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最後に訪れた幸せ

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第一章

                最後に訪れた幸せ
 今ここでは保護猫の譲渡会が行われていた、そこに来た人達は家族を募集されている猫達を見てだった。
 それぞれのプロフィールを確認して猫を貰う人もいた、そうして一匹また一匹と家族が出来ていって譲渡会が開かれている場所を後にしたが。
 十二歳の雌猫の幸茶色と白の八割れの彼女だけが残った、その彼女を見てだ。
 譲渡会のボランティアのスタッフ達は心配する顔で話した。
「幸だけが残ってるわね」
「他の子達は家族が出来たのに」
「それでもね」
「幸だけが残って」
「譲渡会は終わるのかしら」
「まだ時間はあるけれど」
 譲渡会を開いているそれはだ。
「けれどね」
「他の子は貰われて」
「幸だけが残っていると」
「心配になるわね」
「幸も幸せになって欲しいけれど」
「誰か家族に迎えてくれないかしら」
「やっぱり」
 スタッフの一人が猫用のケージの中で丸くなっている幸を見て話した。
「お婆さんだからかしら」
「猫で十二歳って言うとね」
「もう結構な歳だしね」
「人間で言うと七十位で」
「実際幸も外見に出ているし」 
 その高齢がだ。
「それじゃあね」
「家族として一緒にいられる時間も短いし」
「お年寄りだから世話も大変で」
「だからかしら」
「幸は迎える人がいないのかしら」
「けれど他の子は迎えてもらったし」
「この子もね」
 スタッフの人達は心から思った、幸も誰かが家族に迎えて欲しいと。他の保護猫だった子達と同じく。 
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