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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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42話 Settlement

「よし!じゃあ次は———————AB型だな!」
「却下。」
「右に同じずら。」
「私も賛成。」
「俺もそう思うぞ。」
「はぁ!?」


AB型の話をしようと言った途端に千歌、花丸、果南、稜の順番で却下の判断を言い渡された。どうしてこうなった............................


「じゃあ試しにAB型の人が手をあげてみるといいよ。」
「AB型の人、手を挙げてください!!」


ルビィの可愛らしい声に反応して手を挙げたのは、俺と————————曜と鞠莉が手を挙げる。俺はクールに、鞠莉はエネルギッシュに、そして曜は遠慮するような感じで手を挙げる。


「ほらやっぱり!!」
「結論出たね。じゃ、スキップ決定。」
「いやいやいやいや!!!何でAB型だけそんな扱いを受けなきゃいけねぇんだよ!!!」
「そうよ!マリーたちだけスキップって酷くない?」
「自分の胸に聞いてみればいいじゃん。」
「———————私も良くわからないんですが.................」
「あ〜!!!もうこの際ハッキリ言ってやる!!」


千歌は怒っているような声を上げて、説明—————————という名の愚痴を俺たちにぶち撒ける。


ちなみに今タブレットで診断についての司会進行は俺からルビィ、善子、梨子、ダイヤに移っている。


「まずだよ?チカはずっと苦しんできたわけ!!曜ちゃんと才くんっていう完璧超人2人に!!2人とも何でもできるし.................私がどんなに美渡ねえにバカにされたか............その原因を作ったのがこのAB型2人!!」
「それはお前がバカなのが悪いだろ。」
「いや才に至っては、自分のこと天才とかイケメン過ぎるとか平気で言いまくってるからね!?鞠莉も鞠莉でダンス出来るわルックス良いわ英語話せるわ..................どちらかにしか恵まれなかった人間を考えてよ!!」
「「「えぇ....................」」」
「確かにAB型はナルシストとか、博識とか、天才肌とか、クールで合理的とか、カッコマンとかも言われてるわね。」
「字面だけ見ると全部才君に当てはまってるような...................」
「俺そんなにナルシストか!?」
「どの口が言ってるんですの————————————」


確かに格好をつけたりしてはいるが、ナルシストでいるつもりは更々ないのだが!?まぁ完全に否定もできないのではあるが、それでも限度は弁えているつもりだ。それを度を超えていると言うが...................


「ちょっとはナルシストかもしれないけど!!でもお前らが言うほどナルシストではないぞ!?!?」
「その《《ちょっと》》っていうのが、私たちにとっては度を超えすぎてるの!!!!」
「そうずらそうずら。いっつも『天才でしょ』とか『イケメンだ』とか————————そんな当たり前のこと....................迷惑でしょ!?」
「そうだよ!!自重してよね!!」
「えっ——————それは俺をイケメンだって認めてるってことだろ?」
「「はっ!!」」
「何だかんだ言ってるけど、花丸も千歌も俺のイケメンさに惚れたか〜まぁ、当然だよな。何せこの俺だもんな!!!!」
「そういう所だよ!!モロに出てるじゃん!!」


自分でも言っていることが分からないほど自惚れているわけではない。でも言いたい事は言わないと自分が自分でなくなるようで嫌だ。そういうわけで言っているのでもある。


「というより今AB型の特徴で言われた事って、ほとんど才君のことじゃない?じゃあ私が責められる要素ないんじゃ.............」
「曜ちゃん————————何年一緒に居たと思ってるの?」
「へ?」
「才くんは色んな意味で論外として、身近にいる曜ちゃんが完璧超人だったら千歌が比べられちゃうわけ!!」
「そんな....................」
「あぁ〜!!!!もう腹が立ってきたよ!!もうこの話やめよう!!」
「もうそれが正論かもしれないな。」


千歌の暴論とも言える解散宣言に稜が賛同を示す。


「そろそろ8時も近いし..................終わりにしようか。」
「そうだな、虎太郎。俺たちはライブの時のゴミとかまとめてねぇし。」
「ああ———————よし!明日から夏祭りのライブに向けて!!全速前進〜!?」
「ヨーソロー!!!——————————って、それ私の台詞!!」


誰かかが吹き出す。

それに釣られるように皆、笑顔を隠すことなく晒す。普段は感情を表に出すことがあまりない祝や虎太郎もクスクスと笑っている。

何度も言わせてもらうが、このような状況をみんなで共有したい。内浦のこんな空気を守りたい。それだけに留まらず、あわよくばこの国に————————世界中に広まればいいのに。

本当は黒澤天青や他の怪人達ともスクールアイドル達とも肩を並べて、笑い合いたい。

でも競いながら明日を探さなきゃいけない。それが俺たちの宿命だから.............














ピリリピリリ















「これは————————っ!!!」
「どうした!?怪人か!?」
「みんな、これを見てくれ。」





自身の腕時計——————オーマジオウからもらった高性能ウォッチ。そこに映された画像を立体化して、みんなに見えるようにする。


「これは............尋常じゃない数だね。」
「こんなのが近くまで来てるってこと!?」
「そうだ、千歌。この腕時計に映るって事はそういうことになるな。」
「そんな............じゃあ内浦が...........!」


心配を隠せずにいる曜。だが、その心配はする必要はない。


「大丈夫だ。この集団はこの内浦から遠ざかってる。」
「なら———————!」
「大丈夫........................ではなさそうだぞ、果南。」
「どういう事?」
「見ろよ。内浦側に向かって違う集団の反応がある。」
「まさか————————!」
「ああ..................反応の場所に急ぐぞ!!」


俺は部室前に置いてあった爆走バイクを、竜介先生と祝がマシンビルダー、虎太郎はトライチェイサー2000、稜はマシンフーディーに乗り込もうとする。

魁が一言ボソッと呟く。


「——————————俺B型なんだが.....................」
「魁君、行かないの?」
「いや行くよ。花丸。」
「お前ら!!早く乗れ!!」


レーザーバイクとマシンキバーにサイドカーを付けて、そこにAqoursの9人を分けて乗せる。


「しっかり捕まってろよ——————全速力だ!!!」
「お手柔らかに—————————ね?」
「なるべく心掛けるよ。」
「いやちゃんと心掛けてよ!!!」
「分かってるって.................!」









5台のバイクは颯爽と浦の星の裏門を抜ける.......................



























—————※—————





「まさか貴方から仕掛けてくるなんて珍しい事もあるものですねぇ。」
「一刻も早く——————脅威は取り除かなければならないからな。この内浦から..............活気を消さないためにな。それより、貴様こそアイツらにコテンパンにやられたそうじゃないか。」
「ぐっ.....................」


才が言っていた怪人の集団同士が近づいている——————————というのは、まさにオハラエンタープライズと黒澤家の抗争である。その舞台は西浦を超えた山中............県道18号線が見えているようなところだ。

軍団というのは、黒澤側は仮面ライダーウィザードの三下のグールとアンデッドをゾロゾロと引き連れての軍団。

一方のオハラエンタープライズは私兵集団のような剛力屈強な男たちがレイドライザーを携え、さらにクローンスマッシュがそれと同じ数ほどを取り巻きにしている。


「貴方はスクールアイドルに否定的だと聞いていたが..................その様子だとあの伊口才に唆されたようですねぇ。」
「人間は変わるものだ。固定概念というものは人間をの進化という物を止める————————らしいからな。」
「まぁ、いいでしょう。今日で全てが決まるのですから。この内浦も、貴方も、スクールアイドルも、全てまとめて廃棄処分にする———————!」


≪ゼツメツEVOLUTION! BREAK HORN!≫

「変身。」

「実装!」


≪パーフェクトライズ!≫

≪ When the five horns cross, the golden soldier THOUSER is born. ≫

≪"Presented by OHARA." ≫


「変身。」


≪チェンジ! ナウ!≫



機関銃がグールに向かって乱射される。そこから火蓋が急に切って落とされる。グールは数という有利点を利用してバトルレイダーとスマッシュに襲いかかる。それを中距離射撃で牽制とできるだけの殲滅を行う。そして近くまで迫ったら、スマッシュが肉弾戦で対応する。グール如きならバトルレイダー1人でも数体倒せるはずだがアンデッドとなるとそうも行かない。その戦況を見ると、やはり互角と言ったところであろうか...................

大将同士の戦いが決着を付ける。それは誰の目にも明白であった。


「フン!!」
「くっ................!」


薙刀でサウザンドジャッカーの刀身を受け止める。押し返して、反撃の刃をサウザーに振り下ろす。だがヌープ硬度100兆を《《超える》》その装甲に刃は意味を為さない。

ソーサラーは再び刃を振り下ろすが、それはサウザーも同じでまたしても切り違いになってしまう。でもソーサラーの装甲はサウザーに比べれば、その強度は大きく劣ってしまう。そこを考えると、互角に見えて実はジリジリと押されているのだ。


≪JACKING BREAK!≫


≪ブリザード! ナウ!≫


タイガーの炎と魔法陣から発せられる冷気。両者は互いに激突し、対になるそれらを打ち消してしまう。

両者とも隙は与えない。逆に言えば、隙をつかれた方が負けなのだ。


≪テレポート! ナウ!≫


テレポートで姿を眩ます。この魔法で追いかけられると言えば、やはりムテキゲーマー——————サウザー如きが追える筈もない。だが、それを攻撃に活かせるかどうかは........................全くの別問題だ。


「やっ!!!!」


少し上から薙刀を振り下ろす————————が、甘かった。


シャインシステムが起動していたのだ————————その言葉だけで察せるだろうが、シャインクリスタが防御壁を形成しその一撃を防がれたのだ。


サウザーはその隙を見逃す筈もなく、ロボットフルボトルとタイタンフォームの破壊力抜群の刀身をソーサラーに喰らわせる。

その力はソーサラーの体を県道18号線へと突き出す。


サウザーはその体を追う。今の攻撃を無駄にしまいと追うのだ———————実を言うと、サウザーには勝てるという余裕はあった。相手と自分のスペックは圧倒的でデータも大量に持っていて手数にも困らない。では何故急ぐのか......................


「逃さん!!」


ジェットコンバットのミサイルがソーサラーに向かって飛んでいく。それを墜とそうとするソーサラーではあるが、それは罠で攻撃した瞬間に爆発するように仕組まれていたのだ。

これはジェットコンバットとタドルクエスト、そしてノブナガ魂の合わせ技だ。氷と炎が連続で襲い、その勢いは留まることを知らない。

ようやく集中砲火が止む。その連鎖から解放されたソーサラーは膝をついてしまう。

サウザーはトドメを刺そうとソーサラーとの距離を1mまで近づける...............が。


「隙あり!!!」
「何!?」


≪イエス! キックストライク!≫


ソーサラーは起死回生の策として、必殺技の回し蹴りをサウザーにお見舞いする。サウザーの体ではなく、顔を狙い定めたハイキックは見事に成功した—————————-だが少し距離が離れ過ぎていたのとやはり性能差がありすぎるが故に、大ダメージとまでは行かなかった。


「貴様ァ!!!!—————————だが、君もこれで終わりだ。」
「何だと.................ぐっ!!」


回避を取ろうとした瞬間に異変は起こり始めたのだ。ソーサラーの体が動かない———————行動不能に陥ったのだ。それが何故か...............考える余地は与えてくれなかった。


≪ブレイクホーン!!≫


実はこのサウザーには必殺技の拡張性があるのだ。そもそも毎日メンテナンスを欠かせないサウザーにとってそのようなコンテンツの追加は当たり前なのだろうが。その発動方法は極めて簡単。プログライズキーを押し込む前に、スイッチを押すだけで————————その威力は1000倍の力の2乗(ダブルパワー)と化す..................



≪THOUSAND DOUBLE DESTRUCTION!!≫


反時計回りに回り、その左脚をソーサラーの腹部を貫くかの如く押し込む。先ほどから身動きが取れないソーサラーに100万倍の威力に耐えられるはずもなく、あえなく変身解除されてしまう。


「あなたはもう仮面ライダーではない。すなわちこの内浦の支配権を失った.....................」
「何だと?——————————!!」


ソーサラーはとんでもないことに気付いてしまう。無いのだ。自身の体に標準装備されているはずのドライバーが。

それすなわち、仮面ライダーへの変身資格を失い、同時に内浦を守るという行為すらできなくなってしまったのだ。



「そんな..................馬鹿な..............」
「隙を狙う敵という物ほど、油断している相手はいないものですよ。渾身のキックの瞬間に——————————君の魔力のデータを頂いた。」
「何?」


魔力が奪える物なのか——————————魔力というものがコピーできないものであると説明できるのであれば、その後の説明は容易にできるだろう。どんな理由があれ、サウザンドジャッカーで《《魔力を持つ資格》》を吸収したことには変わりないのだ。


「さて.........ここで貴方には退場してもらおう——————いや、1つだけ聞いておこう。」
「何?」
「アーク.............いや、滅亡の(方舟)はどこにある?」
「貴様!なぜそれを!———————知っているのであれば、尚更答えるものか!!」
「そうですか.............なら消えろ。」
「ぐっ——————————」


≪JACKING BREAK!≫


奪った魔力———————黒澤天青の目の前に紫の魔法陣が現れ、爆発寸前まで迫る。覚悟を決め................死を受け入れた瞬間に《《助け》》は現れる。


「ごわっ!!」
「————————何?」
「貴様...............!」
「うわぁ———————やっぱり舐めプで通常フォームなんて使うんじゃなかったな..............」



アクションゲーマーレベル2からその攻撃を受けて即変身解除されてしまう伊口才がそこに現れるのだった.................




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





危ねぇ——————もう少しで本気で殺されるところだったな。


皆既知のことではあるが、この小原兆一郎という男は目的のためなら手段は選ばない男だ。殺人など平気にやってのけたことも判明している。鞠莉の食事に毒物紛いのものを飲ませてライブ時の怪我を誘導させたのも、果南の父親に怪我を負わせたのも、稜と果南たちを引き離したのも————————東京の街を自作自演で破壊したのも全てはこいつの仕業だ。


「貴様—————なぜ...............」
「お前に死なれるとダイヤとルビィが悲しむ。俺はAqoursの演出家だ。そんな涙の演出なんて———————スクールアイドルには必要ない。虎太郎、黒澤父を頼む。」
「ああ。ほら行くぞ。」


俺から少し遅れてやってきた虎太郎が怪我をした黒澤父とともに背後に避難する。


「また君ですか.............いくら君たちが足掻こうと内浦が堕ちるという結論は変わらないというのに.............わかりませんか。」
「わかってないのはお前だ!!」
「?」
「何で黒澤父が居なくなることにルビィとダイヤが悲しむかわかるか?」
「愚問ですねぇ——————親鳥が殺された雛は嘆くしか方法がありませんから..................」
「違うな。それは—————————《《愛》》があるからだ。俺たちには善意がある。愛がある。だから誰かが悲しい時に、シェアできる—————————子供への愛なんかないお前には絶対に理解できない奇跡ってやつがあるんだよ。」


≪ハイパームテキ!≫



「今から証明してやる。お前がないって言い張る、愛っていう力をな!!!」









 
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