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夢幻水滸伝

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第二百四十五話 財閥の依頼からその十三

「そうやが」
「はい、施さんだけでなくロシアやインドを見て」
「エカチェリーナちゃんにタゴールか」
「あの勢いと政を見ていますと」
「自分はか」
「器の限界を感じました」
「そういうことか、しかしな」
 施は白にさらに言った。
「あの二人を見て自分についたか」
「遠いですしあの方々は敵にあまりにも容赦しないので」
「そこがか」
「どうも白起や項王もっと言えば始皇帝の様な」
「史記の始皇帝やな」
「実は史記にある様なことではなかったそうですが」
 これは最近の研究で言われていることだ、史記では始皇帝の冷徹で苛烈な統治が書かれているが実はわりかし弾力的に統治していたらしい。
「しかしあの印象が強烈で」
「冷徹な統治は嫌いか」
「抵抗があります」
「あの二人は統治はああやしな」
「徹底していますね」
「敵にはな」
「もっと言えば拙者は同じ白ですが」 
 姓のことから話した。
「白起は嫌いです」
「楚の陵墓焼いて四十万生き埋めにしたしな」
「そうした人物なので」
「秦は捕虜取らんかったしな」
「それでは項王が皆殺しにするのも道理です」
「白起、秦が先にやった」
 項王即ち項羽も敵には容赦しなかったがというのだ。
「そうなるな」
「はい、項王はどうも嫌いやないですが」
「自分もや、残酷でもな」
「何処か惹かれます」
「しかし白起にはそれがない」
「名将ではありますが」  
 このことは事実であるがというのだ。
「あの末路にも同情出来ない」
「何か微塵もな」
「史記を読みましても」
「それで白起は同じ姓でもやな」
「嫌いで彼等の様に思えたので」
「二人にはつかんかったか」
「何よりも遠いです」
 このことをまた話した。
「中国、浙江省から見て」
「それやな」
「しかし施さんは傍におられてその統治も拝見させてもらいました」
「二人みたいやない」
「そうですさかい」
「自分についてくれるか」
「そうです、ただお二方は嫌いではです」
 エカテリーナそしてタゴールはというのだ。
「決してです」
「白起と違ってやな」
「ないです」
「そうです」
 まさにというのだ。 
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