| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

とことこ歩いて

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

第一章

               とことこ歩いて
 この時洋介は休日なので朝早くからふわりを連れて両親と共に散歩に出ていた、そうしてであった。
 リードの先で歩くふわりを見てこんなことを言った。
「ふわりって足速いな」
「ああ、そうだな」
「そうよね」 
 父の文太も母の由里子も頷いた。
「身体は小さいけれどね」
「足も短いがな」
「歩くのは速いわね」
「走ってもな」
「そうだよな、何かな」 
 洋介はこうも言った。
「意外だな」
「意外か」
「小さくてな」
 そうしてというのだ。
「足が短いからな」
「足が速いとか」
「そう思うけれどな」
 街を共に歩きつつ父に話した。
「もっと足が遅いと思ったら」
「当たり前だろ、足が四本だぞ」
 父はこのことから話した。
「それだったらな」
「それだけか」
「足も速いだろ」
 こう息子に返した。
「そうだろ」
「それもそうか」
「それにな」
 洋介はさらに話した。
「前も言っただろ、元々狩猟犬だぞ」
「トイプードルはな」
「ぬいぐるみみたいな姿でもな」
 それでもというのだ。
「本来はな」
「狩猟犬か」
「だからな」  
 その為にというのだ。
「歩くのもな」
「それで走るのもか」
「速いんだよ」
「そういうことか」
「しかもな」
 父はさらに話した。
「体力だってな」
「あるか」
「また言うが元々狩猟犬だからな」
 それ故にというのだ。
「ふわりもな」
「体力あるんだな」
「可愛いだけじゃないんだ」
 こう言うのだった。
「足は速くてな」
「体力もあるんだ」
「そういう子か」
「そうだ、だから散歩も距離もな」 
 これもというのだ。
「長いだろ」
「そうだよな」
「小さくてもね」
 母も言ってきた。
「確かにふわりよく歩くわね」
「そうだな」
「お家の中でも活発だしね」
「遊ぶ時はすぐにケージから出て来てだろ」
「ええ」
 自分の夫に応えて話した。 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧