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少女は 見えない糸だけをたよりに

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9-6

 お姉ちやんのお誕生日ということで、家族揃って、ホテルのレストランでの食事だった。

「燿 新しい商品が順調に売れ出しているそうじゃぁないか」と、お父さんがいきなり聞いてきた。

「ええ 香波が頑張ってくれたからね」

「お姉ちゃん 私 言われたことやっただけです」

「私は サポートしただけよ それに、すみれさんのアドバイスも良かったわね」

「いずれにしてもな 香波が燿の店のことを、一生懸命やってくれているんで、ワシも助かってるんだ 香波が居なければ、気になってしまって、帯屋のことに身が入らないものな 今は、香波に安心して、任せているみたいだからな」

「そうなのよ お父様 だから、25までという、お約束 まだ、しばらく続けても良いでしょ お願いします」

「うむー やむえないだろうなー だけど 燿もわかっていると思うが・・ 香波の男とのことも考えているんだろな」

「わかっている まだ もう少し先のことよ それより、お父様のほうこそ、覚悟しています? その時になって、大騒ぎするのって嫌よー あー 香波 別に、あなたは負担に思うこと無いのよ 彼との将来を第一に考えるのよ」

「ありがとう お姉ちゃん 今は、お店のこと一生懸命頑張ります」

「ところで 燿 彼氏もいないみたいだなぁ どうするんだ もう25だぞ」

「ふうっ まだ25よ だって ときめくような人 現れないんだもの」

「だから 見合いしろって 言ってるのに」

「お父様 私を早く片づけたいの―」

「そんなわけないじゃぁないか 手元に置いておきたいよ けど、いつまでも、結婚もしないのもなー」

「父親って 複雑ネ お父様」

「ふむー お前に心配されたくないわー お前達が幸せになるんだったら・・仕方ないじゃぁないか 親ってそういうもんじゃわい」 
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