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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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1期1クール 内浦の秘密
  1話 輝く完全無敵のRider

—————覚醒の予感。誰もが体験したことがあるだろう。意識が完全に覚醒しきっておらず、ただ薄明な光が目に入ってくる。








「.......き.......ま......」

誰かの声が聞こえる。あれが本当なら—————————


「起きてよ!才くん!」
「.........................................................」


聴覚が本調子を取り戻したと同時に、大声が視界の霧を晴らしてゆく。

霧の先には、和室でよくある檜の天井があった。見えてすぐに、蜜柑色の少女が視界の半分を占めてきた。


「やっと起きたよ〜明日は才くんの初登校日だから、早く帰そうと思ってたのに。」
「えっと.......誰?」
「まだ寝ぼけてるの?千歌だよ?《《千歌》》!」
「.....千歌?」


どうやら本当に転生してしまったみたいだ。俺はゲームばっかりしてたから、アニメは殆ど見ていないがラブライブについては一時期大ブームだったからなんとなくキャラの名前は朧げながら覚えていた。
だけど、彼女らがこれからどんな運命を辿るのかを俺は知らない。


「ああ〜!もうこんな時間だよ才君!」
「えっと......曜?」
「いつまで寝惚けてるの!?早くしないと終バスなくなっちゃうよ!」
「終バス?」


この灰色の髪にスカイブルーの瞳のこの少女は、記憶に基づくなら渡辺曜という名前の筈だ。どうやら、俺の家はこの娘と同じ方向のみたいだ。
だったら、これからこの娘に案内してもらおうかな。


「もう!グズグズしてないで、早く行くよ!!」
「え、あ、ちょっと!」


曜に引っ張られた俺はそのままバス停に泊まって発車直前だったバスに直行した。







——————※——————






バスに揺られる中で、俺は頭の中にある困惑を整理しようとしていた。


クールダウンしたことでわかったことだが、名前は同じ伊口才のままだということ。そして、さっきの高海千歌と隣にいる渡辺曜は俺の幼馴染っぽい。どうやら、身近な人に関することや学んだことの記憶は俺の頭の中にしっかり存在していた。だけど、肝心のそれ以外の記憶がない以上我が性格を突き通すしかない。



「なぁ、曜?」
「ひゃいっ!?」
「俺なんか変なこと言ったか?」
「そういうわけじゃ......それより、どうしたの?」
「いや、俺の家ってどこかなぁ......って。」
「それ.....本気で言ってるわけじゃないよね?」
「いや、本気。」
「もぅ!本当にどうしちゃったの?——————わかった。才君の家なら近いし、途中までなら連れて行ってあげる。」
「マジで!?サンキュー!」





俺は曜に途中まで連れられて、自宅なる家までやってきた。

「でっけぇ〜!」


一戸建てなのだが、豪邸と言えるほどに大きい家屋。塀は俺の背丈よりも高く
その防犯セキュリティの高さを窺わせる。

どうやら顔認証での鍵解錠だったようで、家にはすんなり入れた。

家の清潔度は極めて高い。残った記憶によれば、自分が作ったロボットで家事や警備システムを充実させているそうだ。

自分の部屋に入ると、前の自分なら嫌悪感で吐きなほどの光景だった。
広がっていたのは、参考書や辞書の並木林。勉強がとことん嫌いであった前の俺には毒だが、今ならそうでも無くなっていた。


並木林の中でも特に医学系と経済学系の分野が目立った。開業医でもするつもりだったのだろう。


ピリリピリリ


ナースコールにも似た音が鳴る。音源は多機能型腕時計だった。これもどうやら、オーマジオウの贈り物のようだ。見た瞬間に自分の位置情報とそうでない位置情報が映し出される。

『本棚棚の上とポケットの中だ。』


「えっ?」という声も返すこともできずに、消える音声。ポケットの中には
「MIGHTY ACTION X」と書かれたガシャット(?)があった。

本棚の上を見ると、まずこのガシャットが挿せそうなドライバーとライダーが正面に描かれた2倍サイズのガシャット。

そして、形状が明らかに他のものとは違う「HYPER MUTEKI」と書かれた《《黄金のガシャット》》


「これで変身しろってことか。」


部屋を颯爽と飛び抜けた。



—————※—————







「この辺りか.........?」


腕時計の指し示す場所までやってきた。すでに太陽は沈み込んで、月が頂点に来る時間帯である。人を襲うんなら、不適応な時間だが.......


刹那、助命嘆願にも聞こえる大声が俺の耳に届く。


「あっちか—————!」


声の主を探して、来てみればまさに創作物に出てくるような怪人の集団が1人の男性を追いかけている最中だった。


「おい、待て!」


普通の人間ならば、そんな面倒事に首を突っ込みたくはないだろう。だが、奴を倒さないといけないという使命が与えられている俺には、問題に突っ込むことは義務であるからな。


「暴れたいなら、俺が遊んでやる。」
「ほう、この《《ソルティ》》に挑むというのか?」


腕時計にそのシルクハットをかぶった怪人についての情報が現れた。奴はソルティという仮面ライダーエグゼイドの怪人だそうだ。この時計の話によれば、俺は仮面ライダーエグゼイドに変身する。ならこの怪人は持ってこいってわけだ。


≪MIGHTY ACTION X!≫


ここからはゲーマーとしての勘。ガシャットの起動スイッチを押して、ドライバーを装着。

「変身!」


ガシャットをドライバーに思いっきり挿す。そして、レバーを引く。


≪ガシャット!≫

≪ガッチャーン!レベルアップ!≫

≪マイティジャンプ!マイティキック!マイティマイティアクション!X!≫


ピンク色の二頭身の戦士のパネルを右手でセレクトし、等身大の柄のついたシルエットが現れて、自分と入れ違う。


ピンク色の光に刹那、包まれたと同時に等身大の仮面ライダーに姿を変えた。


彼こそは転生したチートゲーマー、伊口才。またの名を仮面ライダーEX-AID(エグゼイド).......





≪ガシャコンブレイカー!≫


召喚されたガシャコンブレイカーのハンマーモードで三下のバグスターを薙ぎ倒して、ソルティの元へ進む。

フライパンを持った三下の攻撃をするりと交わして、カウンター。そんなことを続けてはいるものの一向に数は減ってはいない。


「多いな.......だったら!」


そばにあるエナジーアイテムなるものを2つほど取る。取得したのは、『マッスル化』『分身』だ。このゲームシステムは極めて単純明解で、ゲーム依存症と診断されたゲーマーであるこの俺にはこれほど易しいゲームはないと心で思った。


文字通り、マッスル化して分身した俺は一気に三流バグスターを殲滅した。


「あとは、お前だけだ!ソルティ!」
「いいだろう!このレベル99(ナインティナイン)の私に勝てるものか!」
「えっ..........?」


ソルティから発せられた言葉に、攻撃の手が止まってしまう。

電撃を纏ったナックルが俺の体に正面衝突し、大きく吹き飛ばされた。
実際、今のが致命的だったらしく体力が一気に3分の1まで削られた。



「ハッ、レベル2のお前など取るに足らん!」


いや、そりゃレベル99だもんな.......レベル2が勝てるわけがねぇ。

そういえば—————俺にもレベル99の力を..........!

持っていた『MAXIMUM MIGHTY X』と書かれたた巨大ガシャット。これなら奴と同じレベルだ。だが、例えば同じレベルになったとしても長期戦になってしまうかもしれない。





ん?接続部分?———そうか、そういうことだったのか!




これなら、誰にも負けない!






≪マキシマムマイティX!≫

≪マキシマムガシャット!≫

≪ガッチャーン!レベルマーックス!≫



レバーを一旦閉めてから、開ける。そして、流星の如く輝くガシャットの起動スイッチを押した。


≪ハイパームテキ!≫


ムテキガシャットなるものを接続部分に連結させる。


≪ドッキーング!≫


そして、描かれていたAボタンと星形ボタンを同時に————押した。


≪パッカーン! ムー!テー!キー!≫


≪ 輝け!流星の如く! 黄金の最強ゲーマー! ハイパームテキエグゼーイド!≫


全身に星屑が纏わり付き、黄金の輝きを放ちながら現れたその完全無敵の仮面ライダー。仮面ライダーエグゼイド————ムテキゲーマー













—————-※—————-




≪ガシャコンキースラッシャー!≫


「さぁ、続きを始めようぜ!」
「調子に乗るな!我が拳で砕いてくれよう!」


ガシャコンキースラッシャーを片手に、一気にソルティの射程範囲に入る。だが————


「あれ?」
「何?いつの間に背後へ!?」
「これが————ムテキの力.........」


俺のスピードは、俺の想像すら超えてソルティの背後に回っていた。


「何を小癪な..........!」


飛んでくる電撃の拳が、俺の胸部にクリーンヒット。だがムテキの力でダメージが無効化された。殴られれば、多少ながら疲労するものだがそれが全く感じられないのがその証拠だ。

相手がたじろぐのと同時に、斬撃の乱舞をお見舞いする。自分には自分が大して速く動いているとは感じないが、相手が完全に止まって見えるのは自分が限りなく光に近い速さで動いているからなんだろう。


奴の残り体力は、視認できるのがやっとな程の量になった。


「さーて、これでフィニッシュだ。」
「まだまだ.........!」


ガシャコンキースラッシャーを捨てて、星形のボタンを————いや、やっぱりやめた。



再度召喚したガシャコンブレイカーにマイティアクションXを挿す。


≪ガシャット! キメワザ!≫


≪MIGHTY CRITICAL FINISH!≫



ピンク色に輝く刃をつけたガシャットブレイカーを、棒立ちのソルティの腹部を脇腹から切りつけた。


≪PERFECT!≫


完璧な技と共に、慟哭を上げながら消滅するソルティ。いくらレベルマックス言えども、ムテキには勝てるはずはない。


≪ガッシューン! ガチョーン≫


ガシャットを抜き出して、レバーを閉める——————-黄金の装甲は、星屑となって自分から消えていった。















「見事な戦いぶりだぜ!」
「!?——————」


声をかけたのは、先程ソルティに追いかけられていた男性。熱中していてわからなかったが、大卒臭が匂う好青年だった。


「お前のおかげで助けられたよ。まるでスーパーヒーローじゃねぇか。」
「(実際そうだけど....) そんなこと......ないですよ。もともとは、これも勝手に与えられた力で敵を倒さなきゃいけなかっただけです。」
「自分の年下ながら、すごいと思うぞ。それに—————!」
「?」
「お前は、俺を助けるつもりはなかったのかもしれないけど『助けられた』事実に変わりはない。それで俺の心が、運命が動いたんなら立派なスーパーヒーローだろ?」



















そっか、助けて運命を変えるってこういうことだったのか。なんか、とっても清々しい感じだ。他人が変わることで、自分も変わるのか。


1つの誓いが俺の中で生まれた。「絶対に誰かを傷つけさせない」こと。






 
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