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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二十九話 断罪王Σと貧乏美少女ユウナ。人の好きなものをバカにするやつは自分の好きなものをバカにされたときのことをちゃんと考えろ!人の好きなものをバカにするやつはシートベルトをしないままケチャダンスを踊りながらジェットコースターをエンジョイしろ!

アオイちゃんを食った僕が二階のベットで休もうとすると、一階から物音が聞こえてきた。「空き巣かな?」
僕は階段を下りる。
「あ!」
一階にはニット帽に分厚いコートを身にまとった髪の長い美少女が冷蔵庫の中を物色していた。
「君は空き巣だね?」
「す、すいません、窓ガラスが割れていたのでてっきり強盗か何かあったのかと思って、つい...」
「いいよ、謝らなくても。その窓ガラスを割ってこの家に不法侵入したのは僕だからね」
「もしかして、家の人はまだ帰ってきてないんですかねぇ?」
「うん、多分、永遠に帰ってこないよ」
そう、一度失われた命はもう、二度と戻ってこない。
「そ、そうですか。あの、冷蔵庫のモノをちょっと分けてほしいんですけど」
「ああ、いいよ、俺、人間の食いものにあんまり興味がないからね」
「た、助かります~」
貧乏美少女が嬉しそうに冷蔵庫から取り出した食料品を小汚いビニール袋の中に入れる。
「君、名前は」
「私はユウナって言います」
「ふ~ん、ユウナちゃんは見た感じかなり若いけど、どうしてそんな汚い恰好をしてるんだい?」
「わ、私、貧乏なので」
「ふ~ん、ならここに住みなよ」
「え?」
「その恰好からすると僕と同じでどうせ帰る家がないんだろ?」
「ま、まぁ」
「実は僕さ、この家の人間を全員食べたんだよ」
「は、はぁ」
「ユウナちゃんは僕に食べてほしいかい?」
「い、嫌です」
「なら、ここで一緒に暮らそう。僕、正直言うとなんか今、とっても寂しいんだ」
「は、はぁ」
僕とユウナちゃんはレンジで加熱したピザを食いながら話をする。
「ユウナちゃんは家出してきたのかい?」
「ま、まぁ、そうですね。ちょっといろいろあって、むむッ!このピザおいしいです」」
「人間の肉はもっとおいしいよ」
「そ、そうですか」
「親と喧嘩したの?」
「喧嘩というか捨てられたんですよね、お母さんに。ちなみに父の顔は見たことがありません」
「なんで?」
「色々とお金がかかるから邪魔らしいんです、わたしのこと。どうやら私の両親、デキちゃった結婚らしくて」
「そっか。でもさ、普通に考えたらね、子供欲しくない人はセッ●スしちゃいけないと僕は思うんだよね」
「おっしゃる通りですね」
「君は憎くないのか、お母さんのこと」
「別に憎くはないです、私が小さい時は優しくしてくれましたし、ただ、どうしても私の学費のせいで生活が厳しくなってしまったので、多分、母は貧しさに心を病んでしまったんだと思います」
「そっか。お金は人の心を豊かにするけど、お金なくなると今度は逆に人の心を壊してしまう。お金は怖いね」
「はい、でも私、今の生活は嫌いじゃないんです」
「なんで?」
「確かにいろいろと厳しいですが、こうなんというか自分の足で立って生きているというか、こう自由な感じがして!特にご飯食べてるときとかはなんかこう、産まれてきてよかったなって感動するんですよね。最近、友達もできましたし!」
「そっか。そんで、その友達って?」
「アオイちゃんっていう子なんです。家はあるらしいんですけど、いつも深夜になると綺麗な服着てるくせに路上に寝ている子なんです。それで理由を聞いてもなんだかいまいち話がかみ合わないんですけど、優しくするとたまにタダでお菓子くれたりするんです」
「そっか」
アオイちゃんこの辺じゃあ、ちょっとした有名人だったのかな?
「アオイちゃんは私と違って男性経験が豊富みたいで、いろいろと面白いお話をたくさんしてくれるんですよ!」
ユウナちゃんが楽しそうにアオイちゃんの話をする。
「あの~アオイちゃんの話しはもういいから」
「あ、す、すいません」
「それよりユウナちゃんがお金持ちになれば、ユウナちゃんはお母さんと仲直りできるかもしれないね」
「は、はぁ」
「僕はいつも人間を食べてるからさ、あんまりお金を必要としないんだけど、もしよかったらコレ使うかい?」
僕はこの家の箪笥から奪い取った、封筒に入った五百万円をユウナちゃんに渡す。
「で、でもこのお金は?」
「ああ、僕がこの家から盗んだお金だよ」
「で、でもそれはいくらなんでも、他人のお金ですし...」
「じゃあ、ユウナちゃんはお金が無くなって飢え死にしそうになったら、そのまま全部をあきらめて死んじゃうのかい?」
「そ、それは!」
「犯罪者になって生き延びるのと、犯罪者にならずに飢え死にするの、ユウナちゃんはどっちの方がマシだと思う?」
「誰だって多分死にたくないんだと思います。でもやっぱり、人に迷惑をかけてまで私は生きていたくありません」
「ユウナちゃん!僕はユウナちゃんを幸せにしたいんだよ!」
「お気持ちは嬉しいですが...」
「じゃあ僕が、このお金を受け取ってお母さんと仲直りしないと、ユウナちゃんのこと殺しちゃうよって言ったら、どうする?」
「そ、そんな私、死にたくないです!」
「じゃあ、この五百万円受け取ってよ!」
「で、でも!」
「このお金があれば、お母さんはきっとユウナちゃんを必要としてくれる、愛してくれる!」
「わたし、やっぱりお金は受け取れません!お金でできた愛なんて私はほしくありません!」
「でも、ユウナちゃんは他人の家に不法侵入してピザ食ったよね?」
「そ、それは!」
「もうユウナちゃんは立派な犯罪者だよ。僕は自分の罪を隠して、ユウナちゃんのしたことを警察に報告する!そうすればユウナちゃんは犯罪者で、ユウナちゃんのお母さんも顔も知らないお父さんも、親戚もみんな犯罪者の家族として社会から居場所を失う。それでもユウナちゃんはこのお金を受け取らないのかい?」
「このお金を受け取れば、私のしたことを警察に黙っててくれるんですか?」
「ああ、もちろん。僕はただ、ユウナちゃんの幸せそうな顔を見たいだけなんだから」
「で、でも!」
「おい、おまえいい加減にしろよ!いいか?金持ってねぇやつがカッコつけたってちっともかっこよくねぇんだよ!金があるやつは長生きできるし、金がねぇやつは早死にするしかねぇんだよ!貧乏人が糞みたいなプライドもってたってその先には金持ってるやつらより早死にする運命しか待ってねぇんだよ!とにかく、この世で偉くてカッコイイやつってのは結局金持ってるやつなんだよ!貧乏人がカッコつけたってただひたすらにむなしいだけなんだよ、おめぇがどんなに偉そうなこといって僕に反論したところで世界中のバカ野郎どもの同調圧力でそういうことになってるんだよ!いい加減目を覚ませ!」
「勝手なこと言うな!このクソジジィッ!人がおとなしくしてれば偉そうに説教しやがって!人の家に不法侵入して住人ぶっ殺して人の金盗んでおいて、なにが目を覚ませだ!なにが人間の肉はおいしいだ!目を覚ますのはお前のほうだ!くだらねぇ犯罪行為する暇があるならとっとと更生して私みたいにみじめでも社会にちゃんと貢献しろ!」
「なら、ユウナちゃんはこのまま二度とお母さんに会えずに死んでしまっても後悔しないのかい?」
「そ、それは!
「自分の魂に自分で嘘ついて後悔するのがユウナちゃんの本望なのかい?君は自分の正義のために自分の魂を殺せるのかい?」
「わ、私は!私だってお母さんにもう一度会いたいわよ!でもお母さんがきっと必要としているのは私が戻ってくることじゃなくて、五百万円よ」
「それでもいいじゃないか、五百万円を犠牲にして君は母親から愛してもらえるかもしれない、そもそも無償の愛なんて言葉は幻さ、結局お金がなければ、君は母親に愛してもらえるために必要な住宅も衣服も食料も買えない。お金で買える愛だって立派な愛なんだよ!大事なことは愛じゃなくって君が母親のことが好きかどうかなんだ!」
「キモイこと言ってんじゃないわよ!この犯罪者!でも、行くわ、私、お母さんのところに!」
「そっか、よく言えたねユウナちゃん」
僕はユウナちゃんの指示通りにユウナちゃんの実家に到着した。
ユウナちゃんがインターホンを押した。
ドアが開く。
ユウナちゃんは他人の家から盗んできた五百万円の入った封筒を母親に手渡す。
「コレ、五百万円入ってるわ」
「ユウナ...おかえりなさい」
ユウナちゃんの母親が五百万円の入った封筒を室内の床に頬り投げると、ユウナちゃんを抱きしめる。
母親に抱きしめられたユウナちゃんが大泣きする。
「どうして!どうして家出した私を探してくれなかったの?」
「だって、あんなにひどいこと言って今更帰ってこいなんて勝手なこと言えないわよ」
おそらく、ユウナちゃんの母親が両目から流している涙は今、娘に五百万円を手渡された
喜びより、娘が無事に帰ってきた喜びから流している涙に違いない。
五百万円がなくてもユウナちゃんのお母さんはユウナちゃんを愛してくれた。
二人の姿に僕はもしかしたら無償の愛は存在するのかもしれないと思った。
それは、それとして。
「二人とも今、僕よりとっても幸せそうですね?」
「うん!ありがとう、おじさん」
ユウナちゃんの泣き笑いに僕ももらい泣きをする。
僕は泣きながらユウナちゃんとユウナちゃんのお母さんを食べた。
とってもおいしかったです。

次回予告 第三十話 断罪王Σと自称魔法使いの美少女カエデ。飼っている犬猫に去勢手術させる飼い主は今すぐ病院で去勢手術して来い!ペットが子孫残すのがそんなに嫌なら最初から飼うんじゃねぇよ! 
 

 
後書き
次回もお楽しみに! 
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