| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十一部第一章 全戦線でその五十四

「家の者達が食べる」
「そうなりますね」
「私も家族も食べるしだ」
「使用人もですか」
「同じだ、私がいいと言えばな」
 家の主である彼がというのだ。
「それならだ」
「いいということで」
「家の者全員にだ」
 使用人ひいては彼等の家族達にもというのだ。
「食べてもらう」
「余ったなら」
「それで足りないなら余分にだ」
「多く作る」
「それだけのことですか」
「そうだ、それに前以て多く作ってもらうしな」
 その考えだというのだ。
「カレーはだ」
「はい、あの料理はです」
 カミュが応えた。
「多く作れば作る程です」
「味が出るな」
「そしてよく煮込めばです」
 ルーをというのだ。
「その分です」
「味が出るな」
「実に」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「私もだ」
「カレーはですね」
「常にだ」
 好物であるそれを食べる時はというのだ。
「多く作らせている」
「左様ですね」
「そして残ってもだ」
 それでもというのだ。
「使用人達に食べさせる」
「そうされますね」
「そうだ、あとだ」
 ギルフォードは今度はこうも言った。
「やがてサハラともだ」
「あの国ともですか」
「統一すればですか」
「その時はですか」
「あの国とも交流を進め」
「そして深めますか」
「そう考えている、そして」 
 ギルフォードはさらに言った。
「その時は近いな」
「サハラが統一されるからですね」
 アランソが何故近いかを確認した。
「だからですね」
「そうだ、私もだ」
「今日報告があった勝利が」
「サハラの命運を決したと見る」
 どの国が統一するかをというのだ。
「全てをな」
「まさにですね」
「今日の勝利は決定的だ、何故あそこまでオムダーマン軍が勝利したか」
 エウロパ戦役を戦った経験からも言うのだった。
「わからないがな」
「どうもです」
 アランソが言ってきた。
「昼にプロコフィエフ参謀総長とお話しましたが」
「それで何と言っていた」
「あの勝利はです」
 オムダーマン軍のそれはというのだ。
「伏兵をかなり効果的に使ったかと」
「そうしてだな」
「はい、あの勝利はです」
 まさにというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧