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少女は 見えない糸だけをたよりに

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12-2

 10月初め、三条に近い木屋町通り沿いに新しいお店が出来た。ワッフルサンドのテイクアウト専門店で、バナナジュースとキューイジュースを用意した。店長は暁美さんがなって、火曜、水曜はお休みで11時から6時まで、バイトの女の子を二人雇ってやっていくということだった。オープンからの一週間はくるみちゃんも応援で入っていた。

 こっちのお店も10時から7時まで、営業時間を1時間縮めたのだ。閉店時間の間際、くるみちゃんが向こうのお店を終えた後、報告に来てくれた。

「オープンして直ぐだからか、お客さん多くってさー ひと安心だよ」

「そう 人通りが少なくなってるんで心配してたんだけどね」

「やっぱり ここら辺りとはちがうよ なんだかんだ言っても、やっぱり繁華街はちがうね」

「暁美さんも頑張ってるんでしょ?」

「うん 張り切ってるよ 店の子もハキハキしていい子達だよ あっ そうだ ウチなぁー ひとつ 内定もらったんだ ホテルなんだけど、フロント業務」

「そう 良かったね 行くんでしょ?」

「そーだねー まぁ 今んところ 決めるかなぁー」

「いいじゃん 希望のとこでしょ」

「そー だけどね コロナで客足が遠のいているし この先 不安だなぁー」

「そんなの 一時よ また 戻るようになるって このお店だって、そのうちに学生さんが戻ってくるって」

「香波は 今 希望に膨らんでいるからねー 巧さんとのことも」

「そんなー 成り行きよ まだ」

「ねぇ まだ 何にもしてないのー?」

「えー 何にもって?」

「だからー してないの?」

「うん してないよー」

「あんまり もったいぶると 逃げられちゃうからね 向こうだって男なんだから、したいと思ってるに決まってるんだから」

「だよね そのうちにね」

 私は、くるみちゃんには、あの家にお世話になっていることも、巧に抱かれたことも内緒にしているんだ。なんか打ち明ける気にならなかった。  
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