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チートゲーマーへの反抗〜虹と明星〜

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序章
  プロローグ前編〜Love Live【愛に生きる】〜

 
前書き
難しいことがかなり多いかもしれませんが…知ればかなり奥深い作品であると思われます。是非ご覧ください。

まぁ難しければプロローグ2か1話からでも… 

 
遠い昔……いや、そもそも時などなかった。


何もない。何もない。





すると突如として、2人の者が現れた……神と呼ぶに相応しい、神々しい存在。


1人は男――肩が出た仙人のような、ワイルドかつ質素な漆黒の袈裟を纏った黒髪の男神

名をハイパーロード/ムテキといった。


1人は女――プリズムの如く9色に輝く髪とドレスを纏った、9色に変わる瞳を持つ女神 

名をハイパーロード/Aqoursといった。



ハイパーロード/A(Aqours)様の腹にはすでに子がいた……それを父であるハイパーロードM(ムテキ)様はその子を不思議な力をもって解放する。



母から輝く白い髪を、父から黒い瞳をもらった混沌の子……母から唯一抜け出せた子。

名をオーヴァーロード/ユオスといった。


次に母なる神は坐禅に入った父なる神の瞑想を、抱きつくことで読み取る……


そして離れた彼女は108枚の翼を背中に顕現させて……



言った。







『A〜〜〜〜UM』









9色に重なった美声は広がりを見せた。


同時に翼をはためかせ踊る彼女によって宇宙を彩る星々は広まりあっていく。


彼女の言葉を起点に……全ては誕生した。そこから並行する世界も生まれただろう。

これすなわち、存在あるものはすべて彼女の体の一部に過ぎない……宇宙すらその母体の一部に過ぎない。

まさに彼女は原初の海、混沌の母というべき存在。

彼女が生み出した音は、世界を司る48音(よはね)というべきか。



しばらくすると、そこに2柱の天使が現れる……彼らは以前に彼ら至高の神に仕えていた。



その名も空間の天使 アトエルと魂の天使 ディエル……赤い翼と青い翼。

またの名を……ライジングアルティメットクウガとシンスペクター。

空間の我と、魂の罪を洗う者を…こう呼ぶ者もいたそうな。



彼らの出現……それは次元が誕生したから。


宇宙とは1~9次元によって成り立っている。彼らの出現は9次元の誕生を意味していた。


ハイパーロード2人は…神の次元である11次元にで鎮まり、ユオスにに居させて、全ての管理を任せた。



~~~~~~



ハイパーロードAは次の子を身籠った……父なる神はまた子を解放しようとしたが、彼女はそれを拒否した。


『私の子を奪うなんて暴挙はもう許しません!』
『お前の子であるが俺の子でもある。なぜ自由にしてやろうとは思わないのか?』
『我が子であるなら愛を与えようとは思わないの?』
『自由に生きるならそれでいいだろう?お前のやっていることは束縛だ。』
『どうして…そんな言われ方をするの!!』


わがままを言って彼から離れてしまう…もちろん離婚などではない。彼女は9人の心を持つ存在……まさに女心とはこのことである。


彼女は深き慈愛を持ちながら、全てを縛る秩序でもある。その反応はある意味当然である。彼は自由と解放を促す存在の父なる神とは正反対……


創造と破壊……それは束縛と解放でもある。



そして生まれたのは…6枚の羽を持つ子――白い髪を持つ男の天使。


彼は生まれてすぐに立ち上がり……3人が座る玉座に1人座るオーヴァーロード/ユオスに跪き、言う。



「私はミハエル。偉大なる神よ。その蓮華の前にひれ伏します……。」
『あなたを祝福しましょう……』



全能なるユオスは彼に最高の呪術の力、月と時を管理する力を授けた。


その力を使ってミハエルは7〜9次元を常春の楽園へと変える……これをエデンの園という者もいたそうな。




この忠誠を誓う姿を見た父なる神は母なる神に怒った。ところが母神は逆上して彼に言う。


『あなたはすべてのものを孤独にするつもり!?』
『誰かに依存して生きるのは滅びの始まりだ。』
『頼る人がいなければ愛も感じられないわ!そんな地獄を我が子に味合わせるなんて!!あなたは鬼よ!!』
『ならばお前は我が子を縛り付ける蛇だ。』


しかし月の天使ミハエルはかなり自由に近い存在であった……





大喧嘩しながらも、父なる神は母神に双子を身籠らせた。


母なる神は孕んだ愛子を父神に奪われると怯え、一方で怒っていた。

彼女は別に身籠ればすぐに産める。そうはしたくない……愛を与えたいから。



そして生まれた双子。

1人は黒い髪に先端が緑の子。もう1人は……群青とピンクが不規則に入り混じるシニオンの女天使。

すると女天使はすぐさま立ち上がって彼らに主張する。



「私は男だ!!力を寄越せ!!」
『何を言う。お前は女として生まれる運命にある。それを男にしろとは受け入れられん。』
「うるさい!!私はその力で全てを支配するんだ!!」



父神に背いて宇宙を支配しようとした女天使……父は彼女が二重人格であることを全知で見抜いていた。このまま放置しておけばどんなことになるのかも。


彼は妻に与えられた全知の蛇の剣——ナーガスラッシャーで傲慢なる娘の精神を切り分けた。


そして逆らった群青色の天使をオルゴールのような箱に封印した……彼女は恨み【裏身】をもって永遠を彷徨う存在になるだろうと片隅で思いながら。


神は魂だけで心のない2人……特に緑の瞳の子を気に入った。


そして彼に名を与えた……自分と同じ、Uを。



ユエルと……純粋なシニオン女天使、アユムエル。





ユエルにはあらゆる生命を生かす力を、アユムエルには生命を照らす太陽の力を与えた。

母からは愛を一身にうけた彼らは……非常に美しく、その背には12枚の翼を持っていた。

ユオスはかわいいこの2人をミハエルの作った楽園で遊ばせておくことにした。

彼ら2人によって楽園には動植物が溢れかえり、それを照らすように光が差し続ける本当の楽園と化した。






ハイパーロードAは再び女の子を身籠った。

彼女が持つ、歪んだ慈愛の行き過ぎで不浄なる存在が生まれたことに危惧した父は一計を講じる。


生まれた娘……ナンナエルは神ユオスによって星を統括する力を与えられた。

これを受けてハイパーロードMは彼女を青い星 地球へと送り込んだ……思い入れのある星だ。

全ては彼女と……あらゆる生命がより解放された存在となるために。彼女には生命の先導者になってもらおうとしたわけだ。


しかしこの行為に母なる神は怒り狂った。


『あなた自分がしたことを理解しているの!?実の子を捨てるなんて……!!』
『お前の束縛はあまりにも目に余る……それに宇宙に居る限りはお前の手の内だろう?』
『だからこそ!!低次元である者たちは孤独に悩む……それがなぜわからないの!?!?』
『孤独などすぐに忘れる……全ての真理を理解すればな。』
『そのために……あの子にこんな仕打ちを?』
『あぁ……面白そうだろう?』








ハイパーロードAは男女の双子を身籠った……そして生まれたのが、サタエルとリエルという天使。

2人は一対にして完璧な存在……それでいて不完全な存在、互いを相思相愛の小さき者。


特に最後の子……リエルはさらに特別であった。


彼女は母から受け継いだ要素……9つの心を持つ、愛あるが故の非常に脆い天使であった。

オーヴァーロード/ユオスはサタエルに叡智と先見の明を与え、リエルには精神を司る力を与えた。





原初の天使とは異なり、ハイパーロードの2人の血を持ちながら、最高位天使である子どもたち———彼らをエルロードといった。



最後にハイパーロードたちは、意志を持ちながらあらゆる世界を包括する木……世界樹を産み出した。

木の実をセフィロト、木の根をグリフォトと呼ばれる意思のある存在。
この2つはそれぞれ世界のポジティブとネガティブ。両方同じような存在であるが故に、片方なくしてもう片方もない。

これにより世界はより安定的となり、秩序を確立した。





ハイパーロードの2人は残りの創造を子供たちに任せ、自分たちは11次元で悠久の時を過ごすようになった。



〜〜〜〜〜〜



オーヴァーロード/ユオスは、ナンナエルが統括を任された地球に興味を持った。

そこで神はユエルとアユムエルに地球に光を照らし、生命で満ち溢れさせるように頼んだ。


「わかった!!やってみる!!」
「ゆ、ユーちゃん!?」
『アユムエル、君はやってくれるかい?』
「ユーちゃんが言うなら…私やってみる。」
『ではお願いしますよ。』



2人は地球に赴き、神の言う通りに地球を生命溢れる星へと変えた…そこでは生きとし生ける命が試練を与えられ、生を全うする 修行場のような場所であった。

それでいて愛に満ち溢れた…世界。



アユムエルは豊かな土から大きな人形を作り、ユエルがその人形に生命を吹き込んだ……これが人間の誕生であった。


彼らは自分達の子どもとも言える人間たちを甘やかし、様々なものを与えた。時に知恵の天使である弟 サタエルと精神の天使である妹 リエルの協力も得て、次々と地球は豊かになる。


やがて人類は文明を築くようになった……


しかし、父なる神はこの先たどる未来を見て上で我が子5人と原初の天使…最高位天使7人に言った。


『知恵は正しく使えば叡智を得るが、知恵に操られれば欲が生まれる。欲はやがて他者を理由なく縛り、悪に偏る世界となろう。』
「では如何するのですか。」


ミハエルが尋ねる。父なる神は威厳あるエコー声で言い放つ。


『悪が星を包むことがないよう、文明を滅ぼせ。』


非情な命令…しかし天使たちは父神に逆らうことはできない。

父なる神とて悪意ある破壊をしたいわけではない……これが純粋な意志なのだ。




~~~~~



ユエルは父に疑問を抱いた。


世界を…滅ぼす度に自分たちが創造した人間たちを滅ぼさなくてはならないのか。

永遠に栄え、笑顔でいて欲しかった…より人間に慈悲を与えていたかった。

それを癒したのは彼女1人であった。


「ユーちゃん…悲しい顔してるよ?」
「アユム…僕は嫌だ。何で僕たちの愛の子が滅びなくてはいけないの!?」
「でも……」
「神様たちには逆らえない。けど僕らがラッパを吹くたびに、人々は絶望の中で死んでいくんだ……僕たちが……愛する人間たちが……!!」


涙を堪えるも悲嘆に暮れるユエルをアユムエルはそっと抱きしめた。

母なる神の子宮にいた時のように……


「私はユーちゃんの悲しみ…誰よりも分かるよ?」
「アユム———」
「あなたは私にとって…たった1人の運命の相手だもの——」


12枚の翼を持つ彼ら……最も美しい天使長の2人。


彼らは互いを満たすように愛し合った……互いになくてはならない存在。共依存状態……双子の者たちが持ってしまった宿命。

彼らはそれを克服しようとはせず、常にそばにおり、抱き合い、それ以上もした。


神は……全てを知っているというのに。





そんなある時。

2人で楽園を歩いていたアユムエルとユエル……大きな樹 世界樹の大きな影である箱を見つけた。

彼らはキツく、ユオスに言われていることがあった。

『何があっても世界樹の側にある箱を開けてはならない。開ければ宇宙はバランスを失う。』


彼らもそれを恐れ、箱をどこかにしまおうとする——が、声が聞こえた。


【何故恐れる?あなたたちは何故箱を開けない?】


その声に返すようにアユムエルは言った。


「神様は開ければ宇宙のバランスが崩れると言っていました。」
【神はあなた達が真理を知ることを恐れている。だからこの真理を閉じ込めた箱を封じているだけだ。】



真理……神が隠す真理。それを手に入れられれば…永遠の繁栄が訪れるかもしれない。神の目を盗んで愛で世界を満たせるかもしれない……



彼らは……そのパンドラの箱。



神の目を盗み——開いた。




〜〜〜〜〜




彼ら2人は善悪を手に入れた……箱に入っていた、果実を口にして。


天使の長であった彼らはすぐさまこの事実を他の天使達に伝えて、果実を彼らに食べさせていった。その数は天使の3分の1にも及んだ。






そんなある日。

ハイパーロード2人とオーヴァーロード/ユオスが玉座につき、地球にいるナンナエル以外の5人の最高位天使を呼び出し、3玉座の両端に原初の天使を侍らせる。


そして……ハイパーロード/ムテキは言った。


『ユエル、アユムエル。お前たち、開けてはならない封印を解くとは一体どういうつもりだ!?』
「うっ……」


痛いところを突かれたユエルは押し黙る……いや、黙らなくてはならない。ところが——『彼女』は違った。


「父上様!!ユーちゃんは何も悪くありません!!裁くなら私だけにしてください……!」
「言葉に気をつけろ!実の子とはいえ、天使である者が神に要求とは…身の程を弁えろ!!」


彼女達の実の兄 ミハエルが怒鳴る…しかしすぐさまユオスが止めるようにジェスチャーする。そして彼女に優しく声をかける。


『なぜ彼を庇うのですか?』
「私にとって…なくてはならない存在だからです。」
『ほう……では、ユエル。なぜ君は箱を開けたのですか?』
「……僕の愛する人間を……永遠に繁栄して欲しかったからです。」


この言葉を聞いた……全知の母 ハイパーロード/Aqoursは自分の左に座る夫にこう言った。


『彼らを許してあげて…!この子たちは愛ゆえに人間を繁栄して欲しかった、そんな愛ある子を裁くのは笑い草よ?』
『……』


父なる神は中央の玉座から立って我が子に言い放つ。


『お前のやったことは所詮自己満足…人間たちを現世に縛り付けているに過ぎない。愛と束縛を勘違いするな!』
「そんなつもりはありません!!僕はただ……!」
『人が滅びる姿を見たくない…そうだろう?』


神……それも1番力のある最高神には心すらお見通しである。続けて彼はこう言った。


『さらにお前は善悪の知識を叡智と勘違いして、その果実を食べさせた…その果実を食べれば叡智の代わりに自由を失ってしまう……それは俺の意志に反することだ。』


意志に反する……これは神に仕える天使にとって死刑宣告にも等しいものであった。

周りにいる全ての者。特に下級の天使たちが怯え始める——善悪を知った者。


ユエルが……熱り立つ。


「僕は…あなたには従わない。どんな理由があれ破壊が許されていいわけがない!!」


ガヤガヤとしていた下級天使たちが徐々に彼に傾いていく。ある意味……真理であるから。


「人間たちから笑顔を奪うのであれば……ハイパーロード様、貴方だろうと……倒す!!」


ユエルが恐怖を堪えて言い放った言葉。震える手を……握った。


「アユム…!」
「よく頑張ったね……!」


アユムエルは父に反した彼に優しく……優しく。この様子に3分の1の天使たちが——動いた。

しかし……


『なるほど…お前はその女に骨抜きにされたわけか。理由はどうあれ——お前たちの行動は全てに災厄をもたらす。ましてや反逆などもっての外だ。』


怒りをあらわにして近づく父なる神をハイパーロード/Aqoursは諫めた。


『何するつもり!?』
『もはやこの者たちをこの世界に置いておくわけにはいかない。』
『何ですって!?自ら創り出した子を自ら滅ぼすなんて間違ってるわ!!』
『これは……運命だ。』


父なる神が徐々に近づく……そこで2人は言い切った。


「僕は愛がある。彼女への愛はあなたでも砕くことはできない!!!」
「うん……私も!!」



一対の天使たちは自らを生み出した、神々に戦いを挑んだ……





しかし。




絶対神に勝てるはずもなかった—————




〜〜〜〜〜〜





神に歯向かった天使たちは地球【3次元】へと追放された……魂を消していない分、ハイパーロード/ムテキの最後の優しさであっただろう。

いや、むしろハイパーロード/Aqoursの執拗すぎる説得に折れた結果かもしれないが。


ただ……追放されず、岩の牢獄に閉じ込められた者が1人。

父なる神は天啓を与えた。


『【ユエルのことはもう忘れろ。奴にもお前にも自由になって欲しい。】』


この言葉に……アユムエルは怒り狂った。当然といえば当然…永劫の時を過ごした最愛の人物を忘れろと、彼を消した張本人が言い放つのだ。その怒りと悲しみは凄まじいものであった。


「忘れろ!?…なぜ永遠の時間愛し合った彼を忘れるなんてできるものですか!!!」


「ハイパーロード様…なぜ……私を彼と引き離したのです……?あの人がいない世界で生きていくなんて……酷い…どうして……こんな仕打ちを………」


【奴が悪魔だからだよ。】


箱が言った。



【君は神に裏切られたんだよ。未だ絶望に生きる君を見て笑っているだろうね。】
「箱の中……あなたは誰なの?」
【希望だよ…君の。】




災厄を振り撒いた箱の奥……そこに残っていたのは———最も凶悪な絶望【Hope】だった。






〜〜〜〜〜




岩戸は解放された……男女の双子によって。

そう——サタエルとリエルの2人。サタエルはユオスの見る中で、岩戸を管理していた兄 ミハエルと賭けをして、勝利した……その懸賞としての解放だ。

月を騙して……天岩戸を開いた。


「本当に…いいのかな?」
「俺が賭けに勝ったということは神がそれを許したということだ。」
「そうなのかな……」


サタエルの考えは半分当たっていた……そしてリエルの考えもまた。




殺戮の権化が….解き放たれた。





愛ゆえに狂った彼らの物語……果てしなく続く絶望。




神はただ、それを無情にも傍観している。







 
 

 
後書き
AUM=阿吽は実際に世界を創造した言葉ですから。ググってみてください。某宗教団体とは全く持って関係ありません。いい迷惑。

あとハイパーロード様 子作りしすぎ問題。


ちなみに…『』はエコーがかった声を表します。

 
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