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わりとよくあるイレギュラーなネギま!

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聖誕
  16話 ムッツリせっちゃん

 ヨシュア・キリストリアル。
 あいつはいったい何者なんだ?
 あの洗練された体捌(たいさば)き。
 どこか神聖さがにじみでた魔力と気。
 普段の軽薄な印象とはまるで違う。
 それに光輝(こうき)を感じる緑の瞳。
 無駄が一切そぎ落とされた肉体。
 男の人の裸は小さい頃に、道場で見て以来だったが、あんなにも男の人の裸とは光輝に満ちたモノだったのか?
 それに背中に光る、十字架のような雪の結晶の模様。
 私が禁忌なら、あいつはまるで正反対だ。
 けど、どこか……いや、私の勘違いだろう。
 あ、っと、あいつの裸を真剣に思い出してしまった。
 もし、あのまま、このかお嬢さまたちがこなかったら……。
 私、ウチ……、どうなってたんやろ?
 ご、ごくり。あの雄々しいアレがウチの……は!?
 何を考えているんや!
 正気に戻れ、桜咲(さくらざき)刹那(せつな)
 あ、あんなヤツのことを想像するな!
 私は正気に戻った。
 関西呪術協会(かんさいじゅじゅつきょうかい)の過激派の妨害を止めるために、式神(しきがみ)返しの()をぺたんと貼り付ける。
 ……ぺたん。私は自分の胸に手を当て、ヤツ――ヨシュア・キリストリアルの言った言葉を思い出した。

『壁・ぺたんこ・絶壁・やーい、ひんにゅー!』

 ……殺す。私はムシャクシャしたので、ホテルの外で素振り(すぶり)を行うことにした。外に出る時に、従業員の人とぶつかったので、軽く会釈。

「ヨシュア・キリストリアル! おまえなんて、おまえなんて……」

 あ、あかん! いつのまにかあいつのことばかり考えている!?
 ウチ、どうなってしまったんやろ?
 
 瞬間――。

「ぺぽ――っ」と言うふざけた叫び声と共に、さっきぶつかった従業員の人が、ホテルの入り口から吹き飛んできた。
 な、何が起こったのだ?
 そして、ホテルの入り口からヤツ、ヨシュア・キリストリアルが出てきた。
 あ、浴衣姿……かっこ――おほん!

「ヨシュア・キリストリアル。何事だ?」
「このかを狙った刺客だ」
「こ、このちゃんにケガは!?」
「いや、オレが気づいた時には、こいつ、このかに張り手をくらってたぞ」
「このちゃん、すっかり逞しくなって……」

 こいつがこのかお嬢さま……このちゃんたちに、何をしたのかは詳しくは知らない。
 けれど、このちゃんの魔力はとっても澄んでいて、以前より綺麗。
 たとえるなら研磨される前の宝石と、熟練の職人に加工された後の最高級の宝石。それにこのちゃんと一緒に『修練の門』なるモノで修業したメンバーも隙が少なく直感が素晴らしいのだ。
 総合的な戦闘力は私が上だろうが、このちゃんたちには『奥の手』があるという。
 それがなんなのかは、あまり見当がつかないが、このちゃんたちが最近身につけている銀細工が怪しい気がする。
 と、ソコで、ヨシュア・キリストリアルが私に話を振ってきた。

「なんかカワイソウだったから、ここまで引きずってきた。さて、おいメガネ」

 ヨシュア・キリストリアルは、従業員の人、否、関西呪術協会の過激派の刺客に馬乗りになって、連続張り手を行った。
 う、うわぁ~。これは絵面(えづら)的にあかんやろ。

「いた、いたいわ! おのりゃ、ほんまに男か! 女に手をあげるなんて!」
「オレはコレでも慈悲深い。本気だったら今頃おまえの歯、全部折れてるぞ」
「ひゃー!? ドSどころの話じゃない! あかん、ウチ、ここでこいつの子どもを孕まされるんやわ!」
「なぜそうなる? だがまあ、それが好みのようだな。このドMが」
「あ、あかん。そ、そげな――」

 ヨシュア・キリストリアルは、ずいっと、刺客に顔を近づける。

「いきなりちゅう!?」と私は、驚愕して声を張り上げた。
 
「や、優しくして。ウチ、はじめてで……」と刺客は艶っぽい声を漏らす。
「嫌だね。ほら抵抗しろよ……うん?」
「あ、あ、あ……」
 
 あわわわわ! ウチ、こんなんみんのはじめてや!
 で、でも~……興味、あるわ~。ちら、ちら。

「ウチは見てませんよ~」って言って顔を手で覆いながら、隙間からこれからの行為を覗き見る。
 ソレにあの刺客の場所がウチやったら……。



 もわもわ~。



『刹那、声を出すなよ。このかたちにバレてもいいのか?』
『む、無理や! ウチ、ウチ……』
『抵抗するんじゃない』



 
 もわもわ~。


 
「ああ――っ!」
「……何で叫んでんだよ」
「え? あ、刺客は!?」
「すまん。逃げられた」
「……あの状況で?」
「なんか、そっくりな顔のガキが2人で妨害しやがったんだ。どちらも西洋の魔法使いだった」


 何故か首をかしげる、ヨシュア・キリストリアル。
 しかし、こいつの言うことが本当となると、状況は一気に悪くなる。
 悔しいがこいつの実力は確実に私より上。
 それを妨害したとなると、相手も相当な手練(てだ)れだ。
 最悪、エヴァンジェリンさんの陣営に助力を求めないといけないな。
 私は、その案をヨシュア・キリストリアルに告げる。

「う~ん、実はさっきオレも頼んだんだよ。そしたらさー『嫌だ、嫌だ、いやだー。京都で沢山遊ぶんだもん!』だって。あいつのテンション可笑しいんだよ。まあ、ホントのホントにピンチになったら、助けてくれると思うんだけど」

 そ、そんな、あの誇り高き悪の魔法使いが……まるで駄々っ子じゃないか!

「つーわけで、オレたちでどうにかしよう。じゃあ明日の班別行動の打ち合わせをするか」

 私は、ヨシュア・キリストリアルにぎゅっと手を握られてしまった。

「ヨ、ヨシュア・キリストリアル。て、てててててて!」
「おまえなにを言ってんだ? 後、フルネームじゃなくてヨシュアでいいぞ」

 ヤツは、天に煌めく星々のような笑顔を、私に向ける。
 と、とととと――トクン。

「う、うん。ヨシュア、ウチのことも刹那でえーよ」
「そっか。じゃあ、刹那。改めまして、よろしくな」

 はうっ!? なんなんやこいつ! そんなにキラキラと光るなや!
 あ、心臓の鼓動が激しくなる。どくん、どくん……。
 どくどくどくどくどくどく――。
 し、死んでまう。
 あかん。ウチ、病気になってもーた。
  
 

 
後書き
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