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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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1期1クール 内浦の秘密
  2話 浦の星のDragon

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「頭痛い.........」


朝起きてからずっとこんな感じだ。いや、そもそも《《起きた》》と表現すること自体間違っているのかもしれない。


「大丈夫?」
「ああ大丈夫だ、曜。」


訂正。全然大丈夫じゃない。実はあの後家に帰ってから自分の部屋をゲーミングルームに改造してから、眠りについたら夢の中にオーマジオウが現れたわけ。そのあと、夢の中でエグゼイドの全話と仮面ライダーの劇場版全部を見せられて、見終わると同時に目が覚めた。頭が全然眠っていないから、頭が痛いというわけだ。こんな状態にさせるまで仮面ライダーの講習を受けさせるとか、俺をなんだと思ってるんだオーマジオウ様は。


『次は〜十千万旅館前〜』


バスのアナウンスで、旅館前に着くことを知らされる。そうつまり———


「才くん、曜ちゃん、おっはよー!」
「千歌ちゃん、おはヨーソロー!」
「来たよ、問題っ娘。」
「むっ、問題っ娘ってどーゆーこと!?」
「五月蝿すぎるのが問題なんだよ。いや、妙にテンションが高いところか。」


今言ったように、昔の俺は千歌の事を認識していたが曜の話が本当ならそんなことは言えなかったのだろう。


「曜ちゃん!やっぱり、昨日から才くん変だよ!」
「昔の優柔不断な俺からのイメチェンさ。今までが甘過ぎたのさ!」
「あっはは.......(乾いた笑い)」


『次は〜浦の星女学院〜おっと、間違えた。浦の星学院〜』



「えっ?—————女学院ってどういうこと?」
「忘れたほうがいい事実かもしれないんだけど........浦の星は、もともと








         女子校だったの。」








曜によって語られた事実、いや昔の俺が目を背けていたことなのかもしれない。どっちにせよ、俺にとっては絶望的な事柄だ。聞いたときに一気に視界が広がったもその証拠だろう。




——————※———————



「──────というわけで新しいクラスメイトの伊口くんです」


しーーんと静まり返る2年生教室内。そりゃそうだ、もともと女学院だったのなら男などそうそう転校してくるはずもない。救いだったのは、千歌と曜が同じクラスだったことだ。

聞くところによると、俺の爺ちゃんは日本医師会と日本医療財団という組織の会長、即ち医療界のトップだ。そして、この学院の経営者と俺の父さんが同級生かつ友人だったこともあって、共学化するときに初めての男子生徒として俺を指名したことで今に至る。

オイ!とんでもないことしてくれたな!オーマ爺ちゃん!





「ここで、このクラスの新しい担任の先生を紹介します。」




ガラガラ





ドアが開く。————————現れた人は、自分の目を疑う者だった。











「おはよう!みんな!今日からこのクラスの担任になる————浦江竜介だ。この学校に新任でやってきたから、頼らせてもらうぜ!」







あの時俺が助けて、俺にヒーローの自信をつけさせてくれたあの男。まさかこの学校の、このクラスの担任になるとはどんな運命だろうか?


俺は、驚愕すると共に安堵した。だって—————この学校に男は俺だけじゃなくなったからな!

あの男もとい先生は頼ると言ったが、俺も頼らせてもらうぜ!




——————※———————




「いや〜先生とはいえ、男が居てくれて助かった〜!」
「この地域は定住してる男の人の人口は数えられるくらいだもんね〜」


曜の言う通りこの町の男は漁師などがほとんどを占めている。即ち、1週間に1回の頻度でしか帰ってこないと言うのである。そのため、内浦に定住している男は極端に少ないのである。こうして、昼間の内浦を下校しているだけでその内情がよく分かる。


「ねぇねぇ!曜ちゃん、才くん!これ見てよ!」
「いきなり話に割り込むな!」
「どれどれ———————」


突発的に話に割り込む無礼者はさておき、千歌のスマホに写っていた動画は、スクールアイドル————μ'sのライブ動画だった。


「それがどうし—————まさか、お前!」
「そのと〜り!私はスクールアイドル部を設立する!」
「お〜千歌から『設立』っていう難しい言葉が聞けるとは........(感激の涙)」
「もう!また馬鹿にして!私!本気だからね!!!」
「........そうか、頑張れよ。」


なんでだろう。オーマジオウがマネージャーになれと言っているのに、どうしても自分からそれを言う事ができないのは何故だろう。多分、そのときの千歌が『太陽(サンシャイン)』のような輝きを放っていたからだろう。その輝きに目を隠してしまった。ただそれだけのこと。








『グウウゥルゥゥゥゥゥ‼』
「えっ!?」



背後から聞こえる猛々しい唸り声。明らかに人ならざるものだった。
振り返れば、やはり予想は的中。しかも《《この世界には存在しない連中》》だ。



「ストロングスマッシュハザードね............」



仮面ライダービルドの中に搭乗するスマッシュという怪人の1人。普通に強い方のだがこの世界に現れる怪人は何故かパワーアップしているとオーマジオウからの助言があった。
ここで千歌たちを危険に晒すことは、俺の昨日立てた《《誓い》》に反する。

というわけで今現れたのはとてつもなく厄介だ。


だが待てよ......普通怪人が何処かで現れれば、腕時計が鳴るはずだ。それが鳴らなかったということは————————



「すぐそこで現れたってことか........」
「ねぇ、千歌ちゃん。アレって.........」
「最近現れてるっていう怪人!?」



オーマジオウ曰く怪人が現れるのは現時点では突発的だそうだ。そう、突然どこに現れてもおかしくはない。だが、《《誰かが怪人を召喚している》》可能性も捨てきれない。


今はそんなこと考えても仕方がない。千歌たちを安全な所へ......











≪ヒッパレー!ヒッパレー!≫



≪ミリオンヒット!≫







多重に見える斬撃と共に放たれる轟音。その数瞬でスマッシュ軍団が掃討された。
その斬撃の出所は————————仮面ライダー.............?



『お前ら!早く逃げろ!』


「あ、ああ。オイ曜、千歌。早く逃げるぞ。」
「えっ、でも........」
「いいから!お前らは自分の命を第1に考えろ。」




突如現れたライダー(?)の促しに従って俺たちはその場を後にした............























——————※———————





「一時はどうなるかと思ったよ〜。急に怪人が現れるんだもん!」
「最近よく未確認生命体とか怪人が沼津に現れるって噂があったけど、本当にいるとはね〜」
「——————————」



さっき助けられたのは仮面ライダー、仮面ライダークローズで間違いはなかったはずだ。だけどこの世界には仮面ライダーは存在しないはずだ。だったら、何故仮面ライダーが............




「才く〜ん、気は確かですか〜!」
「あ〜!俺だって考え事しててもいいだろ!?」
「だって、才くんにも聞いてほしいんだもーん。」
「それで、さっきの続きか?」



俺は厄介そうにしながらも、その話を聞こうと努力する。




「うん!私、高海千歌は今からスクールアイドルをはじめます!」
「それはさっき聞いたよ..........」
「それでね..........私、ずっと考えてたんだ。



























    才くんが私たちを支えてくれないかなって。」

















太陽が自分の目の前にいるようで、緊張と同時に複雑な喜びと不安感が自分の体を飲み込んだ。




 
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