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魔理沙が幻想郷全部入り

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「いい眺めだぜ」

「霊夢の気持ちに応えることは出来ない。霊夢とはずっと一緒に居たいと思っている。だからこそ、この気持ちは隠し通さなければならないんだ。私のこの気持ちは霊夢を苦しめるだけだから」
「そんなことないと思いますよ。霊夢さんは魔理沙さんに好意を抱いているはずです。魔理沙さんはどうなんですか?」
「私は霊夢のことが大切だし、大切に思っている。でも、霊夢は私のことを友人としか見ていない。それに私は霊夢を不幸にしたくないんだ。霊夢が幸せになってくれればいいんだ」
「霊夢さんは貴方と一緒に居るだけで幸せなんじゃ無いんですか?」
「霊夢は私に幻想郷を救ってほしいと思っているはずだ。私と付き合うなんてことになったら、その期待を裏切ることになる。それだけは出来ないんだ」
「じゃあ、もし魔理沙さんの身に危険が迫ったら、霊夢さんは魔理沙さんの側にいられなくなるんですよ。それでもいいんですか?」
「霊夢が私の為に傷つく姿は見たくない。それに霊夢は強いから、どんな危機的状況に陥っても切り抜けられると思うぜ」
「魔理沙さんの言う通りかもしれませんが、霊夢さんが怪我をしない保証はどこにもないんですよ。それでもいいんですか?」
「霊夢が危険な目に遭うくらいなら、私が霊夢の代わりになってやる。霊夢が無事ならそれで構わない」
「本当に霊夢さんの為を思うなら、霊夢さんの気持ちに応えてあげるべきです。霊夢さんは魔理沙さんに恋をしているんですよ」
「ああ、そうだな。分かってるんだ。霊夢の想いは分かっているつもりなんだ。だけど、この気持ちは霊夢に知られてはいけないんだ」
「霊夢さんに自分の気持ちを伝えようとはしないんですか?」
「出来るわけないじゃないか。私と霊夢はずっと一緒だったんだ。今更告白したって遅いんだ。霊夢を困らせることになる」
「そうですか……」
美奈は悲しそうな顔をして俯くと、「そういえば、魔理沙さんはどうしてこんな時間に外に出ていたんですか?」
美奈が質問すると、魔理沙は顔を曇らせて答えた。「ちょっと眠れなくてな。気分転換に外の空気を吸っていたんだ」「眠れないんですか?」「ああ、なかなか寝付けなかったんだ。おかげで頭が痛いぜ」
「それって霊夢さんが原因ですか?」
「ああ、霊夢が近くにいないせいで寂しくて仕方がないぜ」
「そうですか……」
美奈はそう呟いたきり黙り込むと、しばらく俯いていた。そして、決心がついたのか顔を上げると、真剣な眼差しで魔理沙の顔を見つめた。
美奈はしばらく黙ったまま魔理沙の顔を見つめていたが、唐突に口を開いた。「魔理沙さんは霊夢さんのことが好きなんですよね?」
「いきなり何を言い出すんだよ。好きに決まっているだろうが」
「では、霊夢さんと付き合いたいとは思いませんか?」
「そりゃ、もちろん付き合いたいさ。でも、それは無理なんだ。今の関係を壊すわけにはいかないんだよ」
「どうしてですか?」
「霊夢は優しいから、私の気持ちを知ったらきっと受け入れてくれるだろう。でも、そうしたら私と霊夢の関係は今までとは違うものになってしまう。それは嫌なんだ。霊夢との関係を壊したくないんだよ」
「では、霊夢さんに自分の気持ちを伝えたことはありますか?」「ない。怖くて言えないんだよ。霊夢に拒絶されるのが怖いんだ。もうこれ以上関係が壊れるのはごめんだよ」
「でも、このままでいいんですか?このままだと後悔しますよ。今の関係が変わってしまうのが怖いというのであれば、いっそ伝えてしまえばいいんですよ。たとえ、霊夢さんが貴方の事をどう思っていても、伝えなければ何も変わりません。でも、伝えてしまえば、少なくとも今のままの関係ではいられなくなります。でも、伝えてしまわないと、いつまでも苦しい思いをすることになりますよ」
「確かにそうかもしれないな。だが、やっぱり怖いんだ。霊夢が離れていくのが怖いんだ。せっかく手に入れた幸せを失いたくないんだ」
「それならば、伝えてしまえばいいんです。例え、霊夢さんが魔理沙さんの気持ちを受け入れてくれなくても、伝えずにいるよりはましです。そうすれば、いつかは魔理沙さんの気持ちが伝わるかもしれません。その時に霊夢さんが魔理沙さんの傍にいなかったら、魔理沙さんは一生苦しむことになります」
美奈はそこまで話すと、ふぅっと息を吐いて呼吸を整えてから、再び口を開いた。「魔理沙さんは霊夢さんのことが好きではないんですか?本当は霊夢さんのこと、嫌いなんじゃないんですか?」
「そんな訳ないだろ!私は霊夢の事が好きだ。大好きだよ。だから、霊夢を傷つけるような真似は絶対にできないんだ」
「では、なぜ霊夢さんに本当の気持ちを打ち明けないんですか?霊夢さんに嫌われてしまうのが怖いからですか?それとも霊夢さんに嘘をついている自分が許せないからですか?どちらにせよ、魔理沙さんは霊夢さんに隠し事を続けているんです。それがどれほど辛いことなのか、魔理沙さんにも分かるでしょう?嘘をつくのはやめて下さい。お願いだから、霊夢さんの気持ちに向き合って下さい」
「分かったよ。霊夢に本当のことを言うよ。霊夢にちゃんと気持ちを伝えるよ。霊夢に全部打ち明けるよ。霊夢に私の気持ちを受け止めてもらうよ。霊夢がどんな反応をしようとも、霊夢の気持ちを受け入れるよ。だから、美奈、ありがとう。お前のおかげで目が覚めたぜ」
「良かった。魔理沙さんが元気になってくれて。これで安心しました。これからもずっと友達ですよ」
美奈の言葉を聞いた魔理沙は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になった。「ああ、ずっと友達だ」
美奈も笑みを浮かべると、「また遊びに来てくださいね」と言って帰って行った。
それからしばらくして、魔理沙は美奈の言っていた言葉を思い出していた。
『霊夢さんは魔理沙さんに恋をしているんですよ』
魔理沙は美奈の言葉を思い出すと、恥ずかしさのあまり顔を赤くした。
魔理沙は霊夢に告白しようと思ったが、やはり霊夢に真実を告げるのは躊躇われた。霊夢に告白して、もしも霊夢が魔理沙のことを受け入れられなかったら、霊夢と今までのように接することが出来なくなってしまう。そんなことになったら、魔理沙はきっと耐えられない。魔理沙は告白する勇気が出ないまま、ずるずると時間だけが過ぎていった。
そんな時、魔理沙は霊夢が生きているという噂を耳にした。
その噂によると、博麗神社には霊夢の幽霊が出るらしい。その霊夢はいつも巫女服を着ていて、とても綺麗なのだとか。その霊夢は夜になると神社の境内に現れて、何かを探しているのだという。その探し物を見つける為に、霊夢は毎晩境内をうろうろしているのだそうだ。そして、見つけたものは大事そうに懐に仕舞いこんで、どこかへ消えて行くのだとか。魔理沙はその話を聞いてからというもの、毎日神社に通った。しかし、いくら待っても霊夢は現れなかった。
そんなある日、魔理沙は偶然にも霊夢の霊夢に会った。その霊夢は魔理沙に気付くと、嬉しそうな表情をして駆け寄ってきた。
「やっと会えたわね。ずっと会いたかったんだから」
霊夢はそう言うと、魔理沙に抱きついてきた。「私だって霊夢に会いたくて仕方がなかったんだぜ」
「そうよね。貴方は私のことが大好きなんですものね」
「ああ、私は霊夢が大好きだ」
「私も貴方が大好きなの。ねぇ、私と付き合ってくれませんか?」
「えっ?」
魔理沙は驚いて目を丸くした。まさか霊夢の方から告白されるとは思っていなかったからだ。
「私じゃ駄目かしら?」不安そうな顔をして上目遣いに魔理沙を見つめてくる。
「そんなことはない。嬉しいぜ」
「じゃあ、付き合うということでいいのね?」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「こちらこそ、よろしくね」
二人は見詰め合ったまま微笑んだ。
「じゃあ、まずは恋人同士として、一緒にお風呂に入りましょうか」
「ああ、いいぜ。って、ちょっと待て。何でいきなりそういう展開になるんだよ」
「あら、貴方は私のことが好きなんでしょう?」
「確かにそう言ったけど、まだ付き合い始めたばかりじゃないか。もう少し段階を踏まないと」
「大丈夫よ。私がリードしてあげるから」
「いや、そういう問題ではなく……」
「じゃあ、行きましょ」
霊夢は強引に魔理沙の手を引っ張って行く。
「ちょ、ちょっと待て。せめて服を脱ぐまで待ってくれ」
「嫌よ。早く脱ぎなさい」
「いや、こういうことはもっとムードを大切にしないと」
「うるさい。さっさと脱げ!」
霊夢が怒鳴りつけると、魔理沙はビクッと身体を震わせた。
「はい……」
魔理沙は大人しく従うことにした。霊夢に逆らったら何をされるか分からないし……。「ねえ、どうして裸にならないの?」
「いや、これはその……」
「言い訳なんて聞きたくない。さっさと裸になりなさい」
「いや、あの……」
「なるのかならないのかどっちなのよ?」
「……はい」
結局、霊夢に押し切られてしまった。
「いい眺めだぜ」
「ちょっと、変なところ触らないでよ」
「いいじゃんか。減るもんじゃないし」
「嫌よ。貴方の変態」
「ちぇ、つまんないの」
「ほら、いい加減に離れないとぶっ飛ばすわよ」
「はいはい」
魔理沙は霊夢から離れると、浴槽につかる。
「なぁ、霊夢。どうしてこんなに急に態度が変わったんだ?」
「別に変わらないわよ。ただ、貴女と一緒にいるうちに、だんだん好きになっていっただけ」
「そっか。なんか照れるな」
「そうでしょ。私もすごくドキドキしているんだから」
霊夢は自分の胸を押さえながら魔理沙の顔を見る。魔理沙も顔を真っ赤にしていた。「な、何だよ。いきなりこっち見るなって」
「顔が赤いぞ」
「お前が見ているせいだろ」 
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