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ヤツカダキ恋奇譚

作者:わに
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陸日目(2)


雨は、全てを隠すように降り続いていた。時折分厚い積乱雲の向こうから、黒塗りの太刀筋に似た鋭い風が吹いてくる。大木を薙ぎ倒し、石灯籠を吹き飛ばし、草木を刈り取り……黒い暴風は、一片の慈悲もなく大社跡の周辺を喰らい尽くそうとしていた。
ふと、その勢いが何の前触れもなく緩む。竜巻はゆるりと弧を描き、次第に一時の収束を与えられ、やがては唐突な無風となって狩り場をしんと包み込んだ。

『うん。もう、そのくらいでいいと思うよ』

眼下、朽ちかけた鳥居の下に佇んでいた怪異が暴風の主を見上げていた。藤色の凹凸の目立つ目玉を動かして、天空に座す黒銀の塊に呑気な声を投げてくる。
大社跡の主オオナズチだ。円錐状の角を持ち上げて、降りてこい、と視線だけで上空の影に訴えていた。
刹那、滞空していた黒銀色が急降下を謀った。空を切りながら強烈な風圧とともに地上に降り立ったそれは、オオナズチとやや距離を置いた地点に着地する。雨水を溜め込みかさの増した池を光沢感溢れる四肢で掻き分けて進みながら、その黒銀色は長々とわざとらしい溜め息を吐き出した。

『霞の。呼び出しておいて礼もなしとは、貴様、どういう了見だ』

硬質で冷たい印象を与える姿に相応しい、実に冷徹な声が漏らされた。オオナズチはくるくると目玉を回し、次いで首を傾げ、旧知の友人を舌で手招きする。
苛立ったような舌打ちが漏れされたが、黒銀色は渋々といった体でオオナズチに歩み寄った。
なんだかんだで彼は他からの頼まれごとを断らない質なんだよね、とは決して口に出さず、オオナズチは大げさなほどに大きく頷き返す。

『久しぶりだね、風翔龍。そちらの方は、うまくやれているかい?』
『よしてくれ、何が風翔龍だ……貴様こそどうなのだ、いきなり呼びつけておいて「嵐を起こせ」とは。何があった』

眼前、青天を切り出してはめ込んだような深く美しい蒼色の眼が、オオナズチの姿を捉え込んだ。
鋼龍クシャルダオラ。オオナズチにとっては古い知人とも、或いは因縁の好敵手とも呼べる特別な怪異。
その体躯は鋼に酷似する堅牢な鱗と外殻に覆われていて、彼が大地を歩く度、また天空を飛翔する度にきらきらと鈍い光を周囲に零した。鋼龍と呼ばれる理由はそこにある。彼の体は文字通り鋼に守られているようなものなのだ。光沢を放つ姿には特有の魅力がある、とオオナズチは考えている。

『まあまあ。君が嵐を起こしてくれたおかげで……どうかな、この辺をうろついていた人間が逃げ帰って行っただろう。正直、長居されて困っていたんだ』

オオナズチはクシャルダオラの問いに答えない。眩しいものを見るように眼を細め、霞龍は着いてこい、とばかりに歩き出した。

『ギルドに属する人間どもだろう。放っておけばいいものを』
『でもねえ、クシャナ。ああいうのが大勢押しかけていると、ほら、小さい子たちがびっくりしちゃうし』
『霞の。悪知恵の働く貴様のことだ、それが狙いではないだろう。言え、何があった』

悪知恵とはまた人聞きの悪い――言い返そうとして、しかしオオナズチは頭を振った。クシャルダオラも長い時を生きる大賢だ、誤魔化しなどは通じまい。
しばらく歩いた後、二頭は開けた野原に出る。大社跡の入り口だ。恵み豊かな川とススキの群生の隙間に、先刻までこの地に居座っていた人間の痕跡がある。オオナズチは、手近なテントの残骸を翼で起こした風で薙ぎ倒した。骨ごと砕けたそれを一瞥して、クシャルダオラは不快そうに眼を細める。

『虫の居所でも悪いのか。どうしたというのだ、霞の』
『ねえ、クシャナ。君の管轄する群島には、変な気配は起きていないかな』

クシャルダオラは「天候を操る」力を持つ龍だ。金属質な体と肥大化した翼からは想像もつかないが、彼の本領はその強大な能力にある。一日、否、丸二日を通して彼に起こして貰った暴風雨は、人間たちをこの場から追い払うのに大いに役立った。
その証拠に、破壊したテントからは置き去りにされたと思わしき大量の資料が次から次へと溢れてくる。鋼龍は、霞龍の言葉に当惑したように一瞬沈黙した。

『……変な気配とは。ここは、そうなのか』
『もう十年くらい前からかなあ。兆候はあったんだけれどね、最近になるまで確証はなかったんだ』

オオナズチの視線は北部の竹林の向こう、遥か大社跡の最奥に向けられた。釣られるようにして眼を動かしたクシャルダオラが、物言いたげに顔を歪める。

『何か、とてつもなく大きな輩が近くに来ている。そのせいで、ここ数年はずっと「皆」が殺気立っているんだ』
『……なんだというのだ、それは』
『分からない、僕にも分からないよ。でもね、そいつはこの辺の土地の事情や怪異同士の相性、縄張りの分布……そういうのに、まるでお構いなしなんだ』
『霞の。まさか、貴様ほどの古龍が後れを取っているとでも言いたいのか』
『後れを取る、程度で済めばよかったんだけれどね。僕の話に耳を傾けられないほど興奮した子は、真っ先に人間の餌食になったから』

もうすっかり困り果てているんだよ、吐き捨てるように吐露した後でオオナズチは隠しもせずに嘆息した。
クシャルダオラは難しい顔で黙り込んだ。彼もまた、自分と同じように特定の狩り場全域に目を光らせておかなければならない立場にある。「自分だったらどうするか」、「最適解はどこにあるのか」、それを思案してくれているのだろう。「主」とは、そういうものだ。

『……数十年、いや、十数年くらい前の話か』
『うん?』
『忘れたか、霞の。似たような話が近くの森であったろう……人間の子供一人が怪しい笛を使って怪異たちを扇動し、己が村を滅ぼしたというやつだ』

言われるまで、そのようなことは忘れてしまっていた。クシャルダオラの考察にオオナズチは大きく首を縦に振る。

『あった、あったねえ、そんなこと。でもね、クシャナ。確か、村は今もまだ残っているのじゃなかったかな』
『細かいことまで俺が知るか。霞の、よく考えろ。たかだか人間の子供一人、笛の音一つ、その程度で怪異たちが思うように操れると思うか』
『……それは、そうかもしれないけれど』
『貴様の言うように「兆候はあった」のだろう、恐らくその頃にはな。霞の……用心しろ、此度の件、存外根が深いやもしれんぞ』

やはり彼を呼び寄せておいて正解だった――頷き返しながら、霞龍は独りごちる。
確か、件の子供の名は「ヨイチ」といったはずだ。ヨイチ……「夜一」。これまで見えていたようで見えていなかった盲点を見出し、オオナズチは絶句した。

『お願いごとを……』
『霞の?』
『お願いごとをね、聞いているんだ。僕が主として不甲斐なかったせいで同胞を大勢亡くした子がね、困っているようだったから』

森の奥深くに揃って居を構え、人間はもちろん、他の怪異にも見つからないよう工夫しながら、種同士で寄り添い合って暮らしていた怪異「ヤツカダキ」。
オオナズチにとって彼女は大社跡付近に根付く怪異の一つにすぎない。それ以上でもそれ以下でもない、他の怪異と平等に扱うべき存在だ。
しかし、彼女が涙ながらに怨念を吐き出した、あの晴天の日。オオナズチは、大社跡の主として自身が既に後手に回ってしまったことを知ってしまった。

『霞の……貴様、よもや特定の怪異に思い入れを抱いたわけではあるまいな』
『そんなまさか、違うよ、そういうんじゃない』
『では、なんだ。言ってみろ』
『傷口を抉るのが好きだねえ……罪滅ぼしみたいなものかな。僕はね、クシャナ。少しばかり、今回の件を甘く見ていたようなんだ』
『人間に狩られたのだったか。だがそれも、その種族の運命だろう』
『そう、そうとも、その通りさ。でもね、縄張りの全域に眼を行き届かせられなかった時点で、僕は長として怪異として、失態を演じてしまっているんだよ』

「夜一」とは、あのヤツカダキの思い人そのひとだったはずだ。己が感情と欲望のままに動き、愛するもののためなら他の命など一切省みない、危険としか判断できない不当な思考の男。
……見張り役の怪異によれば、ふたりは既に褥を共にした仲となっていたはずだ。後手どころか手遅れかもしれない、霞龍は痛みを覚える頭を横に振った。

『ねえ、クシャナ。今し方力を振るって貰ったばかりで悪いのだけれど、もう少し、僕に力を貸してはくれないかな』

訝しむように、友人が冷たい息を吐くのが見える。反論しないあたり、彼はこちらを気遣ってくれているのだろう。
良い友人を持てて僕は幸せ者だよ、うそぶくように笑いかければ、貴様に友人などと呼ばれる筋合いはない、と冷淡極まりない返事が返される。
そっぽを向いたクシャルダオラの横顔は相も変わらず鋼鉄の龍鱗に包まれていて、その表情から彼の真意を読み取ることは難しい。
オオナズチは、大社跡の奥地へ視線を投げた。既に「対抗策」として放った刺客が、「狼藉者」相手に妃蜘蛛らのねぐらに通じる穴を守ってくれている。

『ふん。断る、と言っても無駄なのだろう。俺は群島の管理で忙しいのだ、そう長居はせんぞ』
『構わないよ。「テスカト」もそう言っていたから』
『……貴様、俺だけでなくあれにも声を掛けたのか』
『おやあ、妬いているのかい、クシャナ。もちろんだよ、彼も君も、僕の自慢の友人だからね』

気恥ずかしい奴め、苦いものを噛んだようにクシャルダオラは牙を鳴らした。オオナズチはにこりと笑いかけながら、今後の策を黒銀色に囁きかける。
……嵐を呼ぶ黒い影、そう称される古龍と別れた後。霞龍は、竹林の隙間を縫うようにして姿を見せた見知った顔らに頷き返した。

『おかえり。ヤツカダキ、アケノシルム』

渦中のひとにして、涙でぼろぼろになった貌で歩み出る怪異ヤツカダキ。そして彼女を先導した怪異アケノシルム。
眼を合わせた途端、妃蜘蛛はその場に泣き崩れた。困惑した様子の傘鳥を下がらせて、オオナズチは彼女を慰めるように片翼でその絹糸の上面を撫でてやる。

『お、オオナズチ、さま』
『うんうん、大変だったね。ごめんよ、僕の方こそ……別件に力を割いていたから、変化の術が失せてしまった』
『ち、がうん、です、違うのです……私、私は……っう、うぅううっ……』

泣きやむ様子のないヤツカダキを見て、霞龍は深く嘆息する。夜一という狩人は、一体どれだけの傷と希望を彼女に与えてくれてしまったのか。
ここまでの損傷だ、彼女には早々と巣に帰って貰うよりない。強引に引き裂いたところで二人の熱が引くかどうかは分からないが、それ以外に打つ手はない。
こうなれば、件の狩人がどれほど「本気」なのか確かめてみるしかあるまい――久方ぶりに沸いた感情に、オオナズチは誰にも気取られぬよう小さく笑った。






じっとりと肌に纏わりつく汗と、顔に張りつく涙の跡。ぼんやりとして上手く働かない頭を横に振って、夜一はのそりと起き上がった。
窓の外に広がるのは、豪雨ではなく見事なまでの快晴だった。いつの間に止んでいたのだろう、眩しさに目を細めて頭を掻く。小屋の中は僅かな湿気と特有の臭気を漂わせながらも、しんとしていた。ぐっと眉間に皺を刻んで、夜一は傍らの愛しいひとに触れようと手を伸ばした。

「……艶?」

返事は、ない。それどころか、手は容易く宙を空振る。見渡せど、彼女の気配はおろか、残り香ひとつ残されていなかった。
血の気が引く。熱の引いた布団を蹴り飛ばすようにして跳ね起き、揃えてあった防具を乱暴に身に着けた。
……手に馴染んだ片手剣を腰に戻した瞬間、夜一は「防具一式が綺麗に纏められていた」ことにはたと気づいて愕然とする。
これらは、艶が整えていってくれたのだ。そうして狩人が出した仮説と結論はただの一つ――彼女は恐らく、二度と自分の前に帰ってくるつもりがない。

「……嘘だ」

ひゅっ、と喉が引き攣る音がした。頭が真っ白に染まり、よろめき、歯噛みし、発狂しそうになるのを堪えながら外に走り出る。

「艶、どこだ」

さらさらと陽光を反射させて輝く小川。青い夏空、白い雲。鳥のさえずり、笹の葉の木漏れ日、若草の匂い。かつて見た、美しい里の風景が広がっていた。
立ち尽くした夜一の眼前、そこに艶の姿はない。ハンターとして初めてこの地を訪れたときと変わらぬ景色の中に、愛しい女の姿はなかった。
ぱっと振り向き、はにかみ、紫色の髪飾りを白髪に添えて笑う美しいひと。初めから、端から、最初から……そんなものは、どこにもいなかったかのように。彼女の熱は、気配と音は、その輝きは。あの夢のような一時の後に、夜一の前から跡形もなく消え失せていた。

「――ッ、……!!」

何かを叫ぼうとして、声にならないことに苛立ち、喘ぐ。ぎりっと音が鳴るほど奥歯を噛んで、夜一はすぐさま駈け出した。
柵を跳び越え、笹の葉を散らし、砂利を蹴って走り、走り、ただ走り。呼吸すら置き去りにするようにして、あっという間に自宅に着くや否や戸を開けた。

「だっ……旦那さん!?」

玄関に飛び込んだ夜一を出迎えたのは、艶ではなかった。幽霊でも見たかのように目をまん丸くした、オトモの暁と灯火だ。

「あっ、か……暁っ、ともし、びっ……」
「旦那さん、どうしたのニャ!? 酷い顔ニャ、今すぐ水を」
「ワ、ワオワォ、ワゥン」
「い、いや、いい……それより、そんなことより、ふたりともっ! 艶を……艶を見ていないか!?」

引いたはずの汗が止めどなく流れ落ちる。千切れそうな呼吸を振り払うようにして、一分一秒でも惜しい、と夜一はありったけの力を込めて叫んでいた。
びくりと肩を跳ね上げさせた二匹は、ちらと目を見合わせる。すぐに左右に振られた首を見て、夜一は膝から崩れ落ちそうになった。

「旦那さんこそ、艶さんを迎えに行ったんじゃなかったのニャ? ボクたち、そろそろクーロさんたちのところにいこうと思ってて……」
「……っあ、」
「ワゥオン」
「そうニャ、夜が明けても戻らなかったら、って言ったの旦那さんニャ。まさか旦那さん、艶さんに振られちゃったのかニャ?」

ニャハハ、と暁は冗談を言って場を和ませようとした。しかし、待てど暮らせど主からの返事はない。
どうにも様子がおかしい、そうして灯火と共に恐る恐る見上げた先で、狩人の顔は死人か病人かのように青ざめていた。
その場に立つのもやっと、という体の夜一を見て、ふたりは自分たちがとんでもない冗談を言い放ったことに気づいて慌てふためく。声を掛けても、夜一は何の反応も示さない。絶望に満ちた顔のまま、ただ呆然とその場に立ち尽くしたままでいた。

「――遅かったな、夜一。もう昼前だぞ」

外から声が掛けられたのは、そのときだ。開かれた玄関口に、いつの間にか赤い洋装に身を包んだ狩人が立っている。
聞き覚えのある声に振り向かず、夜一は黙って顔を俯かせた。その様子にふむ、と軽く頷いて、クーロは懐から手書きと思わしき紙切れを一枚取り出した。

「『仕事』だ。分かっているな、夜一」
「……」
「大社跡に古龍が現れた。今は俺たちのチームが対応しているが、被害が甚大だ。お前には負傷者を回収するまでの間、連中の足止めを頼みたい」
「……クー、ロ」

見慣れた背中、見知った声。クーロは常の調子で夜一に声を掛けたつもりでいた。結局最後には文句を並べながらも受注するだろう、と決めつけて。
しかし、ゆっくりとギルドの守護者に振り返った狩人は夜一ならざる者の顔をしていた。屍と鬼の狭間、慟哭を上げる寸前の、追いつめられた罪人の顔だ。顔の血の気を失せさせ、しかし黒瞳には明確な怒りと嘆きを湛えさせ、夜一はふらつく足取りで歩み出ると、目の前の狩猟依頼書を強奪する。

「おい、夜一……」
「行ってくる。暁と灯火を頼む」
「ちょっ、だ、旦那さん!? 旦那さんっ!!」
「ワ、ワオーン!! ワオォンッ!」

道具の補充も、武器の手入れも、依頼書の確認も、果てには身に着けた防具の調整も行わないままに。
夜一はとっ、と軽く土を蹴り、次の瞬間には息を呑む速さで走り去っていった。置き去りにされた、と残された誰もが確信する。
亡霊のような気配を纏った狩人は、一度も親しい仲間らに振り返ろうとしなかった。まるで目に見えない影を追うかのように、その足取りには迷いがない。

「……あなたがクーロさん、ですかニャ?」
「っ、そうだ。君たちは夜一のオトモの……話は、奴から聞いているよ」
「クゥン……」
「そうですか、ニャ。じゃ、話は早いのニャ……旦那さんを、止めて欲しいニャ。たぶん、旦那さん……あのまま、死ぬ気ニャ」

暁は、声を震わせながら吐き捨てた。過去に「シロタエ」と呼ばれた亡霊をなぞったような朱色の眼が、親の敵を見る眼差しでクーロを睨む。
体を強張らせたクーロは、まさか、とだけ呟いた。夜一に限ってオトモを置いて死ぬなど有り得ない……友人への信頼が、後を追うことを躊躇わせている。
暁は、そんな守護者の心情を見抜いているかのように舌打った。牙を剥き出しにし、悔しげに、心底悔しげに顔を歪め、灯火の体にしがみつく。

「旦那さんは、艶さんのことが本気で好きなのニャ。ボクたちはオトモだけど、艶さんとは付き合いも短いけど、でもそれくらいちゃんと分かるのニャ。あの旦那さんが里の中を一晩中ずっと探して、それでも見つけられなかったって言うんだから……艶さんはきっと、大社跡のどこかにいるはずなのニャ」

古龍種。どの生物の法則性からも外れる、未知なる恐るべき存在。
いくら夜一が手練れの狩人であろうとも、彼とて生身の人間だ。古龍を相手にして無事でいられる保証は、どこにもない。
「夜一が死ねば、それはお前たちのせいだ」。朱色の炎は、返事に詰まった黒瞳をひたむきに非難していた。

……彼らは知らない。
夜一が誰を、何を追って家を出たのかを。その行く先に、如何なる道が選ばれようとしているのかを。
 
 

 
後書き
……

以下、こまごま独自解釈。

ドス古龍の個々の性格・口調は、それぞれ
オオナズチ:個人解釈
クシャルダオラ:モンハンワールドにおける歴戦王
テオ・テスカトル:クエスト依頼主「古代の衣装を着た青年」
として設定しています。今回、テオさんはまだ出てきていませんけども…!
各々でそれぞれに対する呼び方を変えてみたりと、ドス古龍好きを詰め込んだ結果となりました。

オオナズチが達観したようなものの見方をするのには、彼が大社跡を任された個体であることが理由に挙げられます。
とはいえ、従来の彼らは「ものを盗んだり」「姿を消したり」する頭脳派です。
この時点で夜一は決定的なミスをおかしているのですが、そこはガンバレシュジンコウしてもらうしかなさそうです。
 
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