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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその六

「意図がわからない」
「会戦に勝ちました」
「ですが戦場の整理は僅かな軍勢に任せ」
「主力は動きだしています」
「前に」
「追撃とも思えますが」
「追撃する敵は既にかなりの距離に移っていてだ」
 准将はティムール軍の話をした。
「しかもだ」
「さらに退いていますね」
「敵が絶対に辿り着けない場所に」
「今日の時点では」
「それで何故動く、ここは戦場の整理を行い」
 主力でというのだ。
「さらにだ」
「そこからですね」
「兵を進める」
「後はオムダーマン軍はこの戦場から浸透するか」
「そうしますが」
「ですが今の軍勢だけで動くのは」
「意味がわからないですね」
 他の武官達も言う、だがここで。
 観戦に使用している部屋に一人の少尉が入って来てだった、観戦武官達に敬礼をしてからこう述べた。
「報告したいことがあります」
「何だ?」
「オムダーマン軍が全戦線で動きだしました」
 このことを報告したのだった。
「ティムール軍に向かって」
「ここでか」
「はい、動きだしました」
「そうか、今の勝利からか」
「動きだしました」
「そうきたか」
 准将は少尉の話を聞いて考える顔になった。
 そしてだ。こう言ったのだった。
「先程のオムダーマン軍の勝利は不思議だった」
「はい、突如としてです」
「ティムール軍の後方や側方から攻撃が行われました」
「魚雷が放たれてです」
「艦隊や要塞が攻撃されました」
「何かの奇襲と思われますが」
 それでもだった、現時点での彼等は。
「何かわかりません」
「どうにも」
「まるで魔法の様でした」
「魔法を使ったかの様な攻撃でした」
「そうだったな、それはだ」
 どうにもとだ、准将は他の観戦武官達に話した。
「おそらく他の戦線でもだ」
「奇襲を行える方法をですね」
「オムダーマン軍が持っていて」
「それをですか」
「ティムール軍に対して使い」
「それで、ですね」
「全戦線での突破を計るか。まさかここでな」
 准将は今度は腕を組んで言った、初老のその顔は苦味ばしっていてゲルマンの年配の騎士を思わせる。
「総攻撃に移るか」
「予想外でしたね」
「ここでこう動くとは」
「突破口を開きここから浸透すると思いましたが」
 ティムール領内にだ。
「それがですね」
「まさに一気にですね」
「全戦線で動き」
「総攻撃に移るとは」
「先程の謎の奇襲を使うとすれば」
「オムダーマン軍は」
「若し勝てばだ」
 今回の行動でというのだ。 
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