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わりとよくあるイレギュラーなネギま!

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渾沌麻帆良祭編
  26話 それいけ、トリプルT!!!

 僕の元生徒達の急激な変化について。
 おそらく、エヴァの『別荘』を長時間使ったせいだろう。
 姿が高校生なみだ。……元から可笑しい子もいたけれど。
 が、問題はソコではない。
 僕、タカミチ・T・高畑(たかはた)はこれでも多くの修羅場をくぐってきている。
 戦争という地獄も経験済み。
 そんな僕だから分かる。
 あの子たち……僕より強くねー?
 何があの子たちをあそこまで駆り立てたのだ。
 あれほどの強さを得るのは生半可な努力ではなかったはず。
 そんな時、僕の親友とも言える年下の男の子が、ドンヨリとした顔で現れた。

「タカミッチー。実は相談があるんだ」

 すごく深刻そうなヨシュアくん。無理もない。何せ自分が神様という未知の生命体に製造された、イエス・キリストの模造品だと言う事実を最近知ったのだから。
 きっとこれから先どうやって、生きていいのかがわからないのだろう。
 僕はそっと彼の肩に手をおいて、真剣な顔でこう言った。

「なんでも相談にのるよ。これでも君より人生経験は豊富なんだ」
「じ、じゃ――初体験ってどうだった?」

 うん? 

「……今なんて言ったの?」
「だから! 童貞をすてたときのことだよ! 何歳だった? 相手はどんな人? どんなことに気をつければいいの? 身体が大人なみなら戸籍じょう10歳ともやっちゃっていいものなの?」

 ……なに言ってんだこいつ。
 こっちは真面目におまえの悩みを聞いてやろうと、いくつものかっこいい言葉を用意してたんだぞ。
 それをこともあろうに下ネタの相談とは……。

「僕がバカだった。そんなことを相談するな! おまえ本当にイエス・キリストの魂と記憶があるのかよ!」
「それは今は関係ないだろ! タカミッチー! あいつら野獣みたいで怖いんだよ~」
「何を言っているんだ?」
「じ、実は――」

 知らされる恐怖の事実。ヨシュアくんに好意を持っている人が『まほら武道会』で優勝した場合、初めてを捧げなければならないらしい。
 はっきり言おう。こいつはやっぱりアホだ。子どもの頃からまるで変わっていない。

「ど、どうしよう。タカミッチー。なんか案はない? 別にあいつらのこと嫌いじゃないんだよ。けどさ、こんなカタチで……その……」
「君が大会に出ればいいんじゃない? もう本気で行きなよ」
「オレひとりじゃ無理! なんかみんなが『ÄRM(アーム)』や『魔道具(まどうぐ)』を頭おかしいレベルで使えるし、魔法まで高レベルで使えるふうなんだよ~」
「……え?」
「だから、オレだけじゃ無理なの! 幸い色々なイベントで全員は参加しないらしんだけどさ。結局は結構な人がオレの初めてを狙ってんだよ! 普通は反対だろコレ!」

 さっきから何が言いたいのだ?
 アホ、おほん。ヨシュアくんは、ちらちらと僕の顔に『察しろよ』的な視線を向ける。

「あーもう! 分からないヤツだな! タカミッチーが大会に出て優勝してくれって言ってんだよ! 大丈夫だ。特性の『身体硬質化』と『腕力向上型』の『ÄRM(アーム)』を用意した。それに咸卦法(かんかほう)があればいける。オレもサポートするから頼むよ!」

 なんて情けないのだ。
 だがまあ、それでもヨシュアくんは親友だ。

「分かった。できる限りのことはしてみよう」
「タカミッチー! ありがとう――わありぃがどう!」

 そして『まほら武道会』が始まった。
 予選は難なく通過。
 さてトーナメント表の16人は……。
 
『第一試合・犬上(いむがみ)小太郎(こたろう)VS大河内(おおこうち)アキラ』

『第二試合・ネギ・スプリングフィールドVSクウネル・サンダース』

『第三試合・長瀬(ながせ)(かえで)VS宮崎(みやざき)のどか』

『第四試合・龍宮(たつみや)真名(まな)VS古菲(クーフェイ)

 ……クウネル・サンダースって人と小太郎(こたろう)くん……頑張れ。
 え~、僕は反対のブロックだな。
 て……おいー!

『第五試合・タカミチ・T・高畑(たかはた)VSヨシュア・キリストリアル』

『第六試合・水無瀬(みなせ)小夜子(さよこ)VS鳴滝(なるたき)風香(ふうか)

『第七試合・神楽坂(かぐらざか)明日菜(あすな)VS桜咲(さくらざき)刹那(せつな)

『第八試合・鳴滝(なるたき)史伽(ふみか)VS佐々木(ささき)まき絵』

 僕はついついくわえタバコをポトリ。
 と、この前よりドンヨリしたヨシュアくん。

「ど、どうしたの?」
「エヴァ、カリン、茶々丸(ちゃちゃまる)(しずく)に無理やり服を脱がされそうになった。それにオレって予想以上にモテているみたいでさ。めっちゃ告白された。断ったら、ワンワン泣く人とかいるし、スゲー困った」
「……うん、世界樹の呪いが効かなくてよかったね」
「よかねーよ! 断った相手みんな『絶対諦めません』ってさ。どうしろっていうんだよ」
「あのさー、それよりトーナメント表を見てよ」

 ヨシュアくんは持っていたジュースを床に叩きつけた。

「ち、くっしょー! 和美(かずみ)とエセチャイナがインチキをしたに決まっている! オレ、運営に文句を言ってくるから」

 ヨシュアくんは挙動不審に去って行く。
 はぁ~……大丈夫かな。ヨシュアくんいつかきっと刺されるぞ。
 そして本戦の日。
 僕は控え室に向かう。
 うお!? なんだこの熱気と殺気とよく分からないモノは!

「あ、タカミチだ」

 っとアスナくんがこっちを向いた。
 え? この前まで『高畑(たかはた)先生』だったのに。

「はぁ~。ガトウさんを尊敬するのはいいんだけどさ。女の子もいる控え室でタバコってどうなのよ?」
「……え? あああ、アスナくん! き、記憶が――」
「まあ、驚くよね。でも、私は気にしてないから。それと今まで影から守ってくれてありがとね」
「うう、姫。ありがたいお言葉! このタカミチ・T・高畑(たかはた)! 感激でございます!」
「あ~、そういうのかたっくるしくて、嫌いだって昔言ったよね? 気軽にどうぞ」
「は、はい。じゃなかった。分かったよ、アスナくん」
「で、タカミチ。命令なんだけど」
「は?」
「試合。タカミチが勝つか、ヨシュアが戦えなくなるほどのダメージを与えて」

 アスナくんのオッドアイが不気味に光る。
 僕は思わず「ふぁい!」と答えてしまった。
 うう、すまないヨシュアくん。
 そこから選手席に移動する。
 僕に無邪気に話しかけてくるヨシュアくん。
 僕が裏切っているとも知らずに……。

「それでは第一試合Fight(ファイト)!」

 小太郎(こたろう)くんが一気に、大河内(おおこうち)くんの懐まで飛びこみ、ショートアッパー。
 瞬間、大河内(おおこうち)くんは上空に吹き飛んだ。
 小太郎(こたろう)くんすごいな。20mは吹き飛んだぞ。
 しかも、拳は当てずにただの風圧のみだ。
 勝負あったな。

「『身体変化型ÄRM(アーム)マーメイド』」

 大河内(おおこうち)くんが(ソラ)で人魚姫のような姿に変化する。
 会場唖然。僕も唖然。ヨシュアくんは発狂。

「いや――ァ! ナニソレ!?」

 瞬間、会場の周りの水が上空に集まりはじめる。
 小太郎(こたろう)くんは「は、反則やろソレ!」って叫んでいるが、大河内(おおこうち)くんは知らん顔。

「潰れて消えろ。アクア・コンプレッション」
「ぎゃー!」

 う、うわぁ~。もう魔法とか武道とかの言い訳がつかないだろ。
 流石に反則負けかな?
 ヨシュアくんは横で「こた――!?」って叫んでいるばかり。
 いや、全部君のせいだからね。

「決着! 勝者、人魚姫拳法(にんぎょひめけんぽう)大河内(おおこうち)アキラ!」

 なんだよ人魚姫拳法(にんぎょひめけんぽう)って!
 これは会場も怒り狂うだろうし、解説も説明できないだろう。

「あ、アレが伝説の人魚姫拳法(にんぎょひめけんぽう)……まさかまだ使い手がいたとは……」

 え、豪徳寺(ごうとくじ)くん知っているのか!?

人魚姫拳法(にんぎょひめけんぽう)は水を使った武術だとか文献で読んだことがあります。使い手によっては、水に直接触れずに水を操作することも可能だとか――」
「いや、無理があるでしょ。だって大河内(おおこうち)選手は、姿まで人魚姫のように変化しているんですよ?」

 よく言った茶々丸(ちゃちゃまる)くん。

「いえ、人魚姫拳法(にんぎょひめけんぽう)はただの武術にあらず」
「まどろっこしいんだよ。クサレリーゼント。つまりどういうことだ?」
「ど、毒舌! まあいいでしょう。人魚姫拳法(にんぎょひめけんぽう)は、女性のみが習得を許された拳法……否! 仙術(せんじゅつ)ではないのかと言われています。だから姿が変わっても何ら不思議はないのです!」
『そうなのか~』

 何故か納得する観客。
 いや、どう考えでも魔法と『ÄRM(アーム)』の合わせ技だろ。
 いったいどこでその文献を読んだのだ。
 う、い、胃が痛くなってきた。
 次はとうとうネギちゃんの試合か。
 ああ、あんなにアリカ様そっくりになっちゃって。
 どうすんだよ。一部のメガロやクルトが何かするぞ。
 うん? 師匠!? ……いや師匠は目の前で死んだ。
 と、なると……あの人、アルか?
 彼のアーティファクトは『イノチノシヘン(ハイ・ビュブロイ・ハイ・ビオグラフィカイ)』。
 アルはネギちゃんに『動く遺言』を渡すつもりだ。
 瞬間――。
 若き日のあの人が現れた。

「よぉ、おまえがネギ……え? 髪染めたのアリカ?」
「お、父さん?」
「いやいや、待て! ホントにネギか? アリカの変装とかじゃねーの?」
「ひ、酷いよ。ボクは正真正銘のネギ・スプリングフィールドなのに」
「うぐ、わ、分かったから泣くな。今何歳になった?」
「え、戸籍では10歳だよ」
「はっ? おまえのような10歳がいるか! 誰かに何かされたな? おい誰だ! 何をされたんだ!」
「あのね。ボク、お父さんに会ったら紹介しようと思っていた人がいるんだ」
「なあなあなあ、おいおいおいおい! ちょっと待て!」
「あそこにいるのが、ボクの婚約者のヨシュア・キリストリアルです」
「……ぶっ殺してやる! おい、ここまであがってこい! とぼけた顔をするな! テメーだよ、テメー! そこのアホそうなヤツだ!」

 すると、僕の横でヨシュアくんが「うっさいバーカ! それにまだ婚約者じゃねえよ!」と言った。

「まだ? ぶっ殺す――」
「ねえ、お父さん。ヨシュアに手を出したら、殺すよ」
「ひ、ひぃ~! おっかねーなネギ。ま、まあいい。稽古をつけてやる」
「うん。じゃあ……『黒白の魔法(アヴェスター)』」

 な、なんだあれは?
 エヴァの『闇の魔法(マギア・エレベア)』?
 いや、しかし、その……非常に不気味だ。
 また横でヨシュアくんが「アンギャー! 勘違いじゃなかった! なんだアレ!?」って叫んでいる。いい加減にうるさくなってきた。
 
「……え?」
「じゃあ、お父さん。全力で行くね」

 何が起こったのか全く見えなかった。
 気づいたら、アルは消えていたのだ。

「う~ん、やっぱり本物に会ってちゃんとヨシュアを紹介しないと」
「勝者? ネギ・スプリングフィールド! え? なんだって? 男じゃなかったのかって? その情報古いよ。なんと彼女は女の子だったんです!」

 次の試合も驚愕だった。

「『ÄRM(アーム)忍法オロチ』」
「『ガーディアンÄRM(アーム)イザナミ』」

 この試合は怪獣大決戦だった。
 (かえで)くんが使った『ÄRM(アーム)』は真っ白の蛇。大きさは3mぐらい。目からビームを出したり、鱗がミサイルみたいに飛んでいく。しかも(かえで)くん本人も分身するから、勝つのは(かえで)くんだて思っていたのだけれど……。
 宮崎(みやざき)くんが出した『ガーディアンÄRM(アーム)』がすごく危険なモノだったのだ。
 こっちは腕が12本もある5mほどのバケモノだった。
 遠距離は咆哮の衝撃波。
 接近すれば、12本の腕での叩きつけや薙ぎ払い。
 宮崎(みやざき)くん本人も無詠唱で魔法を使うしまつ。
 結果はまさかの宮崎(みやざき)くんの勝利。
 宮崎(みやざき)くんは、何を思ったのか勝利宣言の後にこう叫んだ。

「ヨシュア・キリストリアルの初めては、私のモノだ――ぁ!」

 ヨシュアくんは口から泡を出して気絶した。
 今更ながら思ったのだけれど、『ÄRM(アーム)』は反則にならないのかな?
 お次はこの大会で1番の注目カード。
 龍宮(たつみや)くんと古菲(クーフェイ)くんの試合……おい!
 古菲(クーフェイ)くんはともかく、なんで龍宮(たつみや)くんまで本気なの!

「マナ・アルカナが命ずる。『ペルセフォネ』光を喰らえ」
「『身体変化型ÄRM(アーム)セイテンタイセイ』発動アル!」

 言うなれば闇と光の戦い。
 もうめちゃくちゃだ。これ武道とか関係ないよね。
 まあ、僕が言うのもなんだけど。
 それにしても、古菲(クーフェイ)くんはすごい。
「まだアル!」「まだネ!」「まだアルヨ!」「まだまだ!」って土壇場で覚醒をしつづけるのだもんな。
 でも、相性が悪かった。
 よくわからないけれど、龍宮(たつみや)くんの『ÄRM(アーム)』は相手のエネルギーの否定だと予測した。
 どれだけ古菲(クーフェイ)くんの光が強くなろうが、冥府にはその輝きは届かない。
 今、幕引きがおきる

「いざ宿(やど)れや『ペルセフォネ』私の愛を届けるがため」
「ぐはっ……まだ、アル。……まだまだまだまだまだ――っ!」
(くー)、光しか知らぬおまえに私を穿(うが)てる道理はないと知れ――っ!」

 なんかただの武道大会で、ジャンル違いの台詞が飛び出したぞ。
 いや、確かに龍宮(たつみや)くんなら、その台詞を言ってもいいんだけどさ。
 龍宮(たつみや)くんの暗黒っぽいエネルギー波が古菲(クーフェイ)くんに、完璧なタイミングで直撃する。
 観客は理解不能だろう。
 だって、僕の目でギリギリだったんだから。

大番狂(おおばんくる)わせだ! 勝者……龍宮(たつみや)真名(まな)! え、マイクを取らないでよ。ちょっと――」
(チャオ)、悪いな。私は計画から下りる。それと……ヨシュア・キリストリアル」

 気絶から復活していたヨシュアくんが横で『ビクッ』と身体を揺らす。

龍宮(たつみや)真名(まな)……否、マナ・アルカナが告げる。どうか私を貴方の手で女に変えて」

 まさか龍宮(たつみや)くんまで……。
 僕はヨシュアくんの肩を『ボン』と強烈に叩いた。

「な、なにすんだよ、タカミッチー!」
「キレたよ、完璧に。こんなにも僕の元生徒を毒牙にかけているなんて」
「そ、それでもオレは悪くネエ!」
「さて、次は僕たちの試合だ。悪いけど、僕は君を倒して棄権させてもらう」
「え? ど、どういうことだよ! オレたち親友みたいなもんだろ。ナンデ裏切るんだよ――ッ」

 ヨシュアくん。君のお願いより、妹みたいに思っているアスナくんのお願いを優先させるのは当然だろ?
 悪いけれど、ボコボコにさせてもらうよ。

 

 

  
 

 
後書き
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