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わりとよくあるイレギュラーなネギま!

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聖誕
  14話 修学旅行の序盤でやらかす男

 空気が重い。
 視線が痛い。

「ヨシュア~。あーん」
「いや、ネギ。やめろって」
「……あーん。あーん、あーん!」

 今は修学旅行の京都・奈良に行くための電車内。
『修練の門』から戻ってきたネギは少しだけ女性らしさが増していた。
 そんなネギはどこで覚えたのか知らないが、おにぎりを作ってきていたのだ。
 ソレをオレの口に「あーんをして」と言いながら、押しつけてくる。
 クラス中の視線がオレたちに集まる。

「ネ、ネギ! 1人で食べられるから!」
「ふぇ……えーん、えーーーーーーん! あやかさんにちづるさん~」

 バカ、やめろ。厄介そうなやつらを呼ぶな!
 オレは近づいてきた、あやかと千鶴(ちづる)の、強烈なプレッシャーを浴びる。

「おい、ジゴロ。ツラかせ」
「ち、千鶴さん、ジゴロはないんじゃないんでしょうか」

 千鶴のあまりの豹変に驚きを隠せないオレは、思わず敬語になった。
 だが、千鶴は「ああん!」と高圧的にオレの腕を、ギリギリと握りつぶそうとしてくる。

「いてーよ、このゴリラ……あ、いえ、何でもないです」
「まあまあ、千鶴さん。ここでは目立つので、場所を変えましょう。おい、ジゴロのゴミカス。こっちにきなさいな」

 うぐ、秘密を打ち明けたメンバーからの視線が特に痛い。
 まるで、磔にされて脇腹を槍で刺されたような感覚。
 オレは電車の座席がない部屋(名前は知らん)で、2人に壁ドンされる。
 あら、この人たちちょ~う強引なんだから……って冗談言ってる場合じゃない!
 顔こえぇーよ。なんで目玉が真っ黒に光って、グルグル回転しているんだよ。

「あなた、ネギちゃんはまだ10歳なのよ」
「そうですわ。他に相手は沢山いるでしょ!」
「……あのさ、ネギの行為はきっとそんなんじゃないって」

 ごまかすオレに、ぐいっと顔を近づけるあやかと千鶴。

「顔近い! おい、この状況を見られたら誤解を受けるぞ」
「別にいいですよ。だからネギちゃんとの距離は適切にしてください」
「ええ、そのとおりです。あなたは今こそ、キチンと状況を判断するべきなんですわ」
「……うぜぇ」
「なんですって?」
「今なんと言いましたか!」

 こっちはとっくに理解してんだよ。オレはネギにとって害悪だ。
 ネギの心を縛り付ける楔なんだよ。
 でも、分かっていても。

「おまえらに何が分かるという! ひとりぼっちがネギだけだったと思うか? なあ、気づけば知らない場所にポツンとひとりでいる奴の気持ちが分かるか? 言葉も分からず、よそ者だ、無能だとバカにされる日々のことが分かるのか! あいつらだけだったんだよ……ネギたちだけだったんだ。オレに優しくしてくれたのは! あいつがオレに変な情愛を抱いているのは分かっている。けど、今はまだ、あいつの側にいさせてくれよ、なあ!」

 オレのずっと抱えてきたセキがキレる。
 まさしく八つ当たりで言い訳のしようもない。
 そんな時、柔らかい感触と、ほんのりと甘い匂いがオレの鼻腔をくすぐった。

「そう言えば、あなたもまだまだ子どもでしたね。見た目に騙されていたわ」
「大丈夫ですわ。私たちはあなたをひとりになんてしません。これからは共に歩みましょう」
「あ、あ……オレ、頑張ったんだ。ネギが寂しくないように。ネギを守れるように……頑張ったんだ! でも、オレは弱くて。村も救えなくて。恩人の足も!」
「……あらあら」
「まったく、無理をして」

 オレは無我夢中で2人の腕の中で泣いた。
 赤ん坊のように。

「ああ、ああぁぁぁ――ッ」

 ああ、母よ。彼女たちはあなたと同じ香りがします。
 ああ、父よ――。

■■■■■■■■■■■(キ■マ■ソク■■ト■レ)

 あ、オレは――。
 わ、私は――。
 ■の――。

「ヨシュアさん、どうかしましたか?」
「顔が真っ青ですわよ」
「…………あれ? なんだっけ? と、すまなかった。みっともないところを見せたな。いや、ここはこう言うべきだった」

 オレはニカッと笑って、千鶴とあやかにハグをする。

「な!?」
「ち、ちょ!?」
「――ありがとう」っとそう告げて、オレは普段のオレに戻る。

「じゃあ、みんなのところに戻ろうぜ。これからは一緒に歩いてくれるんだろ?」
「……反則よ。これじゃあ――」
「ホント……こんな時だけ――」

 何か小声がしたが、オレはネギの横に戻る。

「ああ~ネギ。オレ、お腹減ったな~。どこかにおにぎりでもないかな?」
「あ、あるよ! ボクね、頑張って作ったんだ。食べて食べて! ……はい、あーん!」

 むしゃり、お、中々うまいじゃないか。
 オレがもぐもぐしている間は不安そうな顔のネギだったが、ぐっと親指をたてるとひまわりのような笑顔を見せた。
 瞬間、悲鳴が電車内に響きわたる。
 えーと、カエルがぴょんぴょんとしているぞ。
 確か関西の妨害行為だっけ?
 オレは心を静め、神経を集中する。

「ヨシュア?」
「ネギ。術者が近くにいる。ここで戦いを仕掛けてくるアホじゃないと思うが、用心はしとけよ」
「え!? じゃあ、親書を確認しないと――」

 あ、このバカーン!
 ネギは懐から親書を取り出して「あ、よかった」と言っている、が。
 瞬間――。
 ヒュッ――とツバメが親書を奪っていく。
 ネギはもうスピードで、ツバメを追いかけてつかみ取る。
『おお、ネギ先生すごーい!』っとクラスのメンバーが拍手をした。
 だが、ここで誤算が起きる。
『修練の門』で修業させたメンバーが、電車の座席ルーム外に走って行った。
 オレはネギに「クラスは任せた」と告げてダッシュ。
『修練の門』で修業したメンバーは、桜咲(さくらざき)龍宮(たつみや)、エヴァンジェリン、湯田(ゆだ)、ロボ娘と臨戦状態。唯一このかだけが、困惑中だ。
 オレは『ÄRM(アーム)』を展開しようとしているアホ――アスナの頭を叩く。

「いった~! なにすんのよ! さっきのツバメこいつらでしょ!」
「このバカ、アホ、間抜け。ああ、スマンなおまえら。特に桜咲」
「ヨシュア・キリストリアル……貴様! このかお嬢様になにをした! 何故このかお嬢様の魔力が研ぎ澄まされているのだ! 答えろぉ――ッ!」

 あちゃ~、せっちゃん、ブチギレやんか。
 オレは桜咲の初動に合わせて、距離を詰め、刀をにぎっている腕を固定した。

「きゃ! やめて! 犯される――っ!」
「おいーーーー! 変なデカい声を出すな! 誤解をされるだろうが!」

 瞬間『ポン』と肩を叩かれた。

「あ、セルッチ」

 ソコにいたのは魔法先生のセルッチこと瀬流彦(せるひこ)先生だった。

「話は署できこうか」
「あ、違うって! オレはタダ――破こう(・・・)としたしただけだ!(臨戦状態を)」
「……容疑者。確保」

 オレはセルッチと新田(にった)先生に大目玉を食らう。

「うう、誤解なんだよ~」

 どうにか、対立は避けてくれよな、みんなー!
  
 

 
後書き
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