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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第三幕その十一

「本当に」
「そうだよね」
「今度は僕がご馳走したいけれど」
「河豚だね」
「そうしようかな」
 食べてです、先生は。
 焼酎をストレートで飲んでそのうえで言いました。
「折角お話に出たから」
「だからだね」
「うん、実は河豚は中国でも食べていてね」
「漢詩でも詠われているね」
「そうだよ、唐代の詩でもあって」
 この頃のとうのです。
「宋代でも蘇東坡がね」
「詠っているんだ」
「そうなんだ、ちなみにこの蘇東坡のところにお世話になっていたのが水滸伝の悪役だった高俅だったんだ」
 こうした縁があったというのです。
「それで高俅は偉くなってからも蘇東坡の家族の面倒を見ていたんだ」
「あれっ、悪人なのに」
「水滸伝ではそうであって実際に政府の高官として悪いこともしていたけれど」
 それでもというのです。
「恩義は忘れない人だったらしくて」
「そうしたこともしていたんだ」
「侠客と言うべき人でね」
「ヤクザ屋さんみたいな人?」
「実際にそうした人達も関りがあったらしいけれど」
 それでもというのです。
「よくも悪くもそうした人でね」
「侠客でなんだ」
「汚職とか兵隊さんを自分の家とかの普請に使っていたけれど」
「恩義も忘れない人だったんだ」
「そうだったんだ、学問があって武芸とかにも通じていたそうだから」
「水滸伝の姿とはまた違うんだ」
「全くね」
 これがというのです。
「あそこまで悪くはなかったよ」
「それは意外だね」
「そしてその蘇東坡もね」
 この人もというのです。
「河豚を食べてね」
「詩に詠っているんだ」
「そうなんだ」
 これがというのです。
「実はね」
「そうなんだね」
「それで韓国でもね」
 この国でもというのです。
「最近は食べているんだ」
「そうなんだね」
「東アジアでは食べると言っていいね」
「最近だと日本料理のお店にあるね」
「そうなっているね」
「毒があるのは知っているけれど」
 それでもとです、王子は言いました。
「美味しいことはね」
「否定出来ないね」
「そうだよね」
 先生に笑顔で応えました。
「それじゃあだね」
「うん、その時はね」
「楽しませてもらうね」
「そうしてくれると嬉しいよ、僕も好きだしね」
 河豚はというのです。
「そしてあんこうもね」
「好きだよね」
「イギリスにいると食べられない」
「そんなものだね」
「お鍋にすることだってね」
 こちらもというのです。
「ないしね」
「イギリスであんこうなんてね」
「想像も出来ないよ」
「というか鱈や鮭とかは食べても」
「他の海の幸食べないよね」
「後は牡蠣位かしら」
 動物の皆も言います。
「烏賊や蛸なんて食べられるって知らなかったし」
「もう海の幸に疎いから」
「周り海なのにね」
「それでもね」
「欲食文化を言われる国だけれど」
 それでもというのです。 
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