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わりとよくあるイレギュラーなネギま!

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夏休み休息編
  29話 遙か輝く星のように

 照りつける太陽は熱いが、どこか心地良い。
 オレの瞳に映るのは、透明さと青色がほどよく融合した海。
 さらにオレの側にいるのは、違いはあれど、誰も特級の美を兼ねそなえた女の子たち。 テンション上がってきたー……ってなると思うだろ?
 それがならないんだな~。
 だって、女の子たちがオレに過剰なスキンシップをしてくるからだ。
 オレだって一応男だ。意識をしないことはできない。
 自分の中の悪魔が囁く。

『欲望を解き放て~。やっちゃいな!』

 自分の天使もこう言った。

『女性にここまでさせておいて、責任を取らないなど男ではありませぬ』

 クソ、こいつらオレを破滅させる気か!
 オレの理性は暴発すんぜん。女の子たちを振り切り、浮き輪を持って海に突撃。かなり陸から離れたところで、オレは浮き輪にプカプカと乗って太陽をながめていた。
 オレは空が夕焼けになるまで、久しぶりに1人で過ごす。
 陸に戻ってから身体を洗った後に、旅館に移動する。
 今日は1人部屋だ。あやかと千鶴(ちづる)が、気を利かせてくれたのだ。オレは部屋の戸を開ける。

「遅いのよ、このバカ!」

 迫る小柄の影。影は、こともあろうにオレの股間に向けて飛び蹴りを仕掛けてきた。オレは迫る飛び蹴りの(ぬし)の足を掴んで、上空に持ち上げる。

「離せ~。このバカ! うんこ! ゲスチン!」

 なんだこいつ? いきなり失礼なヤツだな……って!

「アーニャじゃないか! 久しぶりだな! 相も変わらず、ばかかわいいヤツだ」
「ふぇ! かわいいって……その……」

 腰まである綺麗な赤髪。ややつり目の瞳の色はまるでスカーレット。オレはアーニャの体勢を変えて、ぎゅっと抱き締める。

「ひゃ! このバカ、すぐにそうやって、ごまかすんだから」
「おまえが可愛いのが悪い。けど……なんでおまえがここにいるんだ?」
「あ、あんたとネギが夏休みになっても全然帰ってこないから!」
「そかそか、悪かったな。もうすぐ帰るよ」
「ほ、ホント?  嘘じゃない?」
「……まあ」
「あ、ソレよりも! ネギがなんであんな身体に成長してるのよ! 不公平! 理不尽!」
「まあまあ落ちつけよ。飯でも食いながら、ゆっくりと話そうぜ」
「ええ、聞かせてもらおうじゃない。……あんたの身体のこともね」
「あ~……ネギのヤツが手紙でも送ったか?」
「じゃあ、本当にあんた……」
「大丈夫だ。ネギが延命の魔法を開発しているし、オレもいくつかあてがある」

 下唇を噛みながら、泣きそうな顔をするアーニャの頭を撫でる。まあホントは、あてなんてないけれどな。オレはただやれることをやるのみ。
 その後、ネギをよんで3人で飯を食べる、
 飯がスゲ~うまいな。オレが特に気に入ったのは様々な天ぷらに、新鮮な魚の刺身。なにげに米までうまい。

「へ~『ÄRM(アーム)』で修業したんだ」
「そうなんだよアーニャ。だからボクの肉体年齢は15歳ぐらいになるのかな?」
「15歳にしてもそのスタイルは可笑しいけどな。アーニャはどんな感じだ?」
「う~ん……そこそこ。それなりに占い師としては有名なんだけど、魔法とかはまだまだかな」
「そうか? おまえ結構魔力が洗練されてるぞ」
「いやね。ネギをみたらまだまだだな~って」
「まあ。ボクは魔法とかの戦闘訓練を、5年ぐらいみっちりとやったからね」
「いや、どんだけよ」
「同意」
「あははは、だってヨシュアがボクを女の子として見ないから」

 マジでやめろよな。こちらはおまえの一挙一動にドギマギしているのだから。
 小さかったネギなら異性と思わずにいられたが、今はもう無理だ。は~……でも、ネギの気持ちって本当に愛情か? 兄妹的に好きなのを勘違いしているだけじゃないのか。
 ここでビシッと言うべきか……。そうだよな。それがネギのためでもある。

「ネギ。おまえの気持ちはタダの勘違いだ。オレとしか、歳の近い異性と関わってこなかったんだから」
「……はあ?」
「ちょっとあんた!」

 何故か瞳のハイライトが消えるネギと、焦ったようなアーニャ。だが、オレはネギの触れてはいけないトコロにあえて踏み込む

「いいかよく聞け。おまえは幼少にすごく寂しい思いをした――」
「――何が言いたいの! そんな答えは聞きたくない! ボクが聞きたい言葉は1つだけだ! アーニャ! 手伝って……今ここで、ヨシュアをボクたちのモノにするよ」
「……あんたが悪いのよ。ホントに肝心なトコロはヌケているんだから」

 旅館内に溢れる莫大な魔力の奔流。アホかこいつら。そんなことをすれば――。

『ちょっと待った!』『同じく!』

 っと、一緒に海に来ていたメンバーが集まる。つーか来るの早いわ。覗いていただろ。

「みなさん、なんですか? ボクたちは今からヨシュアと大事な儀式をしないといけないんです」
「このエロネギが!」

 アスナの拳がネギに直撃する瞬間、ネギの見事なカウンターがアスナの腹に突き刺さる。

「アスナさん邪魔しないでくださいよ。みなさんもです。今ここでボクはヨシュアと契る」

 はあ~。非常に困った。あちらの世界に行く前に、メンバーの雰囲気は最悪に近い。ソレもコレもオレのせいだ。
 ずっとごまかした。ずっと見ない振りをした。彼女たちの気持ちを知っておきながら、放置した。……さて、答えを出すか。

「オレはカスだ。誰かひとりを選べないクソ野郎だ。優柔不断でクズだ。そんなオレでもいいと言うのなら――抱いてやるよ」

 そんな最低の宣言の後の朝。

「マジであの最低な宣言でこうなるとはな……」

 オレは寝ていない。つまりどういうことかわかるよな? 夜から朝まで頑張ったんだよ! 艶々している女の子たち。逆にオレは干からびたミイラのごとく。
 ゲッソリとしたまま、麻帆良(まほら)に帰る。

 その後も休息兼遊びを楽しむ。はるなの、提案の東京ビッグサイト。
 市民プールでは係員に「入れ墨の方はご遠慮ください」と言われて、プールにはいれなかった。これ、入れ墨では無くて、タダの模様なのに……。
 映画、遊園地、まき絵の県大会。正直まき絵の演技には期待をしていなかったが、妙に艶っぽくてドキリとしたもんだ。だけれど結果は選外。観客からはブーイングが出たが、専門家的には点数にならない演技があったらしい。よくわからないが、まき絵が笑っていたから良しとしよう。
 さて、楽しんだ分だけ、オレは強くならないといけない。
 このままだと、神様に対抗するなど夢のまた夢。だが、どうしたらいいのだ。
 すでにエヴァに頼んで最難関な『修練の門』での修行も完了。道具をこれでもかと作っている。肉弾戦も高レベル。イエス・キリストの記憶とカリンにより、神聖魔法も習得済み。

 
 だが、新しい力がいる。オレ自身の力。そのためには……。
 オレは向き合わないといけない。オレの記憶と魂に。
 オレは『想像して創造する』『マジックストーン』をつけて、『ÄRM(アーム)』で能力を作る。
 能力は『星誕(せいたん)』。オレはイエス・キリストではなく、今こそオレになる。
 
 すでに輝く星のようにオレの命は燃焼を始めている。先は長くない。けれど、なくしてはいけない。なくしたくない。そんな時や人たちがいる。
 ああ、オレは今を生きる!




 

 ガシャーン。





 

 それでいい。君は君になりなさい。
 
 “信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である” 

 ……と、もう君は承知しているね?
 そうだ。君に愛をくれた人たちにふさわしくあれ。
 君は勇者であらねばならない。
 君は希望であらねばならない。
 君はカギであらねばならない。
 君は――。








 オレは私は――。










 “まずは人間であらねばならない”



 
 そこがハジメの一歩だ。イエス・キリストの純白の魂に色がつく。それは宇宙からすればとても小さくて取るに足らないほどの、黒色。
 けれど、オレは今、一歩、一歩と自分となって行くのだ。








 ガシャーン。








 さて、ここからイエス・キリストでも、キリスト・セカンドでもない。
 ヨシュア・キリストリアルの物語を始めよう。
 今ここに謡おう、大いなる星誕(せいたん)を。
 オレはエヴァの『別荘』から出て、みんなに会いに行く。心なしかみんなの瞳が(うるみ)を帯びているような?
 比較的に冷静そうで、オレに好意を持っていないエセチャイナに事情を聞いてみる。

「エセチャイナ。どうなってんの?」
「ひゃ! ……あの~。私も~。その~」
「なんだよ」
「ちょっと、勘弁してよね! なんでそんなに色っぽいのよ!」
「はぁ? 色っぽい? なんで?」
「し、知らないわよ。ソレより、早く逃げたほうがいいと思う」

 瞳が爛々とした連中がオレに襲いかかってくる。オレは、ソレを余裕で躱す。別にたいした速度ではない。歩くのと同じ程度だ。
 今のオレの『第六感(シックスセンス)』は極まっているようで、なんとなくだが動きが把握出来るのだ。それでも止まらないのがこいつらの長所でもあり、短所でもあるんだがな。
 オレはそれでもこんなやつらのことが、愛おしくてたまらなかった。愛は大事で大切で宝物だ。だから、オレはこいつらに言わないといけない。他に言葉はみつからないし、いらないな。

「オレに愛をくれてありがとう」と満面の笑みを見せながオレは告げたのだった。
『ポッポー』『シュポー』『ブ、ファー』『あ、イッチャッタ』などと言いながら、女子たちは頭から蒸気機関車の煙のように湯気を出し、床にへたり込む。
 そして、その中で1番付き合いが長いネギのもとに。オレはそっとネギの顎を持ち上げて、キスをする。

「ヨ、ヨシュア。これって――」
「さあな。だが、おまえの気持ちを勘違いしていたオレがアホだったんだ」
「嬉しい、やっと想いが届いた。ボクの悠久。ボクの永遠。ボクの『完全なる世界(コズモ・エンテレケイア)』。ふふふ、ひひひ、あはははは!」
「大げさなやつだな。じゃあ、他の用事をすませてくるから」

 オレはまずはシャークティさんのもとに。

「シャークティさん。オレはもうただのヨシュア・キリストリアルです。なので、これ以上オレに変な情慾を(いだ)かないでください――」
「あー! やっぱり我慢出来ない!」

 迫り来る、シャークティさんの十字架攻撃。オレは指でソレを弾く。シャークティさんは泣き崩れてしまった。

「はあ、本当にオレに好意があるんですか?」
「はい。だから抱いて」
「……激しいのと優しいの、どっちが好みだ」
「あ、壊れるほど……激しくお願いします」

 オレは、乱暴にシャークティさんの唇を奪い、そのまま――。

 その後、刀子(とうこ)さんのトコロに行く。

「ちょっと何をしたの? それ反則よ。これじゃあ……」
「まあ、ちょっとありまして。魔法の国に行く前に、刀子(とうこ)さんに挨拶をしに来ました。おそらく、魔法の国から帰ってきて間もなくオレは消滅するでしょう」
「……なら、証しをちょうだい。貴方の子が欲しいの」
「後悔しない?」
「するわけがない。ねえヨシュア。まずは蕩けるような熱いキスをして」

 オレは刀子(とうこ)さんの頭を掴んで、キスをする。

「ん……もっと」

 切なそうにオレを見つめる刀子(とうこ)さんを見て完全にオレの理性はキレる。

「うう、激しすぎる。何十回もイッテルって言ったのに……この野獣!」
「いや、刀子(とうこ)が可愛いのが悪い」
「このすけこまし」
「まあ、当然そうなっちゃいますよね。あははは。では。オレはこれで」

 その後、黒百合の練習場所に向かう。オレは昔の無礼を謝罪して、その場を去ろうっとしたのだが……。
 英子先輩が、泣きながら「私と付き合ってよ!」と言ってきた。オレは「返事は保留で」と告げてその場を後にする。
 その後、五月(さつき)とエセチャイナが臨時で開いた屋台で、クラスと関係者での宴会。
 オレの横にはネギとアーニャが座っている。右からネギが「あ~ん」をして左からアーニャが「ほら、口を開きなさいよ」と肉まんを押しつけてくる。
 なんだかんだ可愛いやつらだ。オレは2人の肉まんをペロリと食べる。
 その後は各々がオレに話しかけてきた。
 結婚してくださいや愛しています。貴方の心臓を食べたい。常時合体したいなどなど……。
 なんか愛が重いが。それでも愛は愛。オレはやり遂げる。ヨルダの計画も、神様の計画も止めてみせる。
 今はまだ、神様の世界にちょっとした亀裂を作っただけだが、魔法の国でオレはイエス・キリストの模造品という称号を消し去り、完全なヨシュア・キリストリアルになる。
 まだまだ、オレの領域では、神様に対抗できない。
 けれど、必ずやり遂げる。そして、みんなのためにオレは死のう。それが胸裏に浮かぶオレの(マコト)だ。
 こいや、神様。この世界は絶対に守ってみせる。
 それしか見えないし、それがオレの役目だ。オレを愛してくれいる人々よ。
 オレが消滅しても、新しい人生を歩んでくれ。
 思い残すことは沢山ある。みんなとじじいとばばあになって、沢山の家族に囲まれて、死にたいよ。
 打ち上げ花火のように、一瞬で消えるなんて嫌だ。
 覚悟は決めていたはずだったんだがな。あいつらの愛を知って、オレの覚悟はブレている。
 だけれど思うんだ。これこそが、人間のあるべき感情だと。誰が、好き好んで死を選ぶという。

「さて、おまえら準備はいいか?」
『おー』

 こうしてオレたちは麻帆良(まほら)から旅だったのだ。
  
 

 
後書き
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