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麗しのヴァンパイア

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第四百六十話

                    第四百六十話  調べてみて 
 梨花は硬水のことを暫くの間調べた、そしてそのうえで祖母のところに戻ってそのうえで香水のことを話した。
「色々あるのね」
「そうよ、香水と言ってもね」
 祖母はこの時も微笑んで答えた。
「一口に言ってもね」
「薔薇の香りがしたり」
「他の香りのものもあるのよ」
「本当に色々なのね」
「そうなのよ」
「薔薇ね」
 梨花は調べて見付けたその香りの香水のことを話した。
「私薔薇好きだから」
「付けてみたいかしら」
「そう思ったけれど」
「なら付けてみるといいわ」 
 祖母は梨花にそれならと応えた。
「その香水をね」
「ええ。けれど高いわよね」
「そうした香水もあるわ」
「やっぱりそうよね」
「お化粧品や香水は高いものは本当に高いから」
 だからだというのだ。
「物凄く高いものがあるわ」
「そんなの買えないわ」
 梨花は硬水の値段は知らないがこう言った。
「私には」
「お祖母ちゃんのがあるわ」
 祖母は笑顔で答えた。
「だからね」
「貸してくれるの?」
「お祖母ちゃんがね」
 そうするというのだ。
「安心してね」
「有り難う。けれど薔薇の香水は」
「持ってるわ」
 優しい笑顔での返事だった。
「お祖母ちゃん色々な香水を持っていてね」
「薔薇の香水も持っているの」
「そうよ」
 実際にと答えた。
「だから安心してね」
「有り難う、けれど悪いわね」
「悪くないわ、梨花ちゃんはお祖母ちゃんの孫だから」
「だからなの」
「こうしたことをするのは当然よ」
「そうなのね」
「お礼をしたいなら梨花ちゃんがお祖母ちゃんになった時にしてあげてね」
 こう言うのだった。
「梨花ちゃんのお孫さんにね」
「そうしたらいいの」
「そうよ」
 孫娘に笑顔のまま話していく、そして梨花は素直に頷いた。自分に孫娘が出来れば祖母の様にしようと思って。


第四百六十話   完


                   2022・4・4 
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