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わりとよくあるイレギュラーなネギま!

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渾沌麻帆良祭編
  24話 イエス・キリストとヨシュア・キリストリアル

 
前書き


 

 
 オレは胸裏(きょうり)に残っている、強烈な罪悪感を消すためにエヴァの『別荘』で我武者羅に身体を動かしている。
 なぜエヴァの『別荘』で修業をしているのかには、理由があるのだ。この前の宣言は逆効果だったようで、女性陣のアピールはますばかり。
 オレはとうとう彼女たちに本気で怒ってしまった。
 そんな時、エヴァが反省した様子でオレに修業場所を提供してくれたのだ。
 今現在、この場にいるのは、エヴァ、カリン、茶々丸(ちゃちゃまる)小太郎(こたろう)(しずく)(オレがつけた6番の名前) 。
 小太郎は、まるで子犬が遊び道具をもらったみたいにはしゃいで、オレとの戦闘訓練を行う。
 こいつ『第六感(シックスセンス)』がいいのだ。オレは目を閉じて、小太郎と組み手。
 視覚以外の感覚の強化である。
 このままでは、なにも守れない。
 
「どりゃー。隙ありやー!」
「隙? ないぞ」

 小太郎の拳の受け流し、そのまま返す。
 小太郎は「ぶっは!?」と叫びながら後方に大きく吹き飛んだようだ。
 オレは目を開いて、小太郎のもとに歩いていく。

「痛いわ、ヨシ兄! 手加減しろや!」
「なんだ、こた。おまえ、強くなりたいんだろ。本当に手加減してもいいのか?」
「うぐ……。それはそうやけど」
「おまえは戦闘経験がつめる。オレもサンドバ――おふん」
「おいこら! 俺はサンドバッグちゃうぞ!」

 再び小太郎の連続攻撃。
 オレは足でサークルを描きながら、小太郎の攻撃を躱していく。

「この、ならこれでどうや! 『フェンリル』……着装(ちゃくそう)!」

 小太郎はオレのやった『ÄRM(アーム)』を身に纏う。
 こいつの想像して創造した『ÄRM(アーム)』は、変身ヒーローさながらの軽装の鎧である。
 防御力を上げると言う、思考がこいつにもあったのかと思いもしたが、やっぱり小太郎は、小太郎だった。

「オオカミダブルブレード!」

 小太郎の『フェンリル』は様々なギミックを搭載した、結構画期的な『ÄRM(アーム)』だ。剣、槍、盾、銃、空を駆けるための靴が、装備されている。今の小太郎だと同時には使えないのだが、それでもこいつの想像力には驚愕したモノだ。
 しかも、それぞれ特殊能力つき。
『オオカミダブルブレード』なるモノは斬撃を飛ばせるのだ。
 オレは拳に気を込めて、小太郎の攻撃を打ち落としながら前にダッシュをした。

「ふー。はッ!」
「なばら!?」

 オレのボディーブローが小太郎に炸裂する。

「な、なんで? 俺の戦法は完璧やったはず……」
「いや、単純におまえが武器の扱いに慣れていないだけ。後、その台詞、今のおまえのなりで言うと、序盤でやられる敵キャラだぞ」

 小太郎は「がーん!」と言いながら(うずくま)ってしまった。
 さて、そろそろ、本番と行こうか。

「エヴァ、カリン、茶々丸、雫。本気でたのむ」
「ふん。4人同時に相手とは、大きく出たな」
「いや、最近腑抜けているおまえらなら、ちょうどいいハンデだろ?」

 瞬間、空気が凍る。
 が、オレはその空気にさらなる氷柱を突き刺す。

「そんなざまだから、ナギ・スプリングフィールドに負けるんだよ。このちみっこが」
「い、いくらヨシュア様でも、それ以上エヴァンジェリン様を侮辱するのは許しません! 昔のように優しさに満ちていたお姿にお戻りください」
「カリン。おまえの言う、昔っていつの話だ? だいたいおまえにオレの何がわかると言う」
イエス(・・・)様! どうしたと言うのですか! 最近の貴方は怖いです」

 イエス? ああ、なるほどな。
 
「くひ、あははは、ははははは! 相変わらずの間抜けぶり。オレがイエス・キリストだと? 抜けているな。イエス・キリストはもう死んでいる! そうだよなぁ! イスカリオテのユダ。おまえが売ったんだよ。銀貨30枚で!」
「あ、あ……え? だって、ヨシュア様はイエス様で。イエス様はヨシュア様……だってそうじゃないと。私は、私は……ナンノタメニに生きているの?」

 オレは何故か驚愕している面々を蹴り飛ばして、カリンを罵倒(ばとう)する。
 ああ、止まれ。なんでこんな言葉を吐くんだよ。
 カリンが可愛そうだろうが。

「イエス・キリストが死んだのはキサマのせいだ。史上(しじょう)もっとも(けが)れた魂の持ち主がキサマなのだと理解しろ。いいか、その腐った脳でも理解しろ。オレはイエス・キリストではない。本当は分かっているんだろ? キサマはイエス・キリストの姿に似たオレに贖罪(しょくざい)をしようとすることで、呪いを解きたいんだ」
「やめ、やめてください。き、聞きたくない! そんな現実なんて知りたくない! だって目の前にいるじゃないですか! 私の師が! 私が心酔(しんすい)して……愛した……貴方が!」

 そもそもなんでオレがイエス・キリストなんだよ。
 どう考えても、オレは聖人(せいじん)ではないだろうが。
 オレはタダの異世界からの転生者なんだよ。
 現に前世の名前も……。
 え? オレの昔の名前?
 まて、待てよ。オレはいつ色々な漫画を読んだ?
 前世の友達の顔は?
 家族は?
 オレは……いったい。
 なんだ?
 刹那――。
 上空から氷の暴風。

「カリンから離れろ! イエス! 何故そんな酷いことを言うんだ! 普段のおまえに戻れよ……なあ!」

 ああ、おまえもかエヴァンジェリン。
 おまえも……キサマも、オレをイエス・キリストだと思っているのか?

「ドイツもコイツも……オレはイエス・キリストなんかじゃねえ!」

 なのになんで、カリンと共に旅をした記憶があるのだ。
 ああ、泣くなカリンよ。おまえには笑顔のほうが似合っている。
 けれど……言わないといけない。
 そう、オレはおまえの愛したイエス・キリストではない。
 オレは――。

「カリンにエヴァンジェリン。オレに愛を向けるな。オレはイエス・キリストじゃないんだ。オレはイエス・キリストの魂と記憶を加工して造られた、タダの模造品だ」
「……え?」
「ば、ばか……な? そんなこと出来るヤツ(・・)がいるわけが――」

 オレは上空に瞳を向ける。
 ヤツ(・・)は世界の中心に浮遊する、黄金の城の玉座に座っていた。
 そして笑っている。
『理解するのが遅いぞ』と。
 途端に頭の中を強引にナイフで何度も切り刻まれるような痛みを感じて、膝をついた。
 ヤツ(・・)は遙か遠くからただ言葉を述べただけ。
 それだけで、オレは戦闘不能になってしまった。
 かすれた声でオレはヤツ(・・)(とい)を行う。

「あんた、の、もくてき、は?」
『無論、人の子らの幸福だ』

 ヤツ(・・)――輝く銀髪に、黄金比とも言える整った顔と肉体。
 観測(・・)しただけで、オレの脳は壊れる寸前。
 それ程の神秘と圧倒的な質量の輝き。
 ヤツ(・・)のことを人はこう呼ぶ。

 ――神様(・・)と。
 
   
 

 
後書き
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