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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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6度のインパクト

<幽霊船>

「えぇい、バレてしまっては仕方ない!お前達、やっておしまい!!」
ミニデーモンは変装用の服を脱ぎ捨て、腐った死体2匹に命令する。
命令を聞き、アルル達に襲いかかってくる腐った死体…
「メラミ」「メラ」
しかし2匹の腐った死体は、ウルフのメラミとマリーのメラで、一瞬の内に燃やされてしまう。
因みに、マリーのメラはウルフのメラミとほぼ同威力だ。

「げ!?………瞬殺?」
どう見ても、一番弱そうな最若年者2人の魔法により、手下が一瞬で倒されてしまい、ビビりまくるミニデーモン。
逃げ出す事も戦う事も出来なくなっている。

「リュカさん…どうしますか、コイツ」
鋼の剣を向けたまま、ウルフがミニデーモンの処遇を確認する。
「どうしよっか…?」
ミニデーモンはリュカ達に囲まれガクガクブルブル震えてる。

「ち、違うんッスよ!僕、本当は良い子なんです!でもさっきの奴等に脅されて、仕方なく協力させられてたんですよぉ!」
「でもさっき『俺様の完璧な作戦』って言ってたじゃん。お前がリーダーだろ?」
リュカは屈み、ミニデーモンと目線を合わせ語りかける。
「そ、そう言えって言われたんですぅ…許してくださいぃ…」

「………なるほど………でも、そうなると凄いな…あの腐った死体の作戦は!もう少しで引っかかるほどの高等戦術だったよね!いやぁ~天才だね!」
ガクブル震えるミニデーモンを見て、さっきの作戦をベタ褒めするリュカ。
すると震えてたミニデーモンが、高笑いを始め自慢しだした。
「そうだろ、そうだろ!やっぱ俺様超天才!まぁ俺様ぐらいになると、あんな作戦を立案するのは朝飯前っつ~の?いやぁ~…自分の才能が怖い!なぁ~んつって!!わはっはっはっはっ!」

(ゴツン!)
「やっぱお前がリーダーじゃん!何、か弱いフリこいてんだ!」
リュカの拳が、ミニデーモンの後頭部に炸裂する!(無論手加減して)
「あいた~!!………は!?ひ、卑怯だぞ…誘導尋問なんて!」
「誘導してねーよ、バ~カ!」
どうやら強かさだけはかなりの物らしく、先程の脅えも芝居だった様だ。

「まぁまぁリュカ…面白い子じゃない。連れて行きましょうよ!」
見た目と馬鹿さ加減が気に入ったらしく、ビアンカがミニデーモンを連れて行こうと主張し抱き上げる。
「俺様は、高貴なる魔族だぞ!気安く触んじゃねー、ババアー!!」
(ゴス!!)
先程のリュカの拳骨よりも、大幅に強烈な一撃がビアンカの拳から放たれた!
「っぐはぁぁぁ!!!」
ミニデーモンは後頭部を押さえ床でのたうち回る。
「次言ったら、その羽を毟り取るぞ!!」
「ごめんなさい!ごめんなさい!!もう言いません!許して下さい、美しいお姉様!」
マジ泣きしながら、ビアンカに土下座するミニデーモン…
どうやら芝居では無い様子…


幽霊船での目的も果たし、アルル一行は自船を目指し移動する。
「私マリー。アナタの後頭部に、拳骨を落とした夫婦の娘よ!アナタのお名前は?」
「ふん!下等な人間が、気安く俺様に話しかけるな!」
(ゴズ!!)
本日3度目の後頭部直撃は、マリーの拳だった!

「アナタのお名前は???」
満面の笑みで問いかけるマリー。
「いたたたた…お前等親子は………ふん、俺様を呼ぶ時は『高等魔族のミニデーモン様』と呼べ!」
「うん、分かった。ミニモンね!よろしくミニモン」

「ちょ、聞いてた!?高等魔族ミ「なげーんだよ!ミニモンで決定なんだよ!!」
高等魔族ミニデーモン様改め、ミニモンは絶句する。
リュカ達親子の一方的っぷりに…
「調子に乗るなよ!」
しかしめげないミニモンはマリーへと詰め寄り、威嚇する…
だがマリーの彼氏が、その間に割り込み彼女を庇う。
「俺の彼女に手を出すんじゃねぇ!」

「ふざけんな!そんなペチャパイブスに手を出すかボケェ!」
(ゴス!!)
「ぐはぁぁぁ………同じ所をポカポカ殴りやがって!」
ウルフ発、本日4度目の後頭部直撃!
「次言ったら、その舌引っこ抜くぞこの野郎!」


少し離れたところで見ていたアルルが、思わずティミーに囁きかける。
「ウルフが段々リュカさん色に染まるんだけど…アレって感染するの?」
「分からない…でも、息子の僕には()つってないよ。きっと勇者は平気なんだよ!」
クスクスと笑いながら歩く勇者カップル。

それを見ていたミニモンが、唾を吐きながら毒舌かます。
「何だ…お前等男同士でイチャつくゲイかと思ったら、こっちの野郎は牝だったか…胸が無いから男かと思ったぜ!」
(ゴスン!)(ドガッ!)
5発目ティミーに、6発目がアルル…
「だはぁぁぁぁ………!」


ミニモンを抱き上げ、後頭部にベホイミをかけるリュカ。
「お前、余計な一言が多くて友達居ないだろ」
「ふん!友達など要らん!俺様は高貴なる魔族だぞ…」
「ふふふ…じゃぁ僕が友達になってやるから、もう少し仲良くしようぜ…お前の実力じゃ、僕の仲間には勝てないのだから、面と向かって悪口を言わない事!良いね?」

「くっそー………何時か見てろ。必ず…復讐して…やるからな………」
リュカの温もりに安心したのか、半ベソをかいていたミニモンは、リュカの腕の中で眠ってしまった。
デーモンなのだが、まだ子供なのである。

「もうちょっと口の悪さを押さえられれば、面白い奴なのにね!」
リュカの腕の中で眠るミニモンを突きながら、ビアンカが面白そうに話しかける。
そしてリュカはマリーにミニモンを託した。
「お前とウルフで、今の内から予行練習をしておけよ。寝顔は可愛いだろ?」
どうやらリュカとビアンカは、マリーとウルフの情操教育の為に、ミニモンを連れて行こうと考えた様だ。

「ちょ…何で俺達なの!?優先順位的にはアルルとティミーさんが先だろ!?」
「いや、この二人は…其処まで達してないし…もっと手前で止まってるし!きっとお前等の方が先だと思うし!」
リュカの言葉にアルルは感付きむくれているのだが、ティミーは何の事を言ってるのかキョトンとしている。
それを見たマリーとウルフは、納得するしかなかった…

マリーの心の成長の手助けになれば幸いだろう…



 
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