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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その二十八

「高級とされる種類のな」
「犬でないとならないですね」
「贈りものにするなら」
「それも一国の要人中の要人ですから」
「余計にですね」
「そうせねばならない」
 絶対にと言うのだった、マールボロも。
「これも礼儀だしな」
「ただ犬を贈るにしても」
「そこまで考えるべきですね」
「やはり」
「そのことについては」
「当然のこととしてな」
 礼儀としてというのだ。
「そこは考えていく、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「こうした時にだ」
 マールボロは嫌そうな目になってこうも言った。
「自然とだ」
「出て来るのはですね」
「あの国ですね」
「あの国もマウリアと交流があるので」
「それも各国で」
「連合がな、彼等もだ」
 エウロパの敵である彼等もというのだ。
「自然とだ」
「ジャバル副主席との関係を深めようと」
「そう思ってですね」
「贈りものをしたりする」
「そうもしてきますね」
「彼等は中程度の国でもだ」
 連合の中でというのだ。
「我々よりもだ」
「国力は上ですね」
「そうした国ばかりですね」
「連合全体で我々の約六百倍」
「それだけの差があるので」
「だからだ」
 その国力があるからだというのだ。
「贈りものもだ」
「我々よりもですね」
「遥かにいいものを出して」
「そして贈る」
「それだけにですね」
「そこで遅れを取ってしまいますか」
「大航海時代の話を思い出す」
 この時代のことをというのだ。
「バスコ=ダ=ガマのな」
「あの逸話ですね」
「彼がインドの有力者に贈りものをしましたが」
「その品が現地の者達に笑われた」
「あまりにも粗末だと」
「連合の富はだ」
 それはというのだ。
「底知れぬ」
「何しろ総生産は我々の六百倍」
「その富を考えますと」
「ごく普通にだ」
 連合が意識せずともというのだ。
「私が贈るものより遥かに素晴らしいものをな」
「贈りますね」
「普通の国の使者が」
「そうしたことを」
「私個人が贈るものよりだ」
 それこそというのだ、イギリスの一貴族である彼がだ。
「連合の中の中程度の国の資産家が贈るものの方がだ」
「遥かにですね」
「上のものですね」
「その富を使った」
「そうしたものが出ますね」
「それが豊かさだ、私はバスコ=ダ=ガマだ」
 連合から見ればというのだ。 
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