スライムを侮るな

「レベルも私達の中で一番低いし」
「装備もだね」
「まだこれからだから」
　実は今回のダンジョンの冒険でモンスター退治とダンジョンで得た財宝で彼の装備を整えるつもりである、その為の冒険なのだ。
「だからね」
「それでなんだ」
「ええ、一番後ろで」
　そこにいてというのだ。
「そうしてね」
「身を守っているんだ」
「それでお願いするわ」
「わかったよ」
　このパーティーのリーダーはアルテだ、それでだ。
　アルダーも頷いた、そうしてだった。
　一行はそのスライムの溜まり場に入った、すると。
　早速スライム達が殺到してきた、彼等はというと。
「毒のあるスライムが来たわね」
「早速厄介なのが来たな」
　リンスーはミリエルに言われてそのスライムを見て苦い顔になった。
「全く」
「こっちは強酸のスライムよ」
「そっちは僕が相手するね」
　オーズが応えた。
「魔法で」
「あとメタルのスライムに」　
　身体の硬いそれもだ。
「石化するスライムもいるわね」
「巨大スライムも来たわよ」
　アルテは普通のスライムの百倍はあるそれを見て言った。
「そっちは私が行くわ」
「私は全体魔法を使うから」
　ミリエルは自分の攻撃の話もした。
「皆宜しくね」
「ああ、頼む」
　リンスーは身構えつつミリエルに応えた。
「これだけ多いとな」
「厄介な種類も多いし」
「そうしてくれよ」
「水辺から水棲のスライム達も出て来たし」
　巻貝を被った様なスライム達もわらわらと出てきている、オーズはそちらを見ている。
「あと麻痺性の毒を持つのもね」
「いるわね」
「触手系もね」
「触手は大嫌いよ」
　触手と聞いてだ、ミリエルはむっとした顔になった。
「身体中にまとわりついてくるから」
「そうだよね」
「いやらしい想像する馬鹿もいるし」　
　触手と聞いてだ。
「手足にお腹にまとわりついて」
「そうだよね」
「特に胸や腰に」　
　そうしたところにというのだ。
「スケベ共ね」
「だからミリエル触手嫌いだね」
「大嫌いよ」
「私も嫌いよ」
　アルテも言ってきた。
「触手は」
「そのスライムもいるし」
「要注意よ
「空を飛ぶスライムもいるぞ」　
　リンスーは上を見上げて二枚の翼で飛んでいるスライム達を見て言った。
「本当にここはスライムの溜まり場だな」
「全種類のスライムがいるみたいね」
　アルテは普通のスライム達も多いことを確認した、赤いスライムもいれば青いスライムもいる。ブチのものもいる。
「ここは」
「地図にも書いているよ」　
　オーズはまた地図を開いて答えた。