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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第五幕その四

「まさにね」
「そうだよね」
「あんなものそうそうないよ」
「本当にね」
「日本の芸術の一つだよ」
「全くだよ、しかし贈りものには」
 これにはというのです。
「あまりにもね」
「高価だよね」
「というか高価過ぎて」
「もう手が出せない」
「そんなものだね」
「かなりのお金持ちか」
 京都の着物を買える人達はというのです。
「立場のある人だよ」
「そうだよね」
「反物一つでも普通の人の月給分らしいし」
「それで着物にしたら」
「とんでもないお値段になるわ」
「下手にタキシードを買うよりも」
 それよりもというのです。
「遥かにだから」
「比べものにならないね」
「日本政府の人が他の国の人への贈りものに使える?」
「実際贈ってないかな」
「外国の政府の人とお会いする時の贈りものって礼儀だしね」
「それなりにものを贈るものだから」
「そう考えるとね」
 先生は言いました。
「京都の着物はいいね」
「そうだよね」
「最高の贈りものの一つかも」
「日本ってそういうものもあるからね」
「つくづく凄い国だよ」
 先生は心から思いました。
「あんな服まであるなんて」
「うん、あまりにも高いけれど」
「それでもだよね」
「凄いことは凄いね」
「本当にね」
「そうだね、しかしお静さんがお二人に何を贈るか」 
 このことはというのです。
「服でもね」
「気になるね」
「一体何か」
「そのことがね」
「じゃあお話してみようね」
「お静さんとね」
「そうしようか」
 こう言ってです。
 先生はお静さんと連絡をしようと思いました、ですがここで研究室の扉をノックする音が聞こえてきて。
 開けるとです、そこにお静さんがいました。
「お話したいのかしら」
「聞こえていたんだ」
「私は猫又よ」
 お静さんは先生に笑って答えました。
「だからね」
「ああ、耳がいいんだね」
「普通の猫も耳はいいけれど」
 人間より遥かにです。
「もうね」
「猫又になるとだね」
「何百キロ四方の音が聞こえるから」
「凄いんだね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。 
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