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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです

作者:ブラバ
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第4章 姉妹編
  第16話 加入

アレンが眠りから目を覚ますと、そこには白い天井が広がっていた。その天井は、見慣れた…というには長い期間開けていたが、自分の部屋の寝室であった。
身体を起こし、カーテンを開ける。日は上りかけているが、まだ薄暗い。身を起こし、ゆっくりと歩き始める。どうやら、昨日は色々あったので疲れていたようだ。
「まさか、ヒノエ姉さんとミノト姉さんがこっちの世界に来ているとは…」
アレンはまだ眠気が取れていないためか、覚束ない足取りで階段を降りる。フェアリーテイルにヒノエとミノトが来た昨日、アレンは衝撃的な再開を果たした。その際には、アレンとの関係性やヒノエとミノトについて、ギルドメンバーへ半ば強制的であったが、説明をしたのは記憶に新しい。加えて、ヒノエもミノトもペラペラと余計なことをしゃべるものだから、アレンの心労は計り知れなかった。
そんな風に昨日の出来事を思い出しながら、頭を痛めていたアレンであったが、それはある声によって収束を迎える。
「おはようございます。随分と早いですね。アレン様」
声の主は、ミノトであった。いつもの和服姿に、エプロンをつけている。どうやら、ヒノエのための朝食を作っているようであった。
「おはよう。そういうミノト姉さんも早いじゃないですか」
「私はお姉さまのご飯を作らなくてはならないので。ついでにアレン様のも作っておりますので、もしよろしければお食べになりますか?」
アレンの言葉に、ミノトは淡々と答える。アレンは、ついでかーとも思ったが、ミノトにとっては姉のヒノエが何よりも大切で優先されるべきものである、ということを知っていため、特に気にすることなくダイニングテーブルに腰かける。
「ええ、ありがたく頂きます」
さて、なぜ2人がアレンの家にいるのかというと、端的に、このマグノリアにおいて、2人が泊まる家がなかったからである。フェアリーテイルでの感動?の再会を果たしたアレン、ヒノエ、ミノト。その後、それぞれがなぜこのアースランドと呼ばれる世界にいるのかその経緯を話すという目的で、アレン宅に集まったというのがことの発端であった。アレンはカムラの里の自宅で寝ていたはずが、気付いたら森の中にいたこと。そしてそれは女神なる存在が、三天黒龍という黒竜の討伐を依頼するため、こちらの世界に召喚したためであり、それがカムラの里から急にいなくなった経緯だと説明した。
対して、ヒノエとミノトは、カムラの里から忽然と姿を消したアレンを心配し、1か月たっても帰ってこないことで、里の皆総出で捜索をしていたとのこと。そして、ヒノエとミノトが翡葉の砦からほど近い場所を捜索していた際、ミノトが崖で足を滑らせ、それを助けようとしたヒノエもろとも転げ落ち、気付いたら森の中にいたこと。そして、アレンと同じように女神なる存在の声を聴き、カムラの里がある世界とは違う世界にいること、この世界にアレンもいること、魔法なるものを扱えるようになっていること。それをもって、この世界に来た経緯だと説明した。そして、2人がこの世界に来てからまだ3か月出ることを聞き、どうやらカムラの里のある世界から、この世界に来た際にそれぞれ時間のずれがあることもわかった。
互いが互いの経緯に驚きながらも、とりあえずの目標は、アレンが女神に聞いた話を信じて、三天黒龍を討伐し、カムラの里に帰還することとした。そのために、ヒノエの希望でカムラの里帰還までフェアリーテイルに入るという提案をし、ミノトはあまり乗り気ではなかったが、ヒノエの意思を尊重する形で同じく加入を決めた。そして、それを本日、マカロフに伝える予定とのことであった。
そんな風に昨日の会話を思い出しながら、今後の予定をぼんやりと考えていたアレンは、対面へと座ってきたヒノエによって、その思考を止めることとなった。
「2人とも早いわねー。おはようございます、ミノト、アレンさん♪」
「おはよう。ヒノエ姉さん」
アレンがヒノエの挨拶に返していると、ミノトが朝食をもってくる。
「おはようございます、姉さま。アレン様も、どうぞお召し上がりになってください」
ミノトがヒノエとアレンの朝食をテーブルへとおく。そうして一度キッチンに戻り、自分の朝食を持ってくると、ヒノエの隣に腰かける。
「あら、今日もおいしそうだわ、ミノト♪」
「はい。姉さまのため、このミノト全力でお作りしました」
アレンは久方ぶりに見るそんな2人のやり取りに、少し笑いがこみ上げる。そして、3人で揃っていただきますの挨拶をした後、朝食を食べ始める。
「姉さま。今日はフェアリーテイルへの加入と、家探しをしなくてはなりません」
「あら、私はアレンさんのお家で一緒に暮らしても構いませんよ♪」
「勘弁してください、ヒノエ姉さん」
ミノトがヒノエに今日の予定を話しているの中で、アレンにとって到底承服できない内容が紛れ込んでいたため、会話に割って入る。
「姉さま。それについては、私も賛成できかねます。アレン様はもう立派な男性ですし、やはり、節度は持った方がよろしいかと。それに、フェアリーテイルに加入する予定なのですから、アレン様にはいつでも会えますし、問題はないかと思います」
ミノトは、朝食を頬張りながら、器用に淡々と言葉を発する。アレンはそんなミノトの口から時折ご飯がポロッと落ちているのを見てしまったのだが、見なかったことにした。ふと、カムラの里で2人揃って忍び足で俺の家に侵入してきたことを思い出したが、それについても、そっと蓋をして口を開く。
「さすがミノト姉さん、よくわかっていらっしゃる」
「んー、そうですか?まあ、ミノトがそういうのなら、そうしましょう♪」
「ありがとうございます、姉さま。…ところで、アレン様は本日いかように?」
ミノトはヒノエとの会話に一段落つけると、今度はアレンに声を掛けた。
「俺は、とりあえず2人のフェアリーテイル加入に同行しようかと思います。その後はちょっと作りたいものがあるのでそれに時間を割くといったところですかね」
「あら、それはありがたいですわ♪」
「なるほど。承知いたしました」
アレンの言葉に、ヒノエとミノトは短く答える。そうして食事を済ませた2人は、身支度をすませ、揃ってフェアリーテイルに向かうのであった。

さて、時は昨日に遡り、アレンとヒノエ、ミノトが去った後のフェアリーテイルの酒場。男性陣と一部の女性陣はというと、ヒノエとミノトが去った後でも、2人のことで大盛り上がりであった。
「めちゃめちゃ綺麗な人だったなー」とか、「アレンの女じゃないなら俺にも希望が…」とか、「竜人と人間の間に愛は育めるのか?」とか、「アレンと同じようにフェアリーテイルに入ってくれるのか?」など、それぞれが酒を酌み交わしながら大層ご機嫌な様子であった。
だが、そんな盛り上がりを見せていた酒場であったが、特定の女性陣がテーブルを囲むようにして座っている場所は重苦しい雰囲気に包まれていた。此度の件について、緊急会議が催されていたのだ。
「…すごい、綺麗な人たちだった…ゾ」
「…幼馴染…赤ん坊の頃から…」
「…一緒にお風呂…就寝…」
「…竜人族…120歳…でも見た目は24歳…」
ソラノ、エルザ、カグラ、ミラがまるで呪術を呟くように言葉を発する。ユキノとカナは、呟く気力もない様子で、まるで死んだ魚のような目をして、虚空を見つめていた。
「なーに落ち込んでんだ、皆して」
「まるで廃人ね…」
そんな6人の様子を見かねて、隣のテーブルに座っていたウルとウルティアが声を掛ける。
「…2人はなんとも思わないのか⁉」
「いや、そりゃ驚きはしたけどさ、それだけだよ」
エルザは信じられないといった様子でウルに詰め寄る。
「アレンに、あんなに綺麗な…もはやお母さんと言える存在がいたなんて…しかも、2人も」
「そこよ、そこ。そこが一番大切なんじゃない」
ミラの消え入りそうな声に、ウルティアが反応する。
「…どういう意味だゾ?」
「あのねえ、アレンは赤ん坊の頃から、あの2人に、つまりは育ててもらったわけだ」
「そういう、話しだったな、はは…」
ソラノの問いに、ウルティアは呆れたように答える。それに対し、カグラが思い出すように言葉を続けた。
「全く…あの2人がどう思っているかは別としても、アレンが、母親のようだったその2人に、恋愛感情を抱くと思う?」
ウルの言葉に、6人は「はっ」と何かに気付いたように顔をあげる。
それを見たウルが、思いついたように酒場をキョロキョロと眺める。そして、目当ての男2人を見つけ、声を掛けた。
「リオン、グレイ!あんたら、私と結婚したいと思ったことなんかないよな?」
「はぁ?何言ってんだウル。そんなことあるわけねえだろ」
「ウルは師匠で尊敬もしているが、俺にとっては母親みたいなものだ。そんなことは考えたこともないな」
ウルの問いかけに、グレイとリオンは当たり前だろといった雰囲気で言葉を返す。
「ほらな。エルザだって、親代わりで育ててもらったマスターにそんな感情抱かないだろ?」
ウルとグレイ、リオンの会話を聞いた6人は、「そ、そうね、そうだわ」といったように、少しずつ、正気を取り戻す。
「それに、あの2人がいたからって、アレンが私たちのこと嫌いになるって理由にはならないじゃない。それに…」
ウルティアがさらに宥めるように声を掛ける。そして、含んだように言葉を一度止める。
「あの2人と仲良くなれば、私たちの知らない、アレンの過去を聞き出せるかもしれないわ…ふふ!」
ウルティアはどこか楽しそうにそう呟いた。その言葉に、先ほどまで落ち込んでいた6人に衝撃が走る。そう、6人、いやウルとウルティアを含め、アレンに恋心を抱いている8人は、アレンの過去を、出会う前若しくはフェアリーテイルに加入する前について全く知らないのだ。
「…知りたいと思わない?アレンの過去のこと」
ウルティアのこの言葉を皮切りに、当初暗い雰囲気で進んでいた6人の会議は、ウルとウルティアを含め、8人に増え、どうやってヒノエとミノトと親睦を深め、あわよくばアレンについての話を聞くか、の作戦会議へと変更された。そして、そんなとんでもない会議が繰り広げられているということは、もちろん、アレンが知るよしのないものだった。

さて、時を戻し、朝食を終えたアレン、ヒノエ、ミノトの3人はフェアリーテイルへと向かっていた。時刻は8時を少し回った頃で、まだフェアリーテイルの酒場は人が疎らであった。きちんと見回したわけではないが、カウンターにマスターとミラがいる程度で、いつも通りの、閑散とした朝の酒場であった。
「おお、相変わらず早いのぅ、アレン。お二人さんも、おはよう」
「おう、マスター。それにミラも」
「おはようございます。マカロフさん、ミラさん♪」
「おはようございます」
マスターの挨拶に、アレン、ヒノエ、ミノトが返す。
「お、おはようございます」
そんな3人に対し、ミラは少し緊張した面持ちで、挨拶をした。その緊張は、言わずもがな、ヒノエとミノトに対してである。
「あら、ミラさん、私達に敬語は必要ありませんよ♪」
「ええ、姉さまの言う通りです」
「い、いえ、でも…お2人も敬語ですし…」
ヒノエとミノトの言葉に、ミラは驚いたように困惑する。
「ふふ、私達が敬語なのは、いわば癖のようなもの。どうか、皆さんがアレンさんに接するように、私達にも接して頂けますか?♪」
「姉さまの言う通り、そうして頂けると幸いです」
「そ、それじゃあ、そうしま…するわ」
ミラは少し照れくさそうにしていたが、嬉しそうに語尾を言い換える。そんなミラとの会話をいったん区切り、ヒノエがマカロフに向けて視線を移す。
「それより、今日はマカロフさんにお願いがあって参りました」
「ほう?一体何かね?」
ヒノエは落ち着きを持った声でマカロフに声を掛ける。そして、ミノトと顔を合わせると、2人で同時に言葉を発した。
「「私達を、フェアリーテイルに入れては頂けませんでしょうか?」」
その言葉を聞き、アレンは頷き、マカロフとミラは軽く目を見開く。
「むぅ、もちろん、入るのは問題ないのじゃが、ここは魔導士ギルド。お2人さんは魔法が使えるのかね?」
「「はい、差し支えなく」」
ヒノエとミノトは、息を合わせたように声を上げる。
「そうかそうか。なら、2人の加入を認めよう。して、早速お2人の魔法と実力をしりたいのじゃが…」
「あー、悪いんだが、マスター。二人はこれから家探しをする予定でよ。それが終わってからでもいいか?」
マカロフの言葉に、アレンが口を挟む。
「おお、そうじゃったか。そしたら、家が見つかり落ち着いたらということでよろしいかな?」
「「はい。そのように」」
そうして会話を終わらせると、ヒノエとミノトはフェアリーテイルの酒場から退出していった。その際、アレンが「手伝いましょうか?」とヒノエとミノトに聞いたが、「お気になさらず」とやんわりと断られた。そのため、アレンは家から持ってきた資料のような紙の山をカウンターのテーブルに乗せ、椅子に腰かける。「ふぅ」とため息をつくと、アレンはミラにホットコーヒーを頼んだ。
「アレンよ、あの2人は、とてもよい人柄をしておるの。可愛いし」
「だろ?…てか2人に手を出そうとしてるなら、やめとけ。ありゃ無理だ」
「なんじゃ、アレンよ、お主、振られたのか?」
マカロフとアレンの会話を聞き、ミラが一瞬ビクッと震える。
「はは、そんなわけねーだろ。身体も精神も人間の20前半とはいえ、俺に取っちゃ姉ちゃんみたいなもんだ。そんな感情は持ち合わせてねーよ。ただ、あの2人が数多の男のアプローチを断ってきたのを知ってるから、そう言ったまでだ」
アレンの言葉に、ミラはホッとしたようにため息をつく。そんなミラの様子に疑念を抱いたが、とくに声を掛けるようなことはしなかった。
「それならわしも同じじゃよ。わしより長く生きているとはいえ、孫のラクサスと同じ精神年齢の女子に恋などせぬわ」
「はは、どうだか」「なんじゃとー!」
マカロフとアレンが軽く言い合いをしている様子をミラは笑いながら見守る。そして、用意したコーヒーをアレンに差し出す。
「はい、アレン」
「おお、サンキュー」
差し出されたコーヒーに口をつける。
「ところで、あの2人はどんな魔法を使うの?」
「わしもきになるのう。強いのかね?」
アレンは口に含んだコーヒーを腹へと落とし、答える。
「まあ、それは後でのお楽しみということで。だけど…きっと驚くぜ」
アレンはニヤッと笑いながら、もう一度コーヒーの入ったカップを持ち上げた。

ヒノエとミノトは、3時間ほどで住む家を無事に確保することができた。2人は、マグノリアの街へ来る前、盗賊に襲われている貴族の馬車を助けたことで、1年程度の生活には困らない礼金を貰っていたため、お金についての心配はなかった。フェアリーテイルからすぐのアレンの家、そのすぐ近くに部屋を借りた2人は、フェアリーテイルへと戻った。
酒場に入ると、昼頃ということもあり、先ほどとは比べ物にならない人々でごった返していた。ヒノエとミノトが来たことに気付いたフェアリーテイルのメンバーは、待ってましたと言わんばかりに、二人に声を掛ける。どうやら、美人姉妹を拝めたことに加え、これから2人の実力を見れると知って、興奮しているようだった。
「おっ!ヒノエ!ミノト!俺と勝負しようぜ!!」
そんなヒノエとミノトに、ナツが食って掛かる。
「ばか、やめとけ、お前じゃ勝てねーよナツ」
「なんだと!!」
そんなナツを、アレンが呆れた様子で制止する。
「ふふっ!元気で可愛らしい男の子ですね!♪」
「はい、姉さま。髪の毛がとてもツンツンしてます」
ヒノエはそんなナツの頭をくしゃくしゃと撫でる。それを見た男性陣がナツに嫉妬の目を向けた。当の本人であるナツも、「な、なにすんだよ!」とはいうものの、どこか悪い気はしていない様子であった。
「家は無事に見つかったのか?」
「はい。アレンさんのご自宅から歩いて1分程度のところですわ」
「近くの物件を選びました」
アレンの言葉にヒノエとミノトが返答するが、その内容に特定の女性陣の方がピクッと動いたことは言うまでもない。
「そしたら、お2人の魔法と実力を見せてもらおうかの?」
「はい!そういうお約束でしたね!♪」
「しかし、どのように?」
マカロフがそんな二人に声を掛ける。
「アレンよ。お主が決めてよいぞ。誰を充てるか」
マカロフは、2人の実力を知っているであろうアレンに、対戦相手の人選を任せた。
「おう…そうだな…じゃあ、エルザがヒノエ姉さんと、ラクサスがミノト姉さんと、やってもらおうかな」
その提案に、ギルド全体が驚愕の声を上げる。
「おい!アレンッ!いくら何でもあんなに美人な姉妹にそんないかれた奴らぶつけるのかよ!」
「可哀そうじゃねーか!怪我したらどうすんだ!」
マカオとワカバが、ここぞとばかりにアレンに物申す。
「おい…いかれた奴らとはどういう意味だ…ラクサスと一緒にするな!!」
「突っ込むとこそこかよ…」
名指しされたエルザとラクサスがそれぞれ声を上げた。
「むぅ…それでよいのか?アレン?」
マカロフが驚いたように声を掛ける。
「アレン、あんたの姉さんだからって、やるからには手加減しねーぞ?」
「ラクサスに同じくだ、ケガしても知らんぞ?」
ラクサスとエルザが、マカロフと同じように抗議の声を上げる。だが、そんな声を浴びせられたアレンはというと、
「ははっ!大丈夫だよ!」
そういって、ラクサスとエルザへと視線を向け、挑発的な表情を見せる。
「怪我を心配するのは…お前たち2人の方だからよ」
その言葉に、ギルド内が驚きに包まれる。ラクサスもエルザも、S級魔導士であり、実力は聖十大魔道士に肉薄するほどの実力を持っている。そんな二人に対し、ケガをするのはお前の方だ、と言わしめたアレンの発言には、お前らより、美人姉妹の方が上だと言われていることと同義であったからだ。
「はっ!上等じゃねえか!!」
「面白くなってきたな…」
そんなアレンの言葉を聞き、ラクサスとエルザは血を滾らせ、魔力を漏らす。そんな様子を見ていたヒノエがくすっと笑う。
「あらあら、これは中々の強者ですわね、ミノト」
「はい、姉さま。このお二方であれば、上位ハンターも夢ではないかと」
ラクサスとエルザの威圧に、全く動じていない姉妹に、フェアリーテイルのメンバーは、目を見開く。
「おいおい、もしかして、そんなに強いのか?あの姉妹…」
「にわかには信じがたいな…」
グレイとリオンが呟くように声を発した。
「なんだよ!俺じゃないのかよ!…でも、なんかすげー面白くなってきたぞ…」
「一体、そんな魔法を使うのかしら?」
ナツとルーシィも興味津々と言った様子で興奮していた。
「よし、いいじゃろう!アレンがそういうのであれば、疑いはせんわ!では、ギルド裏に移動するとするかの」
マカロフの言葉を皮切りに、皆がギルドの裏の、広大な敷地に移動することとなった。 
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