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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです

作者:ブラバ
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第6章 英雄感謝祭編
  第26話 戦勝

マカオやワカバを中心に、戦闘に参加しなかった魔導士たちは、住民の救助と誘導を請け負い、首都クロッカスから1㎞ほど離れた街道で首都クロッカスの様子を伺っていた。
赤と青の閃光の衝突時には、力の波動がここにも到達し、閃光が押し合う様子が確認できた。マカオ達フェアリーテイルのメンバーは、青い閃光がアレンのモノであることを即座に理解すると、固唾を呑んで見守った。赤と青が入り乱れる地点では、赤黒い稲妻のような閃光が起こり、マカオ達含め、避難民は恐怖に陥った。
それだけにとどまらず、なんとこの地点にも覆いかぶさるような隕石が空から飛来し、皆はパニックに陥った。マカオ達は、それを制止ながらも自身も恐怖に陥っていたが、なんと隕石が真っ二つに綺麗に割れる様子を見た。間違いなく、アレンの仕業だと感じたマカオは、そこにいるもの全てに「フェアリーテイルのアレンだ!絶対大丈夫だ!」と皆を鼓舞し、落ち着かせる。
隕石は更にまた半分、そのまた半分とどんどん斬られていき、最後には暴風のようなものが隕石の残骸を塵と変えるに至った。
その後、暫く戦闘の様子が伺えなかったクロッカスであったが、衛兵が何人かこちらに走っきて、魔導士及びアレンの勝利を報告したことで、大歓声のもと、首都クロッカスへと足取りを進めた。

アレンによって細かく斬られた隕石は、ヒノエとミノトによって蒸発、もとい消滅することができた。その様子を見て、王城前広場に集まる魔導士たちは、これ以上にない歓声を上げていた。アレンが発動していた結界がゆっくりと解除されていく。
「やったー!!」
「助かったー!!」
レビィとルーシィが抱き合いながら、喜びを分かち合っている。
「あの隕石の破片をすべて滅却、打ち抜くとは…」
「さすがはヒノエとミノトだ!!」
ジェラールとリオンが尊敬の眼差しを向ける。
「あらあら、一番はあの隕石を両断したアレンさんですわ♪」
「はい。ですが、姉さまもとてもかっこよかったです」
ヒノエとミノトは、軽口を叩きながら笑いあっていた。そんな風にしていると、ゆっくりとこっちに向かって歩いてくる男が見えた。その男を確認すると、何人かの女が走って向かっていった。
「おーい、みんな無事…がっ!」
走っていった女たちは、男を押し倒すように抱き着く。
「アレン!無事か!!」
「心配したわっ!」
「隕石を斬るなんて!!」
「さすがだわっ!」
エルザ、ミラ、カグラ、ウルティアが覆いかぶさるように密着する。
「ちょっ!!お前ら…急に何するんだ!」
「またこんなに怪我して!」
「無茶しすぎだゾ!」
ウルとソラノも重なるようにアレンを押しつぶす。
「重い重い!!つぶれるー!!」
そんな風に地面にこんもりと山ができているのを、フェアリーテイルのメンバーがやれやれといった雰囲気で見つめる。
その近くで、様子を見ている女性がいた。昔、アレンと出会い、守りの護符を与えられたミネルバであった。
「ア…アレンさん…」
「お嬢も行ってきたらいいんじゃない?」
「…まるでお饅頭みたいだな…」
お嬢と呼ばれたミネルバの両脇にいる、14歳ほどの男の子二人、スティングとローグがそれぞれ言葉を掛ける。
「な、なにを申すか…じ、自分からなど…」
ミネルバは身体をくねくねさせながら顔を真っ赤にしていた。そんな中、女の山から脱出したアレンは、ため息をつきながらミネルバたちの方へと歩いてきた。
「ったく…お前らは加減ってもんが…」
アレンはそう悪態を付きながらブツブツと呟いた。
「「アレンさん、ご無事で何よりです」」
「おお、ヒノエ姉さん、ミノト姉さん、うまくいってよかったです」
アレンは、ヒノエとミノトと談笑していると、ふと横目にある女性が目に入る。その女性の目を見るが、びっくりしたような表情を浮かべると、すぐに目をそらされてしまった。
アレンはそんな女性をじーっと眺める。
「ん?どうしたんだ?アレン?」
「っ!あ、そういえば…」
エルザとウルティアがそんなアレンの様子をみて、それぞれに声を上げる。
「………ッ!あーっ!!ミ、ミネルバじゃねーか!!」
アレンの言葉を聞いたミネルバは、ピタッと身体の動きを止め、静かに両手を口元へ移動させた。その目尻には、涙が浮かんでいるのが伺えた。
「…ッお、覚えていて…くれたのじゃな」
「当たり前だろ!ひさしぶ…ッ!っておい…」
ミネルバは感極まったといった印象でアレンに抱き着く。その様子を見て、エルザ含め、多くの女性の目元が黒くなり、全身から謎のオーラが発生する。
「…あらあら、さすがはアレンさんですわ♪」
「…はい、姉さま。さすがですね」
ヒノエはおどけながら、ミノトは呆れながら言葉を発していたが、2人からも謎のオーラが少しだけ漏れ出ていた。
そんな2人を差し置いて、エルザとミラがアレンの肩に手を添える。
「…アレン?この女性とはいったいどんな関係なのかしら?」
「私も気になるな…」
黒い何かを含んだような言葉をアレンに向けて放っていた。
「あー、昔に…確か8年くらい前に色々あってな」
「ふーん、色々?一体何があったの?」
「そこんところ、ちょっと詳しく聞きたいねぇ」
ウルティアとカナも参戦する。
「あ、そのわらわは、昔アレンさんに助けてもらったのじゃ…」
ミネルバが代わりに答えると、4人は少し固まった後、ため息をつく。
「ま、そんなことだろうと思ったよ…」
「全く、アレンは見栄えなく人を助けるのだな…わかってはいたが…」
カナとエルザがそう呟くと同時に、ミネルバは一つのお守りをアレンへと見せる。
「わ、わらわ、アレンさんから頂いたこれ、今も大切に身に着けておるぞ…」
「おー、あの時の護符かー」
ミネルバは恥ずかしそうにそれをぎゅっと胸へと抱き寄せる。そんな様子を見て、収まりかけていた闇のオーラが再び発生する。
「ほう?プレゼントか?」
「…随分と親密な関係だな…」
エルザとカグラがずずっとアレンに詰め寄る。
「ちょーっと、あっちでOHANASHIするゾ…」
「情報の共有は大切だからな…」
ソラノとウル含め、4人の女性に引っ張られる。他の女性もその後ろを付いていくように移動する。
「ちょ、おい。何すんだお前ら…や、やめ…あーー!!」
アレンの悲鳴にも似た叫びが、王城前広場を駆け巡る。一部始終を見ていたラクサスと雷神衆が呆れたように口を開く。
「さ、さすがはアレンだな…」
「呆れるほどの惚れさせっぷりね…」
「…あれで本人が気づいてないってのが不思議よね…」
フリード、ビックスロー、エバが小さく呟くと、ラクサスがははっと笑って口を開いた。
「エルザにカグラ、ウルにウルティア、ミラにカナ、ソラノにユキノ、んで、さっきのミネルバって女含めて9人ってとこか?」
「いや、ヒノエにミノトも姉さんとはいえ、アレンのこと男として見てる気がするぜ…。それに最近はウェンディも怪しいから、12人ってところか?」
「ルーシィもなんだかんだ言って怪しくねえか?だから13人だろ」
「…一体どういう生き方をすればそんなことになるのよ…」
ラクサスの言葉に、重ねるようにしてフリード、ビックスロー、エバが再度ため息をつく。
そんな風にアレンの様子を見ていると、王城の方から数十人の集団が走ってくるのが見えた。その先頭の真ん中には緑色の髪を下げ、輝くティアラを頭に乗せた女性がいるのが伺えた。
「おい、あれってまさか…」
「ヒスイ王女か?」
「無事だったんだな…」
ラクサス、フリード、ビックスローが安心したように笑みを浮かべるが、ヒスイの笑顔とその様相に4人の顔から少しずつ笑顔が消えていく。
「アレンさま~っ!!」
「ひ、姫様!!」
「危のうございます…!」
ヒスイの後を、アルカディオスとダートンが追いかけている。
甘い声で、一目散に駆けているヒスイを見る。顔はほんのり赤みを帯び、目尻には涙を浮かべていた。…あれ?なんか、これ、どこかで見たような…。ん?おや?…。
「お、おい…まさかとは思うが…」
「い、いや、さすがにそれは…ないだろ…」
「そ、そうよ、いくらアレンでも、一国の姫を…」
「だ、だよな…ははっ」
ラクサス、フリード、エバ、ビックスローが身体をぴくぴくと震わせて言葉を発する。ヒスイ王女はアレンの傍まで駆けると、周りにいる妖精の女共に構うことなく、思いっきりダイブして抱き着く。…あれ?これって…。
「心配致しましたわ!!アレン様!!!」
「ヒ、ヒスイ王女ッ!?な、なにを…」
ヒスイはこれでもかとアレンに抱き着き、頬をアレンの胸元へと擦り付けている。…アレンを引きずっていた女性陣が、まるで石になったように固まっている。そうして、ヒスイは一頻り頬を擦り付け終えると、抱き着いたままアレンの顔を上目遣いで見つめる。
「ご無事で何よりですわ…///」
後ろからつけてきたアルカディオスとダートンが頭を抱えて呻き声を上げていた。その様子を見たラクサス達4人だけでなく、どの場にいる魔導士や衛兵全員が、目を丸くして黙りこくる。そして、なんとなく理解する。この状況を…。
そして、息を合わせたように、
「「「「「「「「「「えええええええええええええええっっっ!!!!」」」」」」」」」」
と、首都クロッカスに襲来した竜種の、どの咆哮よりも大きな叫び声を、轟音を上げるに至った。

天彗龍バルファルク、並びに竜種の襲来による首都クロッカスでの決戦は、魔導士側の勝利で幕を閉じた。首都クロッカスは、全体の4割の建造物等の被害を出した。
しかし、そんな風に家や建物を失った人々もいる中で、首都クロッカスのその日の夜は、非常に賑やかなものとなっていた。大通りのど真ん中で焚火をしたり、肉を焼いたり、まるでバーべキューのようなことをしている者もいれば、壊れていないテーブルや椅子をかき集め、酒を飲んだりして大騒ぎしていた。中には、涙を浮かべて喜んでいるものも見られた。
大通りや広場を中心とし、まるで宴の様相を見せていた。
さて、そんな様子で大盛り上がりの夜の首都であったが、何やら十数人がテーブルを囲むようにして、真剣な面持ちをしている。
「なぁ…それ、冗談とかじゃないよな?」
「こんなふざけた冗談を言うと思うか?」
アレンの言葉に、エルザがキッと睨みつける様子で口を開いた。
「でも、一国の姫が俺なんかに惚れるなんて、そんなことあり得るんか?」
「まあ、アレンならありえるんじゃない…」
今度はウルティアが口を開く。
「ま、まさかーっ!そんな姫が騎士に助けられて恋するなんて、物語じゃあるまいしっ!ははは…はは…は…」
アレンはこの何とも居心地の悪い空気を打開しようとおどけて見せたが、空気がよくなることはなかった。皆、真剣で怪訝な面持ちであった。
「いっそのこと、嫌いですって言えばいいんじゃない?」
「いや、そんなこと言ってみろ…不敬罪で捕まってしまう」
「じゃあ、好きですっていうのかゾ?」
「そんなことしてOKですってなった日には、えらいことになるだろーが!」
ミラ、カグラ、ソラノ、アレンが淡々と会話を続ける。
「…王族の、姫の権限を使って、アレンを姫直属の騎士に任命される可能性は…」
「ない…とは言えんな…」
ウルの言葉に、カナがため息をつくように答える。
「そ、そんなのダメです!」
「アレンさんと離れてしまうことに…」
ウェンディとユキノが焦ったように声を上げる。
「ア…アレンはそのどう思っているんだ?」
「はぁ?何がだよ」
エルザの急な問いかけに、アレンが聞き返す。
「その、ひ、姫様のこと…」
「どうって…そりゃ綺麗な人ってか可愛い人だとは思うけど、別に何ともおもってねーよ。てか、逆になんか思ってたらそれはそれでやべーだろ」
エルザの質問を理解したアレンは、当たり前のように口を開いた。
「そ、それはそうよね…」
ミラはホッとしながらも、話しを合わせるようにして言葉を発した。
「え、えっと、どちらにしろ、打開策はない…ということですよね?」
ウェンディの言葉に、皆が黙りこくる。
「まあ、さ。もしかしたら俺らの…っていうか、お前らの勘違いってパターンも…」
「「「「「「「「「それは絶対にない!!!!」」」」」」」」」
「あ、ごめんなさい」
アレンがまだワンチャンといったように声を上げたが、9人全員に揃って否定されてしまう。9人はアレンに惚れている、惚れかけているからこそ、先のヒスイの行動と表情を見て、確信していたのだ。
そんな風に会話を繰り広げていると、2人の女性が寄ってくる。
「あらあら、こんなところに集まって密会ですか?」
「怪しさ満天ですね、姉さま」
ヒノエとミノトは、10人がテーブルを囲んで話し込んでいる様子に、興味津々と言った様子で近づいてくる。
「ヒノエ姉さん、ミノト姉さん…」
アレンがそんな2人に声を掛ける。
「話は大体予想がつきます。アレンさん、そして皆さん…私に妙案がありますわ!♪」
「「「「「「「「「本当か!ヒノエ(姉さん)!!!!!」」」」」」」」」
ヒノエの言葉に、皆が、テーブルを叩きながら大声で叫ぶ。そんな様子に、周りの魔導士や住民が何事かと目を向ける。
「姉さま、して、その妙案とは?」
ミノトが催促するように声を掛けると、ヒノエは屈託のない笑顔で答えた。
「アレンさんが、姫様とご結婚してしまえばよいのですよ!!♪」
「「「「「「「「「「なんでそうなる!?」」」」」」」」」」
ヒノエの頓珍漢な案に、ミノトも思わず皆と同じように大声で抗議の声を上げてしまう。
「大事なのはここからです!♪…その後、この場にいる皆さん全員を、アレンさんの妾として…んんっ!ぱぁっ…ちょっとミノト、何をするの~…」
とんでもない発言をかまそうとしているヒノエを、ミノトは口元を抑えながら引きずっていった。
「た、大変失礼いたしました…」
ミノトは、珍しく焦った様子でその場を後にした。
「なんだよ…妙案って言うから期待してたのに…俺が姫様とくっついてもなんの解決にも…って、なんでお前ら顔真っ赤にしてんだよ?」
どうやら、アレンにはヒノエの言わんとしていることが理解できていないのか、呆けた様子で言葉を発した。
しかし、ヒノエが一体何を言おうとしていたのか、先ほど去っていったミノトと9人は理解していた様子であった。

さて、竜種の襲来のあった次の日の朝。宮廷魔導士やウェンディ、蛇姫のシェリアの治癒に加え、アレンのアイテムの活躍により、重傷者も多かったが、日常生活に支障がない程度にまで回復していた。首都クロッカスも、復興に向けて残骸の撤去に勤しんでいる様子であった。
そんな折、今回の戦いに参戦した魔導士たちは、皆が玉座の間で一堂に会していた。玉座の間には、国王、ヒスイ王女が玉座の椅子に腰かけ、アルカディオスにダートンが控えていた。
魔導士たちは、皆片膝をついて頭を垂れていたが、国王の言葉に頭を上げる。それを見届けた後、ヒスイ王女が意を決したように口を開いた。
「この度は、竜の撃退、誠に感謝申し上げます」
ヒスイは両手をぎゅっと握って言葉を続けた。
「そして、私の判断ミスにより、皆さまにお怪我をさせてしまったこと、心からお詫び申し上げます」
そう言うと、ヒスイ王女はじめ、4人が頭を垂れる。そんな様子を見ていた魔導士たちは、口々に「おやめください」と言葉を発している。その状況を見て、他の魔導士たちよりも一歩前に出る形で膝を着いていたマカロフとアレンの2人が声を発した。
「姫様の責任ではありません。すべては、バルファルクの仕業によるもの。どうか、頭を上げていただきたい」
「アレンの言う通りです。差し支えなければ、経緯をお話しいただけますかな?」
ヒスイ達は、その言葉に従うように、ゆっくりと頭を上げ、ことの経緯を説明した。
バルファルクが、世界の破滅、つまるところ三天黒龍の内の2体の復活を阻止する計画を持ち掛けてきたこと。それがオスティウン・ムーンディという世界を繋げる扉を繋げることで、フィニスを発動させることで防ぐことができるという話であったこと。それを実行するには、フィオーレ一族の血を引くものの魔力と、竜を斃せしものの魔力、すなわちアレンの魔力が必要であったこと。しかし、その全てがバルファルクの策略であり、実際にはフィニスというのは世界を破滅へと導くことであったこと。それによって、1万の竜の召喚が為されようとしたこと。しかし、アレンの働きにより、これが10体の召喚で抑え込めたこと。
今回のフィニス計画に関するすべての経緯を、魔導士たちに述べた。それを聞いた魔導士たちは、暫く言葉を失っていたが、一人の女性が小さく口を開いた。
「それならば、アレンの言う通り、ヒスイ姫の責任ではございません。ヒスイ姫は、騙されていただけです」
「ですが、私は世界を破滅へと導く手助けをしてしまいました」
ヒスイの目にうっすらと涙が浮かぶ。
「もう終わったことだ…。言ってたってしょうがねえ」
「っ!おい、ナツ!!」
ナツの敬意のない言葉に、横にいたグレイがツッコミを入れる。
「ナツの言う通りでございます。過去の失敗よりも、これからどうするか、それが大切だと愚行致します」
アレンは真剣な面持ちでヒスイに言い放つ。その瞬間、ヒスイの頬に、赤みが帯びたのが見えた。それを見た魔導士の全員が、思わず口をポカーンと開けて固まる。…やはり、とある皆の予想は的中していたということを確定づける事項であった。
「ア…アレン様…私が実際に扉を開いたことは事実…それに、あなた様を騙し、魔力を奪ってまで…」
ヒスイは、真っ赤な顔で、それでいて申し訳なさそうな表情で口を開いた。
「それも含め、今後どうしていくのか。それが大事なのだと、ナツは言いたいのではないでしょうか?確かに、扉を開いてしまったことで、竜を召喚し、三天黒龍の復活の礎を築いてしまったことは事実。ですが、何の心配もいりません」
アレンの言葉に、その場にいるものが皆、疑問を浮かべるような表情を見せる。
「それは…どういう意味でしょうか?」
ヒスイが小さくアレンに向けて呟く。アレンは、その呟きを聞き終え、魔導士たちがいる工法を振り向く。アレンが急に振り向いたことに驚きを見せるものもいたが、アレンはすぐにヒスイへと向き直り、口を開いた。
「ここにいるものは、皆、あなた様の味方です。例え三天黒龍が現れようと、皆で力を合わせれば必ずや討伐することができます。それに、あなたが為そうとしていたことは、罪などではありません。世界を、人々を想うその気持ちは罪とても尊いもの。それでもあなたが罪だと仰られるのであれば…あなたの心に根付いてしまった罪は、私が必ずや滅して御覧に入れましょう。…あなた様のために。」
アレンは屈託のない笑みをヒスイへと向けた。アレンの言葉を聞き、その場にいるもの全員が驚愕の表情を見せる。魔導士たちの集団の後方にいた男2人が、開いた口を何とか閉じ、小さく呟いた。
「あのバカッ…」
「アレン、あんたって人は…」
ラクサスとフリードが呆れたように頭を抱える。女性陣含め、他の魔導士たちも、呆気に取られていた。
「は…あぁぁ…///わ、わたくしの…ために…///プシューッ!///」
ヒスイはまるで沸騰したかのように顔を真っ赤にして、白い煙を上げて気絶してしまう。
「ッ!姫様!」
「ヒスイッ!」
アルカディオスと国王が、そんなヒスイを介助するように支える。アレンは「え?」と言った様子であったが、この事象を考察する間もなく、全魔導士に衛兵に、怒号のごときツッコミを入れられることになる。
「「「「「「「「「「そういうとこだぞ!!ほんと!!!」」」」」」」」」」
その叫び声は、玉座の間に留まらず、この王城を揺らすほどの轟音となった。
 
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