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オズのホボ王子

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第十一幕その五

「シロップをたっぷりとかけたな」
「それをですか」
「食いたいのう」
「王様はパンケーキはそうですね」
「そうじゃ、たっぷりとな」
 それこそというのです。
「シロップをかけてな」
「そうしてですね」
「うんと甘くして食べる」
「そうされますね」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのです。
「甘い紅茶も飲もう」
「そちらもですね」
「レモンティーをな」
 紅茶はそちらだというのです。
「こちらもうんと甘くして」
「甘いものに甘いもの」
「これが最高じゃ」
 こう言うのでした。
「だからな」
「そちらをですね」
「今から楽しもう」
「では僕は」
 王子はこう言いました。
「今日はパンケーキにはチョコレートをかけて」
「チョコレートか」
「そしてコーヒーにします」
 飲みものはそちらだというのです。
「アメリカンで」
「その組み合わせでか」
「楽しませてもらいます」
「そちらもよいのう、しかしわしは決めた」
「パンケーキにはシロップをたっぷりとかけて」
「そしてレモンティーを飲むとな」
 その様にというのです。
「決めた、だからな」
「それで、ですか」
「わしは今回はそれでいく」
 そうすると決めたからだというのです。
「そして今度パンケーキを食べる時にな」
「チョコレートとアメリカンですか」
「その組み合わせにしよう」
「そうされますか」
「些細なことであるが今はそうすると決めてそうすべき時であろう」
「シェフの人もそう用意してくれますしね」
「ならそうする、だが変えねばならん時はな」
 そうした時はといいますと。
「しっかりとじゃ」
「変えますね」
「そうする」
 そうすると言うのでした。
「決めてもな」
「それが大事に至るなら」
「ワンマンで一度決めたら変えぬのではな」
 それではというのです。
「大変なことにもなるわ」
「取り返しのつかないことに」
「だから人の話も聞くし」
 それにというのです。
「決めたことでもな」
「変えなければいけない時はですね」
「変える、それも王としての務めじゃ」
「はい、そして僕もですね」
 王子も応えて言います。
「この国の政治を預かっているので」
「わしと共にな」
「人の話はしっかり聞いて」
「ワンマンにならずにな」
「そして決めたことも」
「変える」
「そうして取り返しのつかないことをしない」
 絶対にというのです。 
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