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他に感想ないのか

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第一章

                他に感想ないのか
 この時羽柴雅美は悩んでいた、それでその悩んでいる理由を夫の友則に話した。
「チケットは四枚あるのよ」
「高級レストランのディナーのだね」
「そうだけれど」
 やや吊り目が印象的な顔で言う、顔の形も狐の様であるが唇は小さく鼻が高い。茶色にした髪をセットし背は高くスタイルはかなりいい。
「うち私達とね」
「喜美代だけだからな」 
 夫は考える顔で言った、卵の様な顔の形で大人しい感じの目で鼻が長い。何処か茄子の下手を思わせる黒い髪の毛で背は妻より少し高い位で痩せている、考える顔で言っている。
「もう一人となると」
「やっぱり私達と親しくて」
「家族同然の人だよ」
「そうなるとね」 
 この条件を満たしているのはとだ、雅美は言った。
「しかも一人となると」
「郁恵だけだな」
 友則は言った。
「俺の妹の」
「ええ、あの娘だけよ」
「じゃあ郁恵誘うか?」
「郁恵ちゃんいい娘でね」
 雅美は難しい顔で語った。
「私達とも仲いいしね」
「喜美代も懐いてるな」
「だからよく一緒にいてね」
「一緒に食べに行くけれどな」
「今回ばかりはね」
「ああ、三つ星だろ」
「ミシェランのね」
「物凄い格だよな」
「日本最高よ」
 こう言っていい位だというのだ。
「もうね」
「フレンチのな」
「そんなのに当たったことだけでも」
「凄いな」
「だからね」
 それでというのだ。
「四人ならね」
「四人で行きたいな」
「それで郁恵ちゃんならね」
「いいな」
「そうなんだけれど」
 本来はというのだ。
「けれどね」
「郁恵は普通のお店には連れて行けてもな」
「今回みたいな」
「最高級とかな」
「そうしたお店にはね」 
 どうにもというのだ。
「連れて行きにくいわね」
「全くだな、しかし他に誰もいないな」
「ええ、だからね」
 雅美は友則に難しい顔で述べた、
「郁恵ちゃんをね」
「誘うか」
「そうしましょう」 
 こう言って実際にだった。 
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