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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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7話 全てがPossible

 
前書き
あらすじ紹介は不定期です。 

 

「これでよし!!」
「それにしてもまさか本当に承認されるなんてね。」
「部員足りないのね〜」

前回の一件を乗り越えて….部室を文字通り獲得した。
与えられる物と勝ち取るものとでは価値が違うのはいうまでもない。

そんな意味を込めての部員不足無視の設立許可かもしれない。

そして今….俺と竜介先生、そしてまだ入るとも言っていない虎太郎がAqoursの3人に召集されている。



「理事長がいいって言うんだから、いいんじゃない?」
「いいって言うか........ノリノリだったけどね。」
「でも、どうして理事長は私たちの肩を持ってくれるのかしら?」
「さぁ?スクールアイドルが好きなんじゃない?」
「それだけじゃ承認してくれないだろ。」
「とにかく入ろうよ!」


千歌の持つ鍵で開けた部屋。ここがスクールアイドル部の部室となるのだ。

—————にしてはちょっと狭いような........うっ!


入れば吐き気がするほどの散らかり部屋が俺の前にはあった。埃っぽいのもあるがこの殺風景では嫌な感じしかしない。

千歌が早速気色悪さから、声を上げる。


「うわー!」
「片付けて使えって言ってたけど........」
「これ全部!?」
「酷い部屋だな.......」
「全く、こんな殺風景な部室がスクールアイドル部の部室だって?————滑稽だな。」
「虎太郎くん!—————竜介先生も!」
「いやぁ〜悪い。虎太郎の入部の手続きしてたら遅れちまってな。」
「マネージャーの仕事を危うく1人でやらされるところだったぜ。」
「早いところ片付けちゃおう————————ん?」



千歌がふとした瞬間に気付いたホワイトボードに書かれた文字。長い年月が経ったのか、既に古ぼけてしまっている。


—————そして今、ルビィが小動物にように走り去っていったことを俺は捉えている!


「何か書いてある.........」
「歌詞かな.......?」
「どうしてここに?」
「わからない..........それにしても、本が沢山あるね。」
「それ、図書館の本じゃないのか?」
「図書室?」
「多分な。それから先に返しに行こう。ということで、お掃除よろしくな。————仮面ライダークウガとクローズさん。」


俺はAqours3人を連れ…..ずらかる。


「おい待てって!——————逃げ足早いな........」
「............俺たちで片付けるしかないみたいですね。」
「ったく、仕方ないな.........」


逃げるのも作戦の内だということ。これはゲームの基本だぜ。


————※————


「やっぱり!部室できてた!スクールアイドル部承認されたんだよ!」
「良かったね〜」
「うん!————またライブ見られるんだ.........」


図書室に戻っていたルビィ——その嬉しさを花丸に伝える。マルは微笑のまま彼女の嬉しさを共有している…..


そんな….一瞬。


『その愛を…世界にしろしめせ。』


……?


ルビィは花丸に視線を向ける。

「今の…聞こえた?」
「うん。仏様の声….かな?」
「まさか〜」

受け流してしまう2人。

そんなところに————彼らは現れる。





「「え!?」」
「ピィ!!」
「こんにちは〜—————あっ!花丸ちゃん!.........と、ルビィちゃん!」

ルビィは発見と共に、特殊な発声をする……相変わらず個性強めだな。

「ピギャァ!」
「よくわかったね〜」
「てか、さっき部室覗いてくれてたからな。」
「ええ!?そうだったの?————それは私も知らなかった.......」

ま、光速の俺なら問題ナッシング。

「こ、こんにちは.......」
「かわい〜!」
「花丸、これって図書室の本じゃないか?」
「—————あ、多分そうです。ありがとうございま

「スクールアイドル部へようこそ!!」




花丸の言葉を遮る形で話し始める千歌。話の内容は勿論、勧誘なんだろう。

————こんな先輩はハタ迷惑ったらありゃしない。


「結成したし、部にもなったし、絶対悪いようにはしませんよ〜」
「顔が不審さを隠しきれない不審者みたいだぞ。」
「その例えもよくわからないような.......」

所詮人間には理解できないか……これがIQ測定不能です。

「2人が歌ったら絶対キラキラする!間違いない!」
「で、でも.......」
「お、オラ.......」
「オラ?」


咄嗟に出てしまった方言的な一人称をすぐさま訂正する花丸。


「あ!いえ、マルそういうのは苦手っていうか......」
「ル、ルビィも..........」

流石にここまでと判断した俺は千歌を引き留め、それに梨子も乗る。


「千歌、あんまり強引に迫るとかわいそうだぞ。」
「そうよ、まだ入学したばかりの1年生なんだし。」
「そ、そうだよね........可愛いからつい.......」
「千歌ちゃん、そろそろ練習。」
「あ、そっか。じゃあね。」


俺たち2年生組は図書室を後にした.........俺を除いては。


「スクールアイドルか.........」
「やりたいんじゃないの?」
「へっ、でも.........」

俺は出て行くと見せかけて彼女たちをといただす。

「どうやら..........訳ありっぽいな。色々と。」
「才先輩!————どうして.........」
「黒澤......ルビィだったよな、お前の名字。」
「え!?————え、あ、はい。そうです。」
「千歌たちから聞いたけど、お姉さんは黒澤ダイヤ————だよな?」

俺の意図せぬ威圧感にルビィは渋々答える。


「はい...........」
「じゃあ、入り辛くても仕方ないな.........」
「でもお姉ちゃんは!」

俺の言葉を遮るように発せられた声———たとえ身体や主張は弱くとも、意志は強い。

それがこの女か……

俺はその勇気に免じて主張を下支えする。


「————スクールアイドル嫌いにも事情があるってことか?」
「いや.........その.........」
「場所を変えよう。ここじゃ分が悪い。」



俺はルビィと花丸を連れて、浦の星の敷地から出てバス停留所までやってきた。

ルビィと花丸は防波堤の上に座って、俺と対面する形になった。


ルビィは姉の事情を話していく。



「ダイヤが?」
「うん。昔はスクールアイドル大好きだっだんだけど—————一緒にμ'sの真似して、歌ったりしてた。でも———高校に入ってしばらく経った頃にスクールアイドルは観たくないって........」

理解と意外が入り混じる声が花丸から発せられる。


「そうだったんだ.......」
「花丸も知らなかったのか?」
「はい......ダイヤさんがスクールアイドル嫌いなのは知ってましたけど......」

しかし——ルビィは唇を噛み締めつつも言う。

「————本当はね、ルビィも嫌いにならなきゃいけないの。」
「どうして————そんなこと言うんだ?」
「だって、お姉ちゃんが嫌いなものルビィが好きでいられないよ!————それに、花丸ちゃんは興味ないの?スクールアイドル。」
「マル?ないない!運動苦手だし、オラとか言っちゃうし........」


影を落とすように夢も落としているように見える2人。普通ならば、ここで何も声をかけられずに終わるのだろう。

—————でも、彼女たちは違う。何か持ってる。心の奥にある闘志を夢を諦めるのだけは、俺は嫌だ。


夢のままで終わらせれば、それは今までの俺たちと同じじゃないか—————


「勝手に決めつけんなよ!!!!!」
「ピギィ!!!」
「ズラ!!?」
「自分を貶めて、他人の好き嫌いで自分を決めつけんなよ!!!!!」
「才........くん.........」




これは俺のエゴかもしれない。押し付けかもしれない。それでもいい。自由に生きるのが人間として最も正しい……素晴らしい生き方だから。

だから——俺は彼女たちに自分のエゴを突き通して欲しい。



俺は詫びと同時に言う。




「ごめん。つい熱くなっちまった。でも、自分の道は自分で決めろ。他人とか方言とかそんなの関係なしに、自分で決めてこそ価値があるんだ。」





それで彼女たちに嫌われてもいい。ただ偽の願望で自分を傷つけるのなんか、あってなるものか。



俺はその課題だけを残して、2人の前から去った——




—————※—————


淡島神社————千歌たちはここでμ'sの練習オマージュである階段上りを行うそうだ。だが、虎太郎曰くμ'sのオマージュどころかそれを超える急勾配であるそうだ。


スクールアイドル3人だけが走るのも不平等、いろんな事情もあって俺や竜介先生、虎太郎も走っている。


実際千歌たちは頂上に登り切る前にヘトヘトで倒れていた。

それを後から追っていた俺や虎太郎、竜介先生が追い越す形となった。



「それにしてもこんなに長いなんて.......」
「こんなの毎日登ってたら体がもたないわ.........」
「でもμ'sが階段を.......」

μ'sもやっていたから……千歌が言う論理は、近くでそれを見てきたであろう虎太郎が根底から覆す。

「神田明神の男坂だろ?こんなに階段は長くないと思うぞ。」
「ええ〜!先に言ってよ〜」

落胆する千歌。それを他所目に、曜は俺に不思議そうな顔を向ける。

「それにしても、才君全然疲れてなさそうだね。」
「確かに........息切れも汗すら出てないな........」
「オールマイティな才くんでもいくらなんでも化け物だよ〜」
「でも竜介先生は追い越してっただろ?」
「だけど、汗とか呼吸は忘れてなかった。それにお前は最初から50メートル走並みに全速力だったぞ。」
「そうか?結構手加減した方だったんだけどな........てか、お前もついて来てる割りにはクールすぎるだろ。」



実際全速力ということでもなかったのだが、たとえそうでなくても疲労は付き物だが—————俺の体に何が起こってるって言うんだ?


そう会話していると……人影が1つ。



「あっ、千歌!」
「果南ちゃん!」

果南——毎日、

「みんな揃って—————そっちの子は?」
「ああ、果南。紹介するよ。—————矢澤虎太郎。東京の友達だったんだけど訳あって、浦の星の男子生徒第二号になったんだ。」
「ふーん、よろしくね。」
「宜しく御願いします。」

愛想笑いもしない徹底的な無感情さが彼の美形さを際立たせる……果南惚れるなよ?


「んな訳ないじゃん。それに—————昔から近くにいるし(小声)」
「いや心読むのやめてもろて。」

心を読むのをお構いなしに、千歌は彼女に尋ねる。


「それより上まで走って行ったの!?————てことは、竜介先生とすれ違った?」
「その人なら多分すれ違ったんじゃないかな?————この坂登る人なんて珍しいし。」
「珍しい……ってことは果南ちゃん毎日登ってるの!?」
「まぁね————千歌たちこそどうしたの急に?」
「鍛えなきゃって........ほら!スクールアイドルで!」

スクールアイドル………その言葉を聞いた瞬間、果南の心の芯の暖かさが一気に冷たいものへと切り替わるのがよくわかった。

それを押し殺し、話を伸ばす。


「そっか————まぁ、せいぜい頑張りなよ。」
「息ひとつ切れてない........ほら、やっぱり俺だけじゃねぇって!」
「でも汗はかいてたよ!全速力でもない!」
「完膚なきまでに化け物扱いかよ俺は.........」



やっぱり影を落としていった。スクールアイドルの話を持ち出せば—————彼女もダイヤと同じ3年生だ。彼女たちに何か関係があるのか.......?



—————※—————



「ひと汗書いた後のスポーツドリンクは最高だぜ〜!」

俺の広い家……そんなプライベートであるはずのこの場所に———ぐびぐびと礼儀知らずの男が1人。


「何で教師が生徒の家にズカズカと上がってるんだ—————?」
「ああ、言い忘れてたけど今日から俺もここで居候させてもらうことになったから宜しく。」
「はぁ!?—————いやいやいや、自分の家に帰れよ!」
「それがさ————口座からの家賃の引き落とし方が分かんなくて放置してたら、追い出されてな.........という訳で宜しくな!」

ふざけんな……大の大人が家賃の引き落としの方法が分からないだと!?———この人よく今まで生きてこられたな………同級生に同情するよ。


「虎太郎は知ってるんですか?」
「知ってるの何も虎太郎が提案してきたんだから。空き部屋がいくつもあるからって。」
「アイツ知らぬ間に......内浦に来てまだ1週間しか経ってないくせに———」
「堅いこと言うなって。仮面ライダーの役目を果たすには、3人一緒にいた方が出動しやすいだろ?この家にはその腕時計と同じアラームが付いてんだから。」
「—————なんか、上手く丸め込まれてる気がするなぁ........」


竜介先生が住むことに抵抗があるわけではないので、住むことはなんだかんだで許可してしまった。でも、先生の言う通り3人のライダーが一緒にいることはメリットである。スクールアイドル部の予定についても、話し合うことができる点でもだ。

それに—————

「謎の仮面ライダーのことも虎太郎から聞いた。—————お前も知らないのか?」
「ああ。————俺たちの知らない秘密がこの町にはあるのかもしれない。」
「秘密?」

竜介が聞き返す。

「彼はアークの意志とか言ってた。意志ってことは、アークという名の人間又は仮面ライダーがいるか、もしくは.........意志そのものかも。」
「秘密ね.........」

竜介は意味深な顔で考え込む……

俺はつい思いついた話を尋ねてみる。

「—————前々から気になってたんですけど、竜介先生って何でこの学校に赴任したんですか?教師になるならわざわざ女子校でなくても........」
「それがさ、もともと俺が内浦出身ってのもあるんだけここの学校は異様に給料が良かったんだ。経営側のアピールもあってそれで.......」
「————疑いたくはないけど、ここ最近の怪人の出現は全て新学期になってから。それも竜介先生が赴任した学期に。そしてちょうど、鞠莉がやって来た。」
「おい、理事長を疑ってるのか?」
「現時点では確定はできない————それ以外にも何かあるかもしれない。」
「そうか.......」

話が一段階落ち着いたところで俺は時計を見て、時間を確認する。


「————やべ、もうこんな時間か.......ちょっと市街地に用があるので、留守番頼みます。」
「おう。」




沼津までは走って行けば、10分ちょっとで着く—————そう考えながら、足を動かして行った。



————※————




「千歌たちに頼まれてた買い出しもしなきゃな———全く、自分で買いに行けばいいものを.........」



俺だって暇じゃないんだぜ?ゲームとかゲームとかゲームとかしなきゃいけないんだよ—————暇じゃねぇかとか言うんじゃありません。


スクールアイドルの本の購入はどうやら参考書的な扱いであるから部費から捻出されるそうだ————まぁ、出資してるのは小原家だからな。


そんなことを考えていたら御目当ての本屋に着いていた。


早速、スクールアイドル特集の本棚の捜索を始める。



「スクールアイドル、スクールアイドル——————ん?」





スクールアイドル特集の本棚を発見した—————だが、俺は国木田花丸。彼女も見つけた。彼女にしたら見つかってしまっただろうか。

彼女も1メートルほど離れた俺の気配を感知したのか、挙動不審になっていた。




「ま、才君!?」
「よっ、奇遇だな。————やっぱりお前もスクールアイドルが........」
「い、いえ!大々的に特集されてたから見に来ただけで..........」
「そうか、重ねて言うがさっきはあんな言い方して悪かったな。でも」






『グゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!』
「「!?」」




























すごく大事なことを言おうとしていたのに、物の怪の唸り声によってかき消されてしまった。————ほんと、怪人ってのはいつでもどこでも現れるんだな。

幸い、近くにいるのはライダーのことを把握している花丸だ。変身してもなんら問題はない。————危険に巻き込むことに繋がってしまうんだろうが。




「キャアアアア!!!!!」



逃げ惑う悲鳴を掻き分けながら、見てみれば案外近くまで来てしまっていた。
複数の緑のサナギと灰と山吹の装甲が顕現した。


「仮面ライダーカブトのワーム、ウカワームか。————たまにはハイパームテキを使わないでおこうかな。」


≪マイティアクションX! ゲキトツロボッツ!≫


ゲームエリアが当たり一杯に広がり、エナジーアイテムと茶色いブロックが配置されていく。—————この感覚は久しぶりだな。



「さーて、大・大・大変身!!」



≪ガシャット!ガチャーン! レベルアップ!≫


≪マイティアクションX! アガッチャ!≫


≪ぶっ飛ばせ!突撃!激突パンチ! ゲキトツロボッツ!≫




何処からか現れたロボットに頭を齧られたかと思うと、分解を始め、やがてマイティの等身大ボディに装着される。左腕には特大の豪腕ロケットを忘れずに。—————仮面ライダーエグゼイド ロボッツアクションゲーマーレベル3




「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」




掛け声と同時に襲いくるワームを挨拶がわりにロケットアームを発射する。

このロケットアームだけはパンチ力50トン超えという破格の数値である。ということで、挨拶に命中したワーム数体は木っ端微塵となった。

それでも全てが消滅したわけではない。
サナギ体の繰り出す単調なパンチを受け止める。そして左ストレート。

だが、いくら数が居ようともこのサナギ体は単調な攻撃を繰り出すことしかできないのだ。つまりは戦う前から勝敗など決まっている。

肝心なのは、いかに短期決戦で終わらせるかだ。




「天才ゲーマーの力、魅せてやるぜ!」





≪鋼鉄化! マッスル化! マッスル化!≫


3つのエナジーアイテムを組み合わせることで最強のロケットパンチが完成する。—————そして......


≪GEKITOTSU CRITICAL STRIKE!≫


ロケットアームを思いっきりワームたちに放つ。マッスル化を重ね掛けされた豪腕は鋼鉄化によってより強力なものとなっている。

ロケットはワームたちをボウリングのピンのように倒していき、ボスキャラのウカワームまで到達した。

判定はGREATだった。これだけでは物足りないので、俺が二重に左パンチをすることでPERFECTが達成され————







ガキン!









突如として俺の背中を斬撃を襲う。そして続く攻撃の嵐は20連撃を迎えるまで続いてしまった。そこでようやく距離を取れたからでもある。















「何だこれ...........そうか、クロックアップか!」





俺としたことが完全にこの要素を見失っていた。
クロックアップは光速度より早く動くタキオン粒子を駆け巡らせることで時間に干渉するスピードで動ける。



この速さで距離を取られたら、間違いなく犠牲が出る。何とか攻略の糸口を........いくらハイパームテキとはいえ、クロックアップほどのスピードを出すことは..........いや!





「才君!」
「花丸—————お前はそこで見てろ。俺が証明してやる。できるかなんて関係ない。やるかやらないかだってことをな!」
「?」



カッコいいこと言っているが、正直最初から舐めプなんてしなければここまで窮地に立たされなかったのかもしれないけど。


≪ハイパームテキ!≫


≪マキシマムガシャット! ガチャーン!≫




「ハイパー大変身!!」


≪ドッキーング! パッカーン! ムー!テー!キー!≫


≪ハイパームテキエグゼーイド!≫


マキシマムボディに収納されたかと思うと、即座に吹き飛んで黄金の等身大が現れる。

≪ガシャコンキースラッシャー!≫




「まずは—————体験だ!」


ウカワームの射程圏内に自ら入る。予想通り、背後から巨大なハサミでの斬撃を喰らう。—————そう、この機能は『ムテキ』でないと意味がない。


「今だ…!」

ショートワープでクロックアップするウカワームの目の前に通せんぼすると一緒に、ブレードモードの一撃を喰らわせる。

一撃喰らったくらいじゃなかなか倒れてくれない。でも————



「お前のスピードは《もうお前だけのものじゃないぜ》」


見える。クロックアップのスピードは既に俺の視認できるスピードへと変わっていた。視認できるどころか少しばかり遅くすら見えた。つまり————


≪ス・パ・パ・パーン!≫



元より遅く見えるワームをキーを2回ほど叩いたアックスモードで切り刻んでいく。さらに3回叩いて強攻撃。怯んだところに追い討ちの蹴り。


「わぁ!?————何が起こったずら?」



花丸の話が聞こえるあたり、元の時間軸へ戻ったのだろう。

さぁ——————フィニッシュの時間だ!



≪ガシャット! ガシャット! キメワザ!≫



今日初めて使ったゲキトツロボッツとマイティアクションXの2本をキースラッシャーに挿す。ここは俺のこだわりが発動したところでもある。



≪ズ・キュ・キュ・キューン!≫



キースラッシャーをガンモードにして、技がより正確に決まるよう照準を合わせる。—————狙いが決まった瞬間にトリガーを引く!




≪ACTION! ROBOTS! CRITICAL FINISH!≫




赤色の光弾。ロボットアームの必殺パンチと同等以上の威力にマイティアクションXの力が加わっている。


逃げる隙もなく、爆散。  見事PERFECTを掴み取った。






ワームの最期を見届けたところで変身解除。—————花丸を落ち着かせる。





「大丈夫か?花丸?—————怪我は大丈夫か?」
「あ、はい。———あの時一体何が起こったんですか?無謀に攻撃を受けに行ったと思ったら、急に見えなくなって..........」
「ああ、ええと—————やったからかな。」
「—————どういうことですか?」
「正直、俺もわかんない。でもできるからやったわけじゃない。やったから奇跡が起こったんだ。」
「奇跡..........」
「千歌たちだってそうだ。できると思ってスクールアイドル始めたわけじゃない。やろうと思ったから部が認められた。」
「やらなきゃ、運なんて寄ってこないぞ?」
「才君............」
「おっ、もうこんな時間だ。じゃ、自分の声に正直にな。花丸。」
「——————」































—————※—————



















「カッコいいこと言ってるけど、普通に奇跡でしかないからな?」
「わかってるよ、虎太郎。だけどそんな偶然あるのか.......?」
「もしかしてハザードレベルみたいなものか?」
「ハザードレベル?—————何ですかそれ?」
「ああ、実家にマニュアルが置いてあったの読んだだけだけど感情の高ぶりに応じて強くなる————みたいなことが書かれてた。」
「なるほど.......高ぶった感情が能力への対抗策を見つけたってことか.......」


『それは事実だ。だが、これからは自分でそういう機能を付け足していくことだ。ムテキとはいえ、それ以外はあまり高くないからな。』



「オーマジオウ!?—————なるほど、ムテキを作るのもまた俺自身ってことか。」
「1人で何喋ってるんだ?」
「天才とバカは紙一重なんですよ—————多分。」









そうと決まったら、このクリエイティブゲーム。クリアしてやるぜ! 
 

 
後書き
舐めたプレイしあがって! 
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