ」
「でも自首したら、ミキちゃんのお母さんとお父さんも、この社会に居場所を失くしてしまうよ」
「いいのよ、どうせお母さんもお父さんも私に復讐なんてせずに前を見ろっていうに決まってるんだから、そんな子供に理解のない親なんて痛い目にあって当然なんだから」
僕はルルちゃんの死体を食べた。
「おじさん!何してるの?」
「他のいじめっ子の死体はどこにあるんだい?」
「庭に大きな花壇があったでしょう、あそこにあるわ」
僕は倉庫からスコップを取り出して庭の土を掘る。
土の中から死体が五つ見つかった。
僕はその死体をすべて食べた。
「おじさん、何のつもり?」
「これで、ミキちゃんが人殺しをした証拠はなくなった」
「なによ!それじゃあ、私、死刑にしてもらえないわ!」
「ああ、その通りだ、君はこれからその傷だらけの顔で一生、生き地獄を味わうんだ」
僕がルルちゃんのためにできることはもう、これしかなかったんだ。
「ねぇ、あんた人を食うんでしょ?なら、私も食ってよ!」
「ごめんね、それじゃあ、意味ないんだよ」
僕はミキちゃんの家を出た。
両手をシャツのポケットに入れると右手になにか固いものが当たった。
ルルちゃんが二百円で売っていたCDだった。
CDのパッケージに写っていたルルちゃんは笑っていた。

次回予告 断罪王Σと不思議系美少女ミドリ。人の仕事のやり方ににブツブツと自分の価値観を押し付けてくるやつはちゃんとヘルメットをして一輪車で会社に出勤しろ!


 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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