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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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23話 黒いPlot

 
前書き



仮面ライダーウォズ 変身者 黒地祝(ウォズのこの世界での偽名)

パンチ力 166t
キック力 388t
ジャンプ力 61.6m(ひと跳び)
走力 2.9秒(100m)


能力については基本形態、フューチャーリング共に特に本編と変化なし(ただしこの世界線のウォズはギンガファイナリーを訳あって所有していない。)
 

 



「プロジェクトTRILLION...............一体何を企んでるんだ........?」
「とりおん?何それ?」
「1兆のとかそういう意味のTRILLIONだ。まぁこれは高校生にしてはマイナーかもな。」
「でも何で兆なの?」
「アイツの名前小原兆一郎から取られてるのかもな。」
「すーぐ、100%って言えばいいものを100兆%とか不要な言葉を付け足すからな.............」





他の4人ははもう既に寝てしまっているようだ。まぁ、この真夜中にもなって寧ろ起きていない方が正解だ。こういう危険な話はリーダー格達が話していくべきだと勝手に思っている。特に千歌には、部員管理面から考えても把握してもらいたいものだ。





「千歌、お前は仮にもこのAqoursのリーダーだ。もしもの事態が発生すれば自分だけじゃなく、他のメンバーの命も預かってるってことを忘れるなよ。たとえ俺たちが仮面ライダーであったとしても———————だ。」
「....................わかった。」
「分かったならそれでいい。」
「———————うん!」
「さて..........そういえば千歌何か言いかけてなかったか?」
「え?」
「ほら、怪人退治する前にさ。」
「あっ、そうだった!!旅館の人に聞いたらこの近くに音ノ木坂学院があるって聞いたから、皆で行こうかなって!!」
「「「「え?」」」」
「私一回行ってみたいって思ってたんだ!μ'sが守った学校、μ'sが練習していた学校!!!」
「まぁ、悪くはないな。」
「————————ごめん、私は遠慮しておくわ.............」
「梨子................」





少しばかり影を落とす梨子————————あまり気に掛けてはいなかったが、梨子は元々音ノ木坂から転校してきたのだ。μ'sなどのスクールアイドルを全く持って知らなかった梨子ではある。ただ、転校してきたということはそれ相応の事情があってのことなのだろうか.............





「ごめんね、何か出来てたムードが台無しによね............」
「いや、そんなことないぞ。元はといえば俺たちが勝手に盛り上がってただけだから。こっちこそ嫌な事情があったら何て考えが及ばなかったことは謝るよ。」
「————————音ノ木坂って、伝統的に音楽で有名な高校なの。中学の時ピアノで全国大会行ったせいか、高校では結構期待されてて...........」
「そうだったんだ.............」
「音ノ木坂が嫌いなわけじゃないの。でも期待に応えなきゃって練習ばかりしてて..............でも結局全国大会には行けなかった——————」
「———————期待されるってどんな気持ちなんだろうね。」
「え?」





昔話が終わったところで千歌の急な問いかけに少しばかりたじろぐ梨子。





「沼津から出る時、皆見送りに来てくれたでしょ?皆が来てくれてすごく嬉しかったけど実はちょっぴり怖かった。期待に応えなきゃって、失敗できないぞって。」
「千歌——————」
「ごめんね!全然関係ない話して。」
「——————千歌、1つだけ言っておく。」
「才くん?」
「何があろうとも、《《お前はお前》》だ。」
「———————うん!!」
「梨子も—————だぞ?」
「才君——————ありがとう。」
「別に礼を言われるほどのことじゃないさ。」





彼女達にプレッシャーなんか負わせない。それこそ、最大の敵だ。
期待というものは一種の薬物だ。正しい使い方ならば、それは適度なプロポーションを保つことができるが間違ってものに歪んでしまえば、それは自身を蝕むドラッグと成り得るのだ。





「だから.........今日はもう寝よ?」
「そうだね。明日に備えて!」
「まぁ別に俺は寝なくても大丈夫だけどさ。」
「お前は大丈夫だけど俺たちは寝ない訳にはいかないんだよ............」
「それもそうだな...........」






そう言ってついに寝床についたのであった................俺を除いては。







俺は常に常備してあるアタッシュケースからパソコンを取り出し、起動して早速ライダーアイテムの製作を開始する。複雑なシステム図が入り組むが俺には完璧に捉えられる。





「この調子なら先にこっちのガシャットの方が早く完成しそうだな。それもそうか..........むしろこっちはある程度揃えてからじゃないと完成できなさそうだ。この5本だけの共通点じゃ.........重要なサンプルとは言えない。」





祖父ちゃんもといオーマジオウの元を訪れたのはもう1つの理由があってのことだ。そう———————この《《レジェンドライダーガシャット》》を製作するためのヒントを貰いに来たのだ。オーマジオウなら仮面ライダーの情報全てとその力を持っている。その力の一端を俺のライダーガシャットに保存させてもらった。あとは完成まで待つだけ。完成まであと———————












♪〜〜〜〜〜〜


















「こんな時間に電話とは..............しかも公衆電話って、胡散臭そうだな〜」





とは言っているものの、ひょっとしたら大事な案件かもしれないので電話に出るという選択肢しかどの道残されてはいないのだ。


俺は気怠そうに着信ボタンを押す。





「はい、もしもし?」
『——————止めろ。』
「え?誰だ?」
『俺が誰かなどはどうでもいい。俺の父さんを..........小原兆一郎を止めろ!』
「その声.........しかも父さんって........お前魁か!?」
『ああ。』





魁—————小原鞠莉の弟でサウザーの長男でもある。そして俺たちの間はサウザー同様敵である。でもここで電話をかけて来たと言うことは——————





「止めろって...........そのプロジェクトTRILLIONってやつか?」
『ああ、止めないと.........東京、いやこの日本が!』
「ちょっと待て!!そもそも俺たちはその計画内容を知らないんだよ!」
『俺が今ここで話せば、立場が危うい。そこだけは無理だ。』
「じゃあ何かすらわからないじゃないか!!」
『取り敢えず、お前らの近くで確実に何かが起こる。それを伝えているんだ。深天稜も東京にいるはずだ。』
「稜が?」
『ああ、少なくともそれについては協力してくれるはずだ。』
「知らせてくれることはありがたい。けど何でお前は父親を裏切るんだ?」
『別に裏切ってはいない。だけど、その計画はあまりに犠牲者が多すぎる。そして——————いや、とにかく止めろ!!』
「ちょっ—————」



















電話は既に心停止を知らせていたのであった————————





























































—————※—————























































「ランキング?」
「ああ、どうやら出場するスクールアイドルをネット投票でランキングをつけることになったらしいね..........」
「どうしてそんな重大なことを先に言わなかったんだよ!!」
「だから私は運営に関わっていないのだから、今聞かされたってことを忘れないでくれ。」
「でもランキング上位に入れば一気に有名になるチャンスってことですか?」
「まぁ、そういうことになるね。」
「それで俺たちは何番目だ?」
「Aqoursの出場番号は2番だね...........」
「2番?」
「要は前座ってことね。」
「仕方ないですよ、周りは全部ラブライブの決勝に出場経験があるグループばかりですから。」
「そうずらか.............」
「でもチャンスなんだよ!頑張らなきゃ!!」
「千歌、そうだ。その調子でベストを尽くせ!!」
「うん!!」





俺はそうエールを送ってスタンバイ場所まで誘導する。そこから俺は千歌たち抜きの他の3人と話し始める。





「俺は千歌たちを—————観客席の辺りを警備させてもらう。無論、千歌たちの心のケアも含めてな。」
「分かった。じゃあ俺たちは外を見張ろう。」
「小原兆一郎—————彼は何を企んでいるのか............」
「そんなの関係ねぇ!アイツを見つけたらぶっ倒す。それだけだ!!」
「全く..........君の頭は猿より低能だな。」
「何だと!?」
「君の乱暴さには寝ている最中には苦しめられたよ——————」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ、それに稜が応援に来るかもしれないから。」
「稜が?」
「何でそんなことを知ってるんだい?」
「それは俺からは言えない。それより早く警備に行こう!」
「「「おう」」」





俺は舞台裏に入り、他の3人は会場周りの警備に向かった。


千歌たちは既に着替えており、心の準備を進めている——————-と言ったところだろうか。そして今もう1番目のスクールアイドルが踊っている最中なのだろう。





「梨子ちゃん、緊張してる?」
「まぁ、少しだけね。」
「じゃあ、私と一緒に敬礼!おはヨーソロー!!!」
「おはよーそろー?」
「勇気が出るおまじないだよ♪」
「曜はいつも大事な時はヨーソローだよな〜」
「まぁね!!」
「ルビィちゃん.........」
「やっぱり無理です...........グスン。」
「ルビィ、こういう時こそふんばルビィだぞ?」
「才くん———————!」
「Aqoursの皆さーん!!スタンバイお願いしまーす!!」
「よし!!!」





俺たち7人はライブ準備するためにその司会者に呼ばれる。もうすでに1番目のスクールアイドルは終えているようだが——————!!






「あら?次はAqoursの皆さんですか?」
「あなたは...........スクールアイドルだったんですか?」
「あれ?言ってませんでしたっけ?私はSaint Snow———————鹿角聖良。楽しみにしてますよ。皆さんのライブ———————」
「—————————」
「あなた達にはあるの?」
「は?」






もう1人のSaint Snowが話しかけてくる。性格上、俺は傲慢でナルシストなのか、このような強気な発言にはどうしても反応してしまう。ただここではあくまで軽度の怒りだ。重度の怒りはもっと別にある。





「どういうことだ?」
「あなた達はスクールアイドルをどう思ってるのか、遊びでやってるかって話。スクールアイドルを遊びでやってるなら、とっととこの場所から立ち去りなさい。」
「遊びな訳ねぇだろ。」
「他のメンバーも?本当にハッキリそう言えるの!?」
「それは———————」
「理亞。」
「———————」





無言で立ち去っていった。俺が答えられなかったのは————————最大の恥なのかもしれないな.............



でもAqoursはここで止まる訳にはいかない———————!











































《b》ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!《/b》








































「!?!?!?!?」
「え!?」





ステージに上がりかけであったAqoursメンバーに何か起こる前に防ぐ。その名目でステージのセンターに上がる—————————————蠢くほどの眼鏡が暴れ回るか苦しみだしていた。消え始める者、暴れる者、苦しむ者で溢れかえっていた。





「何なんだこれは.............!」
「ぐわぁぁぁ!!!!」





≪レイドライズ! インベイディングホースシュークラブ!≫





暴れる者は量産型バトルレイダーに、消え始める者はソルティ・リボル・チャーリーとその他三下バグスターに、そして苦しみ出した者は眼鏡からの(?)発煙によってスマッシュへと変貌する。


無論、その眼鏡を掛けていない観客の悲鳴や恐怖の轟音が会場中に鳴り響く。あの明るい司会者ですら、腰を抜かしてその場に硬直するほどだ。





「お前ら、みんなを誘導してやってくれ!なるべくならこの建物から、この街から抜けるように!!」
「わかったけど、逃げるってどこに逃げればいいの!?」
「取り敢えず遠くにだ!!!この怪人達は何とかするけどあまりに数が多すぎる!!!だから一刻も早く、最短距離でだ!!」





俺の呼びかけに応じるようにAqoursのメンバー。これで中にいるスクールアイドルは助かるだろう。あとは観客を非常口に誘導するだけだ。





「皆さん!!とりあえず、最短距離で最速で逃げてください!!!!」
「お前も早く逃げろ!!!」
「え!?あ、はい!!」
「よし——————————!」





≪ハイパームテキ! パッカーン! ハイパームテキエグゼーイド!≫





星の装甲を纏う。助走をつけてからのソルティに飛び蹴りを喰らわせてから、近くにいたストロングスマッシュとレイダーにツインパンチをお見舞いする。



このステージ上かこの観客席で倒すのはあまりに被害が大きすぎる。最悪の場合、この施設がぶっ壊れてしまうかもしれない。

ここでは一気に相当することは不可能だ————————ということで、この怪人達を会場前に誘導しようとする。外に誘導すれば、外でスタンバイしている3人とも合流できる。

Aqoursと他のスクールアイドルや観客のことを心配しながらもよくここまでのメリットを証明的に打ち出せたことに心の片隅では、やはり自分は天才的だと傲慢に自惚れてしまう。


廊下に渦巻いていた三下のバグスター連中をキースラッシャーの飛ぶ斬撃で掃討する。






意外にも廊下から入口までの距離はなかったので、その美しく鏡とも揶揄できそうなガラス戸を一気に突破する。


ガシャンとバリンが同時に聞こえるほどの破壊音が鳴り響く。このガラスの修理費何万円だとか少しばかり考えはしたが、すぐさま心を切り替える。


追ってくる三下バグスターとスマッシュをキースラッシャーのガンモードの2段階強攻撃を放つ。普通のビームガンよりは飛距離が非常に長くなる。だからこのような大量の雑魚にはおすすめの掃討攻撃なのだ。


次は本命のボスバグスター3人が来そうなのでこちらに誘導し、3人と合流しようとしてようとしていた————————————————





















《《闇の波動》》が————————世界を一変させていた。

























































—————※—————















































時はSaint Snowがライブをする前に遡る。











「本当に現れんのか?」
「わからないよ。それに来られた方が困るんだから、スタンバイして損はないでしょ。」
「ああ..............」
『私は来てくれた方が嬉しいんだけれどね。』
「「「!!!!」」」





虎太郎が来られると困ると言った男—————————小原兆一郎は見事にフラグを回収して現れたのである。





「スクールアイドル嫌いなアンタがわざわざ来るような場所じゃないよ。」
「フッ................私は別に嫌いとは言っていない。ただ.............価値がないと言っているだけだ。」
「取り敢えず、君のようなならず者にはお引き取り願うよ。」
「断る——————と言ったら?」
「ここでお前を倒す!!」
「いいだろう!!アークの技術力を見せてやろう.................」
「何?」





取り出したのは———————ガシャコンバグヴァイザー。《《本来》》はバグスターウィルスを散布したり、収納したりするガシャコンウェポンだ。だが————————


ウィルスが解放されたかと思えば...................ピクセル化した体から現れたのは.....................仮面ライダー!?





「何だと?」
「彼らは仮面ライダーダークゴースト、仮面ライダーリュウガ。アークが生み出したダークライダーだ!!!!」
「ダーク?」
「ライダー!?」
「さぁ!!存分に戦いたまえ.....................!」
「うぉ!危ねぇ!!」
「戦うしかないようだね.........!





≪ウェイクアップ! クローズドラゴン!≫





≪ゼツメツEVOLUTION! BREAK HORN!≫





≪ウォズ! アクション!≫





すでに戦闘態勢に入っているダークライダー2人を除いた4人が変身準備をする。特にAqours護衛隊の3人はいつやられてもおかしくないので、その準備を急速にする。





「「「「変身(!)」」」」













≪Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!≫





≪パーフェクトライズ!  When the five horns cross, the golden soldier THOUSER is born. Presented by “OHARA” ≫





≪投影!フューチャータイム! スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!≫





仮面ライダークローズ、ウォズ、そしてクウガ———ライジングマイティフォーム。その3人と敵対する仮面ライダーサウザー。





≪ジカンデスピア!≫





≪ビートクローザー!≫






襲い来るリュウガのソードベントをクローズがビートクローザーで受け止める。その隙を狙ってダークゴーストのガンガンセイバーが斬り込もうとするのを、ジカンデスピアが横から入り押し返される。







クウガはサウザー目掛けて進化したライジングマイティパンチを喰らわせる。続いて横蹴りを————————————が、サウザーの装甲はびくともしていない。ライジングマイティの必殺は歴史上、半径3キロを爆破させ工場1つを吹き飛ばした経験すらある強力な形態。その攻撃を受けてもびくともしないとは...................


それもそのはず、サウザーの装甲の硬度は今のところスペックで上回るムテキでしか破られていない。スペックが上回っていなければ、その装甲のダイレクトアタックは理論上不可能である。





「君は私を倒すのは不可能——————この100兆%進化したこの装甲はな!」
「そんな.............パワーが前より上がってる?」
「私がいつ100兆%力を発揮しているなんて言った..........?私の力はまだ最大値を出し切っていないのだよ!!」
「何—————?」
「ではこちらのターンだ................!」





≪ジャックライズ! JACKING BREAK!≫





ジャックライズで召喚したのは、ウルフ。4匹の狼がクウガの四肢に噛み付いてその体を拘束する。一旦は追い返したものの再び噛みつき、その動きを封じた。


その隙をサウザーが見逃すはずはない。フルボトル——————おそらくはロボットフルボトルであろうそのボトルをサウザンドジャッカーに禁断のライズを行う.............





≪full bottle comfirmed.Ready to break ≫




≪サウザンドライズ! THOUSAND BREAK!≫





ロボットの破壊力を纏ったその漆黒の一撃はタイタンフォームの一撃に匹敵するかそれ以上の力を発揮する。その力はクウガの装甲を抉り、元の人間へと戻してしまうほどだ。





「虎太郎!!」
「虎太郎君——————!」
「ぐっ——————」
「アークの力...........そのパワーを自らが体験してみるといい.............!」
「何?」






サウザーが取り出したのは...............邪悪そうな黒ずんだ石そのもの。それを見ただけで誰しも邪悪を感じてしまうにではないだろうか?



















ドゴォン!!!
















闇を孕んだ石から発せられた闇の光線はそのままクウガの変身者の身を探し当てたかのように襲い掛かる。そして魂が抜けたかのようにその闇石はサラサラと消えてゆく。









その力は一瞬で解放された。闇の力————————究極の闇の力が虎太郎の体を雷撃のように襲い...........その体を蝕む。














クウガのアークルは徐々に侵される——————————邪悪という名の黒に。




















「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
























「素晴らしい......................これがアークが生み出した芸術作品————————























































仮面ライダークウガ ライジングアルティメット——————!」





















-










究極の闇は動き出す...........








――――――――――――――――――――――――――――

■24話 もう何も止まらない

タイトルからして不安しかねぇ................そしてサラッと出されるスペクターの新フォーム。ほんとファンの方は申し訳ないです。

















-
















「ライジングアルティメット——————!」





見たことないクウガ————————そんなものは一眼見れば、一瞬でわかるものだ。ただあのクウガもまた俺はオーマジオウにその姿を映像媒体として見せてもらったことがある。


一説には全てを闇に返す究極の存在。もう一説には正義のために究極の闇を倒す存在。だが、この禍々しいエフェクトからして明らかに前者である——————とは言ったものの、迂闊に攻撃もできない。相手がどのようなパワーを秘めているかよくわからないからである。





「才くーん!!!!皆避難したよー!!!!!」
「———————————!」
「危ない!!伏せろ!!お前ら!!!」





黒い瞳に囚われたクウガは掌から発せられる暗黒の波動を千歌たちに向けて放つ。俺の呼びかけに気づいたAqours6人は危険を察知したようで未然に、その波動を避けることができた。


コイツ—————!虎太郎の意思はないのか!?





「オイ!クウガ!!しっかりしろ!!」
「———————————」





俺はアルティメットクウガを止めようとするが、見事に払われて闇のパンチをお見舞いされる。無論ダメージはないのだが、攻撃の威力が強すぎてノックバックを大きく喰らってしまう。





「ぐっ............やっぱり...............」
「才!何が起こったんだよ!?」
「わからない——————けど、暴走してるってことは確実だ!!」
「その通りだ!!彼は仮面ライダークウガ ライジングアルティメット。アークルの中に秘められているアマダムをアークによって遠隔操作をされるその肉体は極限まで力を高めている!!」
「何だと!?」
「そんなことが——————!」
「さぁ!全てを壊せ!!究極に闇を世にもたらせ!!」
「テメェ!!—————ぐっ!」
「君たちは戦いながら見ているといいさ——————暴徒化した民衆が怪人に変身し、東京を火の海に帰るのをね。」
「東京が?」
「火の海ですって!?」





ウォズとクローズに言い放った一言に千歌と梨子は大きく反応する。それを待っていたと言わんばかりにサウザーは千歌に話しかける。





「そうだ!——————東京を火の海にすることで、復興が行われる。そこで我がオハラエンタープライズがこの日本の復興を支援するという名目で、新しい...........私の理想郷を日本に作るのさ!!」
「そんな下らないことの................そんなことのために!!!お前は観客たちを暴走させて、皆を傷つけたのか!!!」
「多少の犠牲は織り込み済みさ。それは私の計画の実行のために必要なことなのさ。」
「サウザー...................サウザァァァァァァァァァァァ!!!!!!」





俺の怒りはその戦闘スタイルにも現れていた。その怒りを孕んだ左パンチはサウザーの右頬を思い切り吹き飛ばす。それに続いて、握っていたキースラッシャーを持ち直して一撃、一撃と斬撃を喰らわせる。このような殴った後の近接戦法ではアックスモードが活躍の幅を広げる。その切れ味はダイヤモンドすらスパンと切れてしまうかもしれない。




サウザーもサウザンドジャッカーで応戦するが、無意味だ。確かに解析する限りサウザーのスペックは約1.3倍ほど上昇している。つまりは初期値が100兆%ではなく、最大で100兆%ということなんだろう。ということは適合率というものが上昇するほどに力も増すのかもしれない。




だがそんなテクノロジーは俺には通用しない。感情によってその力を増す俺たちの力なら!





「とりゃ!!」
「ぐわぁ!」
「俺は—————!お前を許さない!!!!」
「フン!いいのか?アルティメットクウガをほったらかしにして..........」
「何?——————!!」





アルティメットクウガの暗黒掌波動に千歌たちが襲われようとしていた。俺はクロックアップをも超えるスピードでその暗黒掌波動を受け止める。

これ以上会場に近づくと千歌たちが危ない——————!





「やめろ!!クウガ!!」
「————————」





呼びかけにも応じず、邪悪を纏った拳で俺を殴りつける。大きなノックバックを喰らうが、それを気にせず再びクウガの元に向かう。


サウザーの言っていることが本当ならば、意識がある可能性も十分に考えられる。だが意識があるのだとしたらよりタチが悪い。たとえ虎太郎の意識があったとしても自力で元に戻すことは不可能ということになる————————







〜〜〜〜〜〜〜〜〜







≪シノビ! 投影! フューチャータイム! 誰じゃ?俺じゃ?忍者! フューチャーリングシノビ!シノビ!≫





≪スペシャルチューン!≫




仮面ライダーウォズ フューチャーリングシノビ——————————ジカンデスピアを鎌モードにして、ダークゴーストを追い詰める。


ジカンデスピアの鎌モードは扱いが少しばかり難しい———————が、その扱いに慣れているのか、切れ味は槍よりも素晴らしくよろしい。さらにそのシノビの機動力はダークゴーストのトリッキーな動きにも完璧に捉え、ダメージを与える。


クローズとリュウガではスペック差が大きいのか、リュウガにワンサイドゲームを繰り広げる。リュウガのソードベントをビートクローザーで受け止めてからの蒼炎を纏ったパンチ。そしてビートクローザーでの斬り裂き。
スペシャルチューンに選んだフルボトルはフェニックスフルボトル。その不死の炎は相手の生命力を焼き尽くすかのようだ。





「よし!ウォズ!!一気に決めるぞ!!!」
「ああ。」





≪ヒッパレー! ヒッパレー! ヒッパレー! メガスラッシュ!≫





≪カマシスギ! フィニッシュタイム! 一撃カマー!≫







不死鳥の消えない炎と、忍者の鎌から放たれる強烈なサイクロンが重なる。そう——————端的に言うならば、竜巻炎とも言えるだろうか。


ただの竜巻ではない炎の斬撃を纏った巻物————————それに遭遇した2人のダークライダーは瞬く間にピクセルへと姿を変えた................





「才!」
「才君!」
「クローズ!ウォズ!お前らはサウザーを止めてくれ!!俺はこのクウガを何とかするから!!!」
「了解した———————!」
「任せろ!!」
「君たち如きが100兆%の力に勝てるかな?」
「勝てる勝てないの話じゃねぇんだよ!!」





サウザーはジャックリングを引いて、シャインシステムを起動させてウォズとクローズに攻撃を仕掛ける。クローズは迫りくるシャインクリスタを受けながらごり押しで進む。一方のウォズはシノビの機動力を活かして、サウザーの背後に回るがサウザーの演算処理と動体視力によって躱されてしまう。そのお返しに———————





≪ジャックライズ!≫





「ぐっ——————!」
「仮面ライダーシノビのデータをいただいた..........!はっ!!」
「がっ—————!」
「どけどけどけ!!!」
「脳筋の君にはこれがぴったりだ——————!」





≪JACKING BREAK!≫





先ほどウォズが必殺技として出した竜巻をそのまま、紫色にしたかのような技である。ただ威力はと言うと此方の方が遥かに高い———————!


そのかまいたちのような竜巻に直撃したクローズは体力を大きく削られてしまう。そしてジャックライズの影響で一時的に弱体化しているウォズをクローズ側に蹴り飛ばす。





「これが100兆%の力!ムテキゲーマー抜きの君たちなど敵ではない...............!」
「まさか相手の能力をコピーする力があるとは.....................」
「でもな————————負けられねぇんだよ!!!」
「ほう...........それは魁を打ち負かしたボトルか..........いいだろう。《《後少し》》だが楽しませてくれ!!」
「舐めんな!!」





≪ボトルバーン!! クローズマグマ!≫




≪クローズマグマ! アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!≫






巨大な坩堝からマグマが流れて、八岐の竜が姿を現す。


クローズマグマになったクローズは再び展開されたシャインクリスタを1つ1つを粉々に進む。ジャンプ膝蹴りを喰らわせる。その勢いのままサウザーをタックルで吹き飛ばす。そしてマグマの熱を孕んだ拳でサウザーの鳩尾を殴る。


サウザーもパワーアップを体感できたのかサウザンドジャッカーでクローズを斬り裂く。さらにジャックライズでマンモスの踏み潰し、ホーネットの雷撃、ベアーのブリザードの怒涛の3連撃を喰らわせる。





「流石だが—————100兆%には勝てない。」
「まだだ——————まだ終わってねぇ!!!ウォォォォォォォ!!!!!!」
「どこまで醜く抗うのか...............!」
「ウリァァァァァァァァァァァ!!!!!!」






ボルケニックな一撃一撃はそれだけのエネルギーと重みを伴っている。サウザーにはスペックでは勝っている————————が、サウザーが急に押され始める.................


勢いが増せば増すほど、マグマがほとぼしる。マグマが溢れ出るほどにクローズのパワーは益々と上がっていく。





「スペックが—————上がっているだと!?」
「もう誰にも止められねぇ!!!」
「バカな..........!」





そう才が以前に言っていた通り竜介のハザードレベルは非常に上がりやすい。彼の感受性はそれを助長しているのかもしれない。その力はクローズマグマだからこそ、ハザードレベルが急上昇しているのだろう。


だがサウザーの仮面に隠された顔は変わらない————————!






「まぁ——————じきに全てが変わる.................!」
















憎たらしい《《にやけ》》がその後を予感する——————











〜〜〜〜〜〜〜〜〜



















「お前らこっちだ!」
「逃げてばっかりだけど、一体どこへ向かってるの!?」
「わかんねぇよ!でもあそこで戦ったら、間違いなく会場が崩れ落ちて被害が大きくなっちまう!」
「でもだからってこんな状態を持ってくるのは—————!」
「どこか広いところに..............」





どこか広いところに行って戦況がどうなるかということはない。ただあの会場が破壊されて千歌たちが瓦礫の下敷きになるというのが、大穴だ。そんな可能では1%でもあるならばそれは避けなければならない。さらに広いところならば、たとえ千歌たちが危険に巻き込まれそうになっても状況把握すらできていれば守ることができる。そのメリットだけで十分だ———————


幸いだがアルティメットクウガの追いかけは比較的遅い。アークというのが遠隔操作しているからなのか、どのみちこの7人で逃げることに助力しているのは変わりない。




「もうすぐ万世橋だ!そこなら障害物もないから自由に戦える!」
「じゃあそこまで走って———————!?!?!?」
「才君!!!あれ—————!」











『『『『『『グルゥゥゥゥ!!!!』』』』』










「何で—————こんなに怪人が...............!」












万世橋前の大交差点に溢れかえっていたのは、車でもましてや一般人ですらない—————————怪人。怪人たちの棲家の如く蠢き、喰らい、溢れかえっていた。一般人は居るには居るが、逃げ惑っている。まるであの会場のような———————!!!!!





「東京が危ないって...........こういうことなのか?」
「才くん.............どうすれば...........!」
「—————————————」
「危ない!!」
「きゃっ!!」





アルティメットクウガの暗黒掌波動がAqoursの頭上を通過する。その波動はそのまま直線に進みながら、向こう側にいた怪人を粉砕する。





「あっぶねぇ——————」
「虎太郎くん............」
「何とか正気に戻ってくれればいいんだけど.............」
「いやそれは違う。」
「どういうことずら?」
「おそらくは肉体だけが、他者から操作されている。それも人間ではないものにな。つまり今のアイツは意識はあってもどうにもできないんだ。」
「人間じゃない?操作?意識?何それどーゆーこと?」
「断片的な単語を並べんじゃねぇよ....................」





正直、こんな状況になっても千歌は千歌なのだと内心ホッとする。そしてそれを呆れる梨子に笑って見守る曜。堕天使発言で和ませる善子にジト目の花丸と困り眉のルビィ。全てが俺の大切な人だ。愛おしく、輝かしい。だからこそ——————!





「愛おしい———————お前たちを守らないといけないんだ!!!!」
「「「「「「!!!!!!」」」」」」
「才くん..............」
『いいだろう!!俺も力を貸してやる!!』
「スペクター!!」




スペクターノブナガ魂が周りにいた怪人とアルティメットクウガに向けてガンガンハンドの銃モードで敵を駆除する。もちろんそんな攻撃ではアルティメットは倒れてくれないのだが。





「やっぱりお前も来てたのか!!」
「勘違いするなよ、才。俺はお前らを含め内浦を守りたいだけだ。スクールアイドルを認めたわけじゃない。」
「わかってるよ——————でも、お前とも目的は同じだから協力してくれるってことだよな?」
「ああ、そういうことだ。」
「何か昔みたいだな。俺とお前でよく勇者とか騎士とか役で3人の姫と戦うなんていう遊びもあったな!」
「昔の話だろうが———————!」





スペクターのノブナガ魂は人海戦術対してかなり有利に持ち込める。つまりは蠢く大半のスマッシュやバグスターらの掃討にはうってつけである。


その間に俺はアルティメットクウガの対処を考える。初期値であっても、今現在のムテキゲーマーのスペックの1.5倍以上と遥かに上回っている。これをサウザーが用意したというなら、これほどまでにムテキを封じる作戦にうってつけのものはないだろう。色々解析はしたいのだが、それは落ち着いていないとできない。だから———————!





「変身解除って結論になるが..............」
「ねぇ、才君。変身ってベルトからなんでしょ?じゃあベルトを外せば変身解除できるんじゃない?」
「それはそうだけどクウガはそれができないんだ。クウガのライダーシステムは変身者の意思とかで出現させるもの。だから外せはしない.......................そうか、そういうことか!!!!」
「「?」」
「梨子!お手柄だ!!大事な本質を見落としてたよ!!」
「本質って?」
「クウガのベルトは自由に召喚できるってことは、体内から生成されてるってことを聞かされてた!!つまりベルトを破壊しても大丈夫ってことだよ!!」
「ええ.........それができるの?」
「やらなきゃ何も始まらねぇだろ?」
「それはそうだけど..............」





ベルトの破壊は他のライダーにとっては大きな痛手だ。けど、再生成できるクウガにはそのリスクはない!!つまり奴のスペックと同等以上の力を—————!


俺は頭部に搭載されている黄金のヘアーで黄金の旋風を引き起こす。その余波で、アルティメットクウガ以後の怪人が多少やられてしまったのは今は放っておこう。

それによって俺の体はさらに輝き始める。そうこれこそが秘策————————光の粒子『スパーキングリッター』による全能力の2倍化である。これによって、アルティメットクウガとのスペック勝負では俺が勝っている。


あとはタイミングである。渾身の一撃を相手に喰らわせる機会を————————よし、これで行こう!


ガシャコンキースラッシャーを敢えてクウガに向けて放る。もちろんクウガはそれに反応して掌波動を放つ————————ここで神業。クロックアップ以上の超光速移動で浮いているキースラッシャーをガンモードにしてスローモーションの光弾を放つ。



クロックオーバーしたかのように時間は動き出し、クウガにその光弾は命中する。その砂煙こそ俺の待ち望んでいたもの——————!












≪HYPER CRITICAL SPARKING!!!≫














照準通りベルトに渾身のキックがPERFECT判定が下される。俺の予想通り、ベルトは木っ端微塵に。そして元に戻った虎太郎の体も大きく吹き飛ばされる。





「虎太郎君!!」
「クウガ!大丈夫か!?」
「大丈夫かって.........お前がやったんだろうが。」
「大丈夫そうだけど...........................」
「迷惑かけたな..............合わせる顔がない。」
「いや、悪いのは————————」
「才くん!!上!!上!!」
「え?」
「何だ—————?」
「自衛隊の戦闘機と軍用ヘリ?」
「才!」
「スペクター!」
「この辺の怪人は一掃できた。けどまずいぞ!怪人が東京中に発生しているらしい!!」
「何だって!?」





この騒ぎはこの首都東京にすでに広がっている———————-とてもじゃないけど間に合わない!!自衛隊の爆撃で果たして大丈夫なんだろうか.........?


——————ん?何か上から落ちて——————!
















ドカァン!!!!ドカン!!!!



















「え!?爆弾!?」
「あれ自衛隊のヘリでしょ!?」
「何で市街地を襲うの?」
「間違って落とした————————にしては数が多い............」
「数が多い!?!?!?!?」
「マズい!!!みんな!!あの近くのビルに隠れろ!!!!!!!!!!!」














ドカン!ドカン!ドカン!ドカドカン!!!!!!






























悲劇は何も——————止まらない.......................................... 
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